ゴロウ・外山のアマゾンBAN! BAN!(「ゴロウ・デラックス」 5/25)

オープニング。
「今日は東京中のシェフが大注目している凄腕の料理人が登場します。」(外山さん)
「ということは色々食べられる回ですか?」(吾郎)
「因みにアマゾン料理を作る方です。」(外山さん)
「アマゾン料理?!」吾郎は一瞬固まって、
「一気にバラエティテイストに・・・。ピラニア食べろとかそういう企画?」
さあ、どうでしょう・・・

アマゾンは南アメリカ大陸の約30%を占める世界最大の熱帯雨林です。そこには500万種を超える多種多様な生物が存在。魚は4500種類以上、果物も3000種類以上あって「食材の宝庫」と呼ばれています。そして今「世界最先端の美食の地」として注目を集めているのだそうです。
昨年の「世界のベストレストラン50」のトップ10には南米ペルーのレストランが2つもランクインしています(因みに日本のレストランの最高位は18位)。
今をときめく日本のシェフ達も大注目している地域なのです。

今回のゲスト、太田哲雄シェフはアマゾン料理の魅力にいち早く気づき今グルメ界で注目を集めている方です。
「どなたからも好かれそうな方ですね。」(外山さん)
「シェフの格好をしないとシェフに見えない。」(吾郎)
太めのボーダーシャツを着て「よろしくお願いします」と頭を下げる姿はどこにでもいそうな好青年。しかし大変輝かしい経歴をお持ちなのです。その修行経歴は、

2004年 ミラノの一つ星レストラン「ラ・フェルマータ」
2010年 世界のベストレストラン50で4年連続1位「エル・ブジ」
2011年 ミラノの大富豪マダムのプライベートシェフ

「すごい!・・・ミラノの大富豪マダムになりたい。」(吾郎)(←そっちかい!!)

課題図書 : 「アマゾンの料理人」 太田哲雄 (講談社)

高校卒業後様々な星付きレストランで修業した太田さんが最後に行き着いたアマゾン。そこには今まで出会ったことがない様々な食生活と食材がありました。一流レストランを渡り歩いた太田さんがなぜアマゾンに魅了されたのか?その部分を吾郎が朗読。

欧米の一流シェフたちの多くは、自身の作品として料理を作り、ミシュランの星や「世界のベストレストラン」で、評価を上げることに夢中になっている。
かつては僕も、最先端のクリエイティブな料理に憧れた。スペインの「エル・ブジ」で修行もしたし、ミシュランの星付きの店をすごいと思う感覚もあった。
だけど、アマゾンに通うようになって価値観が大きく変わった。
そこでの暮らしは、野性的、イコール野蛮ととられることもある。食事でもテーブルマナーはほとんど存在せず、立ったまま手づかみでムシャムシャ食べることも多い。だけど僕は、道に座り込んで一心不乱に骨付きチキンにかぶりつく人たちの貪欲さに、心を動かされる。この人たちの力強さには勝てない、と思うのだ。
僕は、調理場にこもってストイックに料理を追及したいとは思わない。料理人が主役になるような料理を作るのではなくて、料理を通じて、人と人、人と社会の関係を築いていきたいのだ。

「絶対いい人ですよね。」と外山さん。誠実という意味でしょうね。
「ここに全て詰まってますよね、この本のメッセージが。太田さんの生き方とか料理に対する思いとか。」(吾郎)

ここで太田シェフの価値観を変えたアマゾン料理を3つご紹介。
1.マタマタの煮込み
マタマタは大きな亀で、枯れ葉や岩の様な変わった見た目をしています。
「これどうやって食べるんですか?」(吾郎)
「アマゾンでは亀をよく食べるんです。陸亀だったり、このマタマタ・・・川にいる亀ですね・・・それを私は・・・ハハハ・・・」と真面目に話していた太田さんがいきなり笑い出しました。当時を思い出したようです。そしてすぐ真面目な顔に戻って、
「原住民の暮らしがしたいと思いまして、原住民の家にポンと落とされてその人たちと生活を共にしていたんですけど、アマゾンには冷蔵庫がないんですよ。ガスもないし水道もないし電気もない。その日獲れたものだけを食べる。なので狩りに連れて行ってもらって一番最初に狩れたのがこの亀、マタマタだったんです。私が最初に獲ったマタマタで、両手で抱えないと持てない位大きい。70歳位の亀でした。」
「えー!」(外山さん)
「スッポンみたいな感じですか?」(吾郎)
「味はスッポンですね。スッポンよりももっと味わい深いです。」(太田さん)
そしてそれをスープにして食べた時
「70歳の亀なんですが、70歳のパワーが自分の中に入ってきたんですよ。70年間生きたパワーが自分の中に入ってきたときに自分の体がびっくりしちゃって、全身の毛穴が開くような感じで。スープを食べながら自分の体から湯気が出ているような感じでしたね。」と太田さん。
「自分より年上の生き物を食べるってないじゃん。スッポンとかはまあまあ年取ってるけど。」と吾郎。(←確かに!)
因みに匂いはないそうで、
「アマゾン川の魚って臭いんじゃないの?ってよく言われるんですけど、川が濁っているから臭いってイメージがあるんですけど、アマゾンの食材は全然雑味が無いですね。」とのこと。

2.アマゾンの蜂蜜
「今日はアマゾンで採れた蜂蜜を持ってきました。」(太田さん)
「えー!嬉しい!」(外山さん)
「巣から直接採ってきたもので、これをなめてもらえば・・・私たちが普段なめている蜂蜜ってねっとりしていますが・・・ほんとの蜂蜜ってこうなんだと分かります。」(太田さん)
そして出てきたものを見て
「えー!これ?」「蜂蜜なんですか?すごいサラサラ!」と吾郎と外山さんはびっくり。コーラ(?)のペットボトルに入っているのでなおさら蜂蜜に見えません。色も薄めです。
「蜂の巣にナイフを入れるとサラサラと出てくるんですか?」(外山さん)
「はい、蜜の部屋があるので、サラサラと出てくるんです。」(太田さん)
「甘いモノなんですか?」と吾郎。(甘くない蜂蜜ってあるんでしょうか。)
「ほんのり甘いです。」と言いながら太田さんはペットボトルを上下に振りました。「これ、採れたては強いので、余り舐めすぎると興奮して眠れなくなります。もっとサラサラしてるんです。」
吾郎はスプーンを太田さんの方に差し出しました。スプーンに注がれた蜂蜜はほんの少しトロリとしています。吾郎は興味津々の顔つきで蜂蜜を口に運びました。
「あ!おいしいじゃないか!…甘すぎない…。でも蜂蜜っぽさは蜂蜜よりもある。」
「蜂蜜の香りがする…。ちょっと酸味がありますね。フルーツっぽい。」と外山さんも驚いています。
「ドローっとした蜂蜜、あれ砂糖の味がする。」というのが吾郎の感想です。
「これが本物の蜂蜜です。」と太田さん。「蜂蜜一つとってもこういう味わいがするので、アマゾンで採れるフルーツや魚やお肉は私たちが想像しているものと全然違う味わいがします。・・・ピュアなんです。」

3.カピバラのスープ
「え、カピバラ?」(吾郎)「日本では温泉に入ってますよ。」(外山さん)
「動物園では子供に人気だと思うんですけど、アマゾンでは食料です。」と太田さんはキッパリ言いました。
「ネズミですか?」(外山さん)
「子豚に近いと思います。」(太田さん)ここで半分に開かれたカピバラの写真が出てきて
「うわー!」と外山さんはびっくり。
「これをスープにします。味は豚に近いです。これも臭みはないです。水とカピバラとお塩だけで煮出しただけなんですけど、味がクリアで、脂もあまり浮いていないです。」(太田さん)
「どうやって捕まえるんですか?大きいですけど。」(外山さん)
「捕まえ方は色々あって、弓矢…私が原住民の中に入って狩りの仕方を教えてもらったときに、『命のやり取りを大切にしたい』と。『鉄砲を使うというのは力で押さえつけるという事だから、私たちは弓矢や吹き矢を使う』と。」(太田さん)
「へぇー。銃は使わないんですね。」(吾郎)
「銃を使わずに、環境を守る事をすごく大切にされる方が多いですね。」(太田さん)
「だって動物は人間と違って、食べる量しか狩りをしないって…。そういう考え方なんでしょうね。」(吾郎)
「そうですね。そういう食の大切な部分も気づかせてくれる場所ですね。」(太田さん)

そんな太田さんは30歳の頃スペインの一流レストラン「エル・ブジ」で修業をしていました。「世界のベストレストラン」に4年連続で選ばれ「世界一予約が取れないレストラン」と呼ばれたお店です。その調理方法は「分子ガストロノミー」という科学的な方法で、出来上がる料理は革新的でアーティスティック。しかし太田さんはそんな世界の最先端のレストランである違和感を覚えたそうです。
その部分を外山さんが朗読。

働き始めて一カ月もしない頃だろうか。オフィスに呼ばれ、シェフから、研修をさらに半年、延長しないかと提案された。
僕の契約は2010年の12月までだったが、「エル・ブジ」は、すでに2011年7月に閉店することが決定し、そのまま閉店まで研修生として仕事をしないか、ということだった。
だけど、僕の返事は、「No」。僕はこの料理には未来がないのではないか、と薄々感じていたのだ。最初に引っかかったのは、廃棄量の多さだ。
レストランでは、多かれ少なかれ食材を廃棄することがあるが、「エル・ブジ」のそれは尋常じゃない。
極端な例だが、サンマのある部位だけを使うために一匹仕入れて、残ったところは廃棄してしまうという具合。にんじんだって、キューブ形に切り揃えようとすると、当然いらない部分が出る。それらの一部を賄いに使うこともあったが、そんなものではとても追いつかない。
見た目のカッコよさをも追及したクリエイティブな料理の裏側には、こんな現実が横たわっていた。

「なるほどね…。廃棄量の多さにびっくりした、と。」(外山さん)
「ものすごい量の食材を破棄していたんです。賄いでも頑張って食べるんですけど、やっぱり限界が…。3センチ角ににんじんを切って3センチ角に切った後をどうするかというと、まあ、毎日にんじんばっかり食べるわけにもいかないからゴミ箱に捨てていて…。」(太田さん)
「そうなってくるんですね…。」(吾郎)
「ただ、クリエイティブな料理と伝統的な料理は共存しないといけないし、クリエイティブな料理が無いと料理の世界は発展していかないと思うんですよ。だからクリエイティブな料理は絶対必要なんですけど、そこばかりになってしまうとバランスが崩れてしまうなと思います。」(太田さん)
こうしてクリエイティブな料理から離れた太田さんは食材が豊富で廃棄量が少ないアマゾン料理に傾倒し、今ではその素晴らしさを伝えるべく活動しています。

そしてここからは太田さんにアマゾン料理を教えていただきます♪
「ゴロウ・外山のアマゾンBAN! BAN!」
という二人のタイトルコールで今までの真面目なトーンからスタジオは一気にバラエティの空気に。吾郎は太田さんの服に合わせてボーダーシャツに着替え「気づかないかも知れませんが眼鏡も変えました。」とアピールしました。そんな中太田さんに教えて頂く料理は、
セビーチェ(魚介類のマリネ)。ペルーの伝統料理だそうです。
オマール海老、ヒラメ、毛ガニ、カラスミ・・・と豪華な食材が並んでいます。勿論野菜類もたっぷりと。
まずオマールブルーを茹でます。煮立ったフライパンのお湯を見て外山さんが
「茹でると何色になるんだろう」とつぶやいたので吾郎がすかさず
「そりゃ赤くなるよ」とツッコミました。そして生きたオマールをお湯に入れるとき
「こういう時『ごめんね~』とか言うタレントいない?」とちょっとふざけて言いました。
「セビーチェを和えるジュースを作っていきたいと思います。」との太田さんの指示通りにセロリを切り生姜をスライスする吾郎。セロリと生姜はヒラメのだし汁と一緒にミキサーにかけ、更にヒラメをスライスし・・・ってここまで手伝っているのはもっぱら吾郎です。
茹でたオマールはハサミで切れ目を入れ、包丁で縦に真っ二つに割ります。一口大に切ったヒラメをボウルに入れて塩を振り、レモンを搾るのですが、ここでコツがあるそうで・・・。
「(二つに割ったレモンを)このまま絞るんじゃなくて、手を入れてしごきながら搾るとペルーのレモンっぽい味になるんですよ。」(太田さん)
「ほんとですか?」(吾郎)
太田さんは中指と薬指をレモンの中に入れ、皮を内側からしごくようにしてレモンを搾りました。
「外側はあまり擦っちゃダメ。苦くなっちゃう。」(太田さん)
ヒラメに和えたジュース、刻んだ赤唐辛子、タマネギ、蟹、レモンを混ぜ、それをオマール海老に豪快にかけ、カラスミとコリアンダーを散らしたらできあがり。カラスミの黄色がとてもきれいで見るだけでも元気になれそうです。
更に鶏と唐辛子のペルー風シチュー(色はカレーに似ています)の作り方も教えて頂き、いよいよ試食。
「おいしい!なんか不思議な感じ・・・。和食っぽさもある。」と吾郎が言うと
「日本人の口に合うと思います、ペルー料理は。」と太田さん。さっぱりしたお味のようです。

世界中を回ってアマゾン料理にたどり着いた太田さん。今後やっていきたいことは?と訊かれると
「ペルー料理ってまだまだ日本で知られていないので、きちんとペルー料理を伝えていきたい。後カカオ農園の方と縁があって知り合うことが出来たのでそのカカオ農園と料理の良い関係を作っていきたい。そのカカオを日本の多くの方たちに知ってもらいたい。」と答えました。
そのカカオもスタジオに登場。茶色い岩の様な大きな塊です。
「カカオの種を1週間くらい熱を加えてすりつぶしたものが固まったもの。チョコレートになる前のものです。チョコレート屋さんはこれを買って、これに果糖とか乳脂肪分とかを入れてチョコにしていくんです。その前のもの、カカオ100%です。」(太田さん)
「それを使ったポップコーンですか?これ」吾郎は眼の前のお皿から茶色いポップコーンを取り上げました。アマゾンのカカオを使ったキャラメルポップコーンです。
「そうですね。私はイタリアのビエモンテ州でポップコーンを売ってたんですけど、これはマフィアのボスが気に入ってくれて・・・(笑)一切合財やってくれた・・・」と太田さんはさりげなくすごい話をしましたが、吾郎は
「ん?!美味しい!!絶対映画館で売れる!」とその味に夢中になってしまったので、太田さんのお話はもしかしたら耳に入らなかったかも知れません。それ位美味しいポップコーンだということですね(笑)。


拍手ありがとうございます

梶芽衣子様が吾郎と語る俳優道と芸能界 (「ゴロウ・デラックス」 5/18)

今回のゴロデラは番組的にも私的にも神回だったと思います。
私は昔から梶芽衣子さんが大好きで心の中では「芽衣子様」と呼んでいます。その梶さんがゲストで、しかも映画やお芝居の話で吾郎とこれだけ盛り上がるとは・・・。生きててよかった!

オープニング。
「今日のゲストは芸歴54年の女優さんで、座右の銘は『媚びない、めげない、挫けない』」(外山さん)
「全く僕にはない・・・媚びるしめげるし挫けるし。でも立ち直るのは早いですけどね。」(吾郎)

そして淡いピンクのスーツに身を包んだ梶芽衣子さんがさっそうと登場しました!
梶さんは「クールビューティ」というジャンルのパイオニアです。1970年、「優等生的な女優はいくらもいる」と自ら非行少女のイメージを打ち立てた映画「野良猫ロック」シリーズでブレイク。1972年「女囚さそり」の大ヒットで「映画界で最も客を呼べる女優」の地位を確立しました。またクエンティン・タランティーノ監督が梶さんのファンで、「キル・ビル」は梶さん主演映画「修羅雪姫」へのオマージュだというのも有名な話です。

課題図書 : 「真実」 梶芽衣子 (文藝春秋)

今回は梶さんが歩んでいらした俳優の道、芸能界の全てを吾郎と語り尽くす、という贅沢な30分です。(そしてすみません、やっぱり以下「芽衣子様」と呼ばせて下さい。)

【俳優として生きていく覚悟】
10代で雑誌モデルを始めた芽衣子様。しかし
「自分でお芝居をしたいとか歌を歌いたいとかで入った芸能界じゃないんです。スカウトされて、やってみなさいと言われて放り込まれた。でいきなり放り込まれたのに『できない分からないは言うな』と言うんです。」(芽衣子様)
「きびしーい!」(吾郎)
「新人であってもギャラをもらってカメラの前に立ったらもうプロだ、と。」(芽衣子様)
「でも教えてくれないんだ。」(吾郎)
「教えてくれない、『見て学べ』だから。」(芽衣子様)
そしてデビューから7年目、23歳の時、婚約者との別れを決意。その時元婚約者から言われた言葉が俳優としての生き方を決めたのだそうです。それは

「誰とも結婚するな」
「死ぬまで仕事を辞めるな」

「凄くないですかこの言葉。だって・・・ちょっとムチャな約束でしょう。」(吾郎)
「結婚して家庭を作って子供を産んで育てるのが夢だったんです。それで勿論婚約して、親同士の同意もあって、一緒にもう住んでましたし、本当に主婦業をやってました。それで私の一番の不幸は『女囚さそり』がヒットしちゃったこと。その映画が当たったのが3月で、すぐに映画会社が『今年のお正月映画はさそりの2作目』と決めてしまった。自分の分からないところでどんどんスケジュールが決まっちゃったわけですよ。」(芽衣子様)「分かります。」(吾郎)
「ヒットしちゃうってこういうことなのか。つまりもう明日から変わるんですね、周りの人間も。何を言ってもOK。『これを言っても通らないだろうな』と思うことでも言うと通っちゃう。」(芽衣子様)
「そんな変わりましたか?」と吾郎は戸惑い気味。「今よりも極端な芸能界というか映画界というか・・・。やったぁ!とは思いますけど。」
「とにかく笑ってる方しか周りにいないし、私の周りにこんなに人がいたっけ?って。変わっちゃった。それで気が付いたら映画会社との2年の契約があって仕事を辞められないことが分かったわけですよ。・・・それで・・・『(結婚を)やめましょう』と・・・。」芽衣子様は最後の言葉をゆっくり噛みしめるように言いました。
「結婚も仕事もする、という選択肢はなかったんですか?」(外山さん)
「『結婚したら仕事を辞めてくれ』が条件だったんです。それで最後に『何かありますか?』と聞いたらこの2つを言われたんです。」(芽衣子様)
「仕事を辞めるな、というのは分かりますけど、誰とも結婚するな、ってどんな思いで・・・まあ怒りではないですよね。」(吾郎)
「なんとも言えないですけど・・・」と芽衣子様は考え込んで「まあ・・・怒りかもね。」としみじみと言いました。

【俳優人生最大の転機】
婚約者との別れの後、約束を違えることなく女優業に邁進。クールなヒロイン役を多く演じましたが、35歳の時3ヶ月間NYに留学。これが芽衣子様の俳優人生最大の転機となりました。ここで吾郎の朗読。

ニューヨークでやはりどうしても観ておきたいのはブロードウェイで上演されている作品の数々です。
そしてその刺激は劇場だけでなく街全体から受けました。
(中略)
昨日まである劇場で主役を演じていた女優さんが、きれいなお花が咲いている植木鉢を抱えて歩いている姿を見かけたこともありました。次のオーディションまでの間、彼女は花売りをしていたのですが、彼女を応援する人たちがこぞってその花を買っていくのです。そうやってステージに立つ俳優たちを支えていて、お互いにそれを誇りに思っている。芸術を愛する心で結びついた人々の姿はとても素敵でした。

芽衣子様は吾郎をじっと見つめながら朗読を聞いていました。
「こういう事もあるんですね。」吾郎は目を輝かせました。
「本当に世界中から凄いアーティストが集まって。レベルも高いし。でも結局オーディションがなければ何も出来ないわけですよ。で生活しなきゃいけないから、例えばブロードウェイの近くのレストランでウェイターをやっている人もいれば、タクシードライバーをやっている人もいるって感じなんです。お食事している時に(ウェイターが)あまりにも動きがスマートでお盆を持つ感じも素敵なわけ。この人絶対只者じゃないなと思って、言葉が分かる方に聞いて頂いたら「僕はブロードウェイの役者です」っておっしゃる。ブロードウェイではいくつも芝居をやっているけど、その人は新しい芝居がかかると自分が出来そうな役を観て勉強してるわけ。それをどうするの?と訊いたら『毎日劇場に電話を入れる』って。『今日どうしてる?○○の役』と電話して『風邪を引いてちょっと調子が・・・』と向こうが言えば『僕が行く、その役できるから。』と。」(芽衣子様)
「代役ってよく聞きますが・・・」(吾郎)
「代役なんて生っちょろいものじゃないの!そのお役が5役できるの。」(芽衣子様)(←役の奪い合いですね。)
「5役ですか?!同時に?」(吾郎)
「できるの。で彼は『僕は今ウェイターをやってる。タクシードライバーもやってる。どれをやっても一流。』って言う。誇り高くて素敵。吾郎ちゃんが今読んでくださったお花の方も、昨日までその劇場で主役をやってた女優さんなの。公演が終わったら次のオーディションまで仕事がないわけじゃない?そうすると自分で植木のお花を作ってその劇場の前で売ってる。そうするとお客様も『あなた昨日までやってたね。あなたの作るお花だからきっと長持ちして素敵だろうから買うわ』ってみんな買っていくわけ。」芽衣子様は夢中で語ります。
「へぇ・・・!」本場ブロードウェイのお話に吾郎は感嘆しています。
「3ヶ月間NYへ行かれる前と後とでは何が変わりましたか?」(外山さん)
「もう、人生観も俳優としての心構えも全て変わりました。」(芽衣子様)「すごい!」(吾郎)
「全て変わった。・・・というのは私たちは人気がずっと持続するなんてあり得ない。落ち込む時もある。」(芽衣子様)「はい」(吾郎)
「だけど、植木を売らなくてもウェイターをやらなくても演じる場所はあるじゃない?自分の心構えで。『どんな役でもやれ』ってもう一人の自分が背中を押してる感じがしまして。ですから日本に帰ってきてから本当に(役を)選ばない、何でもやるようになった。」(芽衣子様)
「じゃあ、行く前だったら断るだろうなという役でも帰ってから受けたんですか?」(外山さん)
「たまたまなんですけど、帰ってから今までやったことがないお役のお話が・・・。それは町のパン屋さんに住み込む子持ちのおばちゃんの役(1982年ドラマ「笑顔泣き顔ふくれ顔」)。言葉もね、台本には無かったんですけど自分なりの東北弁をやっちゃったり。」(芽衣子様)「すごい役作り。」(吾郎)
「それでその時のプロデューサーがおっしゃるには『やっぱり年齢は重ねていきますよね。こういうお役もこなしていかないといけないのでは?』と。そうやって頂いたお役なんです。結果的にそれをやってきたから今があるのかな、と思っているので、もの凄く感謝しています。」(芽衣子様)
「テレビって『この人がこんな事をやったら面白い』とか・・・」(吾郎)
「そう、冒険させるのが好き。」(芽衣子様)
「テレビ人ってそうですね。バラエティもそうですし。皆さんずっとそれを考えていらっしゃるので、僕もそこは断らずにやって。結果『あれやらなきゃよかった、あの役』って一度もないですし。」(吾郎)

すると芽衣子様が突然話題を変えました。
「『十三人の刺客』を拝見してびっくりしました。」(←芽衣子様が観て下さったのが嬉しい!!)
そして芽衣子様の怒濤の質問攻めが始まりました。しかも丁寧に「十三人の刺客」の映像まで。有難いことです。
「最後に斬られちゃうでしょ。あれショックじゃないですか。私たち古い映画人は、例えば日活が大事にしているスターさんの首を斬って殺しちゃうなんてもっての外だったの。」(芽衣子様)
「ああ、そういうもんなんですか。」(吾郎)
「そうなの。どうしてこのお役を受けたのか。」(芽衣子様)
「それ、よく言われます。」(吾郎)
「オファーがあったのか、ご自分で出たかったのか。」(芽衣子様)
「凄い役でしたもんね。」(外山さん)
「そうですね、未だにそう言って頂ける事が多くて、やっぱり自分の役者人生の中でも大きな転機というか、そこから拡がったことも多いので・・・」(吾郎)
「あ、やはりね。」(芽衣子様)
「だから、未だにそう言って頂けることが凄く嬉しいです。」吾郎は思い出すように「・・・当時は三池監督からオファーを頂きまして・・・。」
「あのお役で、って?」(芽衣子様)「そうですね・・・」(吾郎)「へぇーーー!」(芽衣子様)
「というか、最初はそれを聞いていなくて“十三人”の方だと思ってて・・・。」(吾郎)
「あ、なるほど。」(芽衣子様)
「こういうお話だって言われて。まさかそのねぇ、十三人じゃ無くて・・・」(吾郎)
「“十三人”がすっとんでましたね。あなた一人が光ってましたよ。」(芽衣子様)
「あ、いえいえいえ」吾郎は慌てて謙遜しましたが、
「いえいえ、私、お世辞とか媚びるのダメなんで」と芽衣子様に言われ
「こちらに書いてありますね。」と本をカメラの方に向けました。
「本当に感動しましたね。だって難しいじゃないの、あのお役は。」(芽衣子様)
「いやあ、それが申し訳ないくらいに意外とさらっとやらせて頂いたんです。」(吾郎)
「あ、そう!それがスッと入っていけたというのはすごいね。」(芽衣子様)
「そうですね・・・三池監督の存在も凄く大きくて。」(吾郎)
「演技指導とかは?細かい指導とか?」芽衣子様は身を乗り出しています。
「全くしないです。」(吾郎)「ああ、そうなんですか!」(芽衣子様)
「イメージとか抽象的なヒントを与えてくれるんですよ。」(吾郎)
具体的に「こうやってください」とは全く言われなかった、と吾郎。
「だからすごくやりやすくて。そのままが面白いと思って下さったらしくて。」
「じゃあやっぱり、三池さんという監督が普段の吾郎さんを見てて、こういうものを演らせたいああいうものを演らせたいってあったのかな。」(芽衣子様)
「そう、それが凄く大きかったみたいで。僕が時代劇の衣装合わせの時に・・・当たり前なんですけど・・・カツラを合わせて衣装を着た時に『ああ、やっぱりちょんまげなんだな』って言ったんですって。(←ということは、言った本人は覚えてない。)その飄々とした僕の言葉が監督の中で印象的だったらしくて。ちょんまげに決まってるだろう、と思ったらしくて、それが不気味なお殿様に合ってると。浮世離れした感じがアイドルみたいな僕の立場とリンクして見えたのかも知れないですね。」(吾郎)
「だけどイメージ的にちょっとこれマズイんじゃないかとか、どちらかというと敬遠するようなお役じゃないですか。」芽衣子様の質問攻めに吾郎はとうとう笑い出して
「いやでも・・・僕全然考えてなくて、そこまで後になって言われると思ってなかったので・・・。勿論一所懸命やったんですけど、本当にまっさらな状態で現場に・・・」(吾郎)
「すっごく怖かったですよ。」(芽衣子様)
「あと主人公が役所広司さんだったんですけど、凄くリラックスして臨むことが出来たんです。それと市村正親さんの存在が凄く大きくて・・・。包み込んでくれる包容力のある優しいお方じゃないですか。ほんと殿様気分で人を殺めて楽しくやらせてもらった結果、ああなっちゃった(笑)。だから監督ですよね、やっぱりすごいのは。」
自分が良い演技が出来たのは監督や共演者の方々のお陰、と吾郎は謙虚です。でも“楽しく人を殺める”のがあの殿様の本質なので、やっぱり吾郎はきちんと役を掴んで演じていたわけですね。こういう裏話を吾郎から引き出して下さった芽衣子様に感謝です。

【運命の役との出会い】
それは28年間演じたドラマ「鬼平犯科帳」の「おまさ」役でした。
「『鬼平』が始まってオリンピック7回だから。」(芽衣子様)
「まさかオリンピックの単位で・・・」と吾郎は戸惑いましたが、あなたもレギュラー番組をオリンピック5回分やったんですから!
「ある朝新聞を広げたら『中村吉右衛門“鬼平犯科帳”連続ドラマ撮影入る』って出ていたんですよ。『えっ?!』と思って。だってこういう事でもなければ私、あの方と共演できないじゃないですか。歌舞伎の方だから。『それいけ!』と思って『何の役でも良いからやらせて下さい!』ってお願いしたわけ。私、新聞を見たときに『撮影に入る』ってことはもう何話か撮ってるなと思った、そうでしょう?だからレギュラーの役は絶対無理だろうと思ってた。ね?そしたらこの「おまさ」の役は5話目からなのでまだ役者が決まってなかったの。それで頂けたのよ。運命なのよ!」自分の道を自分で切り拓く芽衣子様素敵です。
28年続いた「鬼平犯科帳」は一昨年幕を下ろしました(偶然ですがSMAPの活動期間とほぼ同じですね。)その時の心境を綴った部分を外山さんが朗読。

「鬼平」が終わった時は、自分なりに精一杯やり尽くしたつもりでしたから悔いはなかったものの、「何もなくなっちゃったな」というのが正直な思いでした。どうしても出演したいと自分から懇願し、本当に幸せなことにおまさという素敵な役をいただき、「鬼平」は私にとってすべての中心となっていました。そのおまさになることはもうありません。けれど、私の人生はこれからも続いていくのです。

「・・・ですね」芽衣子様は少し目を潤ませていました。
「ドラマって色々打ち上げとかあって必ず終わりが来るわけだけど、あんなに皆で泣いたドラマも珍しいと思う。」(芽衣子様)
「泣いたんですか。」(吾郎)
「泣きましたね。寂しい、っていうのはありましたね。だから終わってホテルへ帰って(明日から撮影所に行かなくていいんだ)(このホテルの部屋も今日でお別れなんだ)と思うとまた泣けてきちゃったり。で、終わってすぐにある青年が来たんですね。『芽衣子さんにどうしても歌ってもらいたい』って。ロック、って言った時この子気が触れてるんじゃないかと思ったんですね。『あたしにロックって何よ!』って。でもいいんですよ曲が。」
話を持ってきたのは音楽プロデューサーの鈴木慎一郎さんでした。そして
「歌ってて楽しくなっちゃって。今歌が一番楽しい。」と芽衣子様。そして
「吾郎さん、お歌はやめてないんでしょ?」とズバリと切り込みました。
「もちろんもちろん」と吾郎が即答すると(←ここ大事ですね!)
「絶対続けてね!」と芽衣子様。その迫力に吾郎は一瞬圧倒されたように見えました。
「私ね、この間ライブをやって、これ以上元気をもらえるものはないと思った。」と芽衣子様のテンションは更に上がります。
「そうですね、ライブって僕らが元気を与えてるつもりでもらってますもん。」と吾郎も同意しました。「そう思った?」「いつも思ってますよ。」
「私もそう思ったの。」(芽衣子様)
「あんなに疲れることをやってるのに全然疲れない。」(吾郎)「ね!」(芽衣子様)
「続けて下さいよ。」(吾郎)「頑張りたいと思います。」(芽衣子様)
「あと、ライブでトークコーナーを設けて下さい。こうやってお話しするコーナーを、MCを一時間くらい。」(吾郎)
「それじゃさだまさしさんになっちゃうじゃない。」(芽衣子様)
「ロックに合ってます、お話が。」(吾郎)
「ほんと?それ嬉しい。」(芽衣子様)
ライブの楽しさを語り合う芽衣子様と吾郎。吾郎もまたライブをやって欲しいなあ・・・5人で。

エンディング。AD山田くんの消しゴムハンコは「歌う梶芽衣子さん」。芽衣子様は「素敵素敵」と喜んで「それが職業ですか?」と訊きました。「はい」と答えてしまった山田くんですがそれでいいの?山田くんも歌ってるでしょ?(笑)

「十三人の刺客」を褒めて下さったこと、「歌を絶対続けてね!」とおっしゃって下さったこと、本当に嬉しかったです。芽衣子様ありがとうございます。今回芽衣子様の力強い声と話し方に改めて惚れました。「お役」「お歌」という言葉遣いも上品で素敵です。
媚びない めげない 挫けない・・・心に刻みます。


拍手ありがとうございます

文壇の名伯楽 (「ゴロウ・デラックス」 5/11)

オープニング。
「吾郎さん、最近ブログやツイッターをされてますよね。文章書くの楽しいですか?」(外山さん)
「楽しいですよ。」(吾郎)
「読んでで思う事があるんですけど、言って良いですか?・・・小説家デビューを狙ってません?」(外山さん)
吾郎は固まりましたがその真意は・・・?!

「芥川賞を受賞された石井遊佳さんと若竹千佐子さんが先日いらっしゃった時、同じ先生に小説を習っていたというお話がありましたよね。今日はなんとそのすごい先生が来て下さいました。」(外山さん)
その時VTRでコメントをくださった根元昌夫さんが今回ゲストとしてスタジオに登場です。
「穏やかな感じの方ですね。」吾郎はちょっとホッとしたようです。
根本さんは文芸誌の編集長として吉本ばななさん、島田雅彦さん、小川洋子さん、角田光代さん、瀬名秀明さんなど錚々たる作家のデビューを指南。現在は小説講座の講師を務め、教え子である石井さんと若竹さんが芥川賞をダブル受賞したこともあって講座には受講希望者が殺到しているそうです。

課題図書 : 「実践 小説教室」 根元昌夫

「先生、なんと言っても若竹さんと石井さんが芥川賞同時受賞・・・正直受賞するって思ってたんですか?」と外山さんが訊くと
「思ってました」と根本さんは笑顔で即答。「僕はね、若竹さんは100%獲れると思ってたんですよね。」
「ほー!面白い!」(吾郎)
「石井さんも。ダブル受賞も20~30%位あるなと思ってたんです。教室で若竹さんは必ず獲るって言ってたので・・・」(根本さん)
「言ってたんだ、生徒の前で。」(吾郎)
「ええ。だから獲って本当にホッとしたという感じです。」根本さんは本当に嬉しそうです。
「先生は編集者だったわけですが、その時に芥川賞受賞作品を担当されたことはあるんですか?」(外山さん)
「担当者としては10連敗。(ノミネートはされたけれど)それ位落ちてきたわけです。」(根本さん)
「そんな簡単に獲れるものじゃ無いですよね。でも今回ダブル受賞ですものね。」(外山さん)「すごいですね。」(吾郎)
「僕が獲ったわけじゃ無いですけどね。」と言いながらも根本さんは終始笑顔です。
「どんな指導をされてきたんですか?」と吾郎に訊かれ、根本さんは若竹さんの「おらおらでひとりいぐも」に与えたアドヴァイスについて話して下さいました。
「最後にお孫さんが訪ねてくる話、あれは元々は無かったんです。でも最初桃子さんとお孫さんの話で始まるので、最後も繋がる形で娘さんかお孫さんを出した方が良い、と言ったんです。」

現在カルチャーセンターや大学で12の小説講座を持っている根本さん。その中でも作家デビューを目指す人達が集まる、最もハイレベルな講座を番組は取材しました。11名の生徒さんの中には15年通っている人や既に作家デビューしている人もいます。一体どんな指導がされているのでしょうか。
根元流小説講座は、生徒が自由に小説を書きそれを事前にお互いが読んできて批評しあう「合評会」スタイルです。根本先生は次々生徒さんを指名し、生徒さんは自分の感想を遠慮無く言います。厳しい批評が飛び交い、時に正反対の意見が出ることも。でもこれが根元流小説講座最大のポイントなのです。根本さんによれば
小説とは読者の数だけ読み方が異なり、様々な読み方に幅広く耐えられるものが良い小説
だからです。その為生徒は自由に批評をぶつけ合い、作者はその中から問題点を見つけ出して修正していきます。このような合評を数回から数十回繰り返し、生徒達は小説を完成させて文学賞に応募するのです。因みに2時間で生徒全員の合評をして授業料は4000円だそうです(安い!)。

ここからは優れた小説を書くためのテクニックを学びます。まず課題図書から小説を書く上で一番大切なことについて書かれた部分を吾郎が朗読。

私が多くの小説を読んできて実感しているのは、「いい作品の書き出しはいい」ということです。
それだけに作家たちは、おそらく相当考えて書き出しの一文を書いていると思います。ぱっと思いつくこともあるかもしれませんが、多くの場合、最初の一文が決まるまで何度も何度も書き直しているのではないでしょうか。
「初めの一文が出てこないと続きが書けない」とは、多くの作家が語っていることです。


「『メロスは激怒した』とか『吾輩は猫である』とか有名な書き出しがありますが・・・」(吾郎)
「最初の一行がないと二行目が来ないんだけど、全部完成した後でもう一回最初の一行を直すっていう。だから最初の一行は大切だし良いんですよね、良い作品の一行は。」(根本さん)
小説で一番大切なのは“書き出し”。「書き出し名文」とはどんなものなのでしょう。
根本さんが担当していた島田雅彦さんのデビュー作「優しいサヨクのための嬉遊曲」。恋愛もサークルもうまくいかない男子大学生の混沌とした日々を描いた青春小説の書き出しはこうです。

待ち伏せは四日目に入った。


「いいですねぇ!」吾郎は唸りました。「これ好きですよ。作品も好きだし書き出しも好きですよ。」(吾郎は島田雅彦さんの小説が好きと公言していて、昔雑誌で島田さんと対談したこともありました。)
「なんかミステリーっぽいですよね。」と外山さんが言いましたが、決してミステリー小説ではありません。
「何を待ってるんだろう?これから何が始まるんだろう?という書き出しですよね。じゃあ3日間何してたんだろう?って気になりますよね。でそれに続くのが、『オーケストラ団員である彼女はもうすぐ、この場所に現れるはずだった。練習を終えた彼女はまっすぐ家に帰るため五時にここを通る計算になる。』となって、あれ?と・・・」(根本さん)
「あれ?ミステリーじゃないぞ、と。」(吾郎)
「みどりさんを待ち伏せしている、というとても良い書き出しですよね。」(根本さん)
次の「書き出し名文」は荻野アンナさんの芥川賞受賞作「背負い水」。30代の女主人公と3人の男の恋愛小説ですが、その書き出しは、

真っ赤な嘘というけれど。嘘に色があるならば、薔薇色の嘘をつきたいと思う。


「これだ!と思っただろうね。絶対思ったはずだよ。引き込まれますよね。」(吾郎)
「3人の男と付き合ってる女の人がいろんな嘘をつく訳なんですね。で男の人も嘘をつく。これこそがテーマであり中身ですよね。」(根本さん)
「テーマが全部この書き出しに表われている。秀逸な。」(吾郎)
「ちょっと圧倒されちゃいますよね。」(外山さん)

「それで、今回は事前に先生から私たちに、小説のプロットを考えてくるように、という宿題が出ていたんです。」(外山さん)
「ちょっと自信はないけれども、考えてきて。何となく構想は。」(吾郎)
収録の1週間前、二人は根本先生からオリジナル小説のあらすじを考えてくるようにとの宿題を出されました。そして根本先生のお話を踏まえて、そのオリジナル小説の書き出しの文章に挑戦します。
「それを今回は講評して頂けるということなので。そんな機会ないですよ。」(吾郎)
「そうですね。本当はこっそり講評して欲しいですけど。」(外山さん)
根本先生の前で原稿用紙に向かう吾郎と外山さん。テーマはラブストーリーとミステリー。2本の小説のプロットを考えたわけです。
外山さんのラブストーリーは

《「肉じゃがのじゃがいもは、固い方が好き?それとも崩れてるくらいドロドロに煮込んだ方が好き?」
と彼女が聞いた。》

「かわいい」(吾郎)
「多分男性の胃袋を掴む事で恋愛して、そして失敗してきた女の人の話ですよね?一行目としてはすごく良い書き出しだと思いますよ。・・・ここに続けるとすると、また聞くのね、『目玉焼きは塩?醤油?ソース?ケチャップ?』。そうすると気を遣いすぎてうざい女性の感じが出て、やっぱりこれで失敗してきたんだな、と分かる。」(根本先生)
というわけで、この文章は「センスあり直しなし」との高評価。
一方吾郎は外山さんが書き終わっても黙々と鉛筆を動かしていました。真剣に原稿用紙を見つめる横顔のかっこいいこと!(←今はそこじゃない) そして出来上がったラブストーリーの書き出しは

《「美しいダイヤモンドだって気づかぬうちに汚れてしまってるものなんだよ」
私の体温によって微かな熱を帯び、日々の生活のなかで少しずつ油膜が付着してしまったネックレスを、彼はそっと私の首に手を回し後髪に隠れたその留め具を探りあて、自分のものと一緒に洗剤を入れたコップへ一気に沈めて見せた。二つの輪っかがガラスの底に到着したことを知らせる小さな振動を確認すると、私は呟いた。
「それってなんだか恥ずかしいよ・・・」
ガラスの向こう、青く滲む水の中で漂う二人のネックレス。》

「小説家みたい・・・。」(外山さん)
「これ、書き出しを超えちゃってるんですけど(字数は300字近い)、多分長く先まで書いた方が先生も講評しやすいのかな、と。どういう事かというと、少し生々しさ・・・人の脂とか細胞とかが好きな人のと一緒に交わっていく感じ・・・が恥ずかしくも喜びを感じたりもする。多分女性が一番やられたくないことだと思うんですね、一緒に洗浄するって。」(吾郎)
「いや、すごく良い書き出しだと思いますよ。それでね、『油膜が付着してしまったネックレスを』の所が長過ぎるから『ネックレス。』でいい。」(根本先生)
「ああ、なるほど。僕今思ったんですよ、読んでで読みづらかったんです。」(吾郎)
長すぎる文章は途中で切ると良いんですね。
更に根本先生は細かな言葉遣いを変えるようアドヴァイス。そうすれば
「男性と女性の間にはちょっと齟齬があって、これからそういう物語が展開するんじゃないかという、とても良い書き出しです。」と褒めて下さいました。
「先生すごい。」(外山さん)
「こんなにダメ出しがあるって、恥ずかしいけど嬉しいよね。」(吾郎)
吾郎の書き出しは大筋では好評でしたが細かい赤が入りました。
続いて外山さんのミステリー。

《冬に露天風呂に入ると家に帰りたくなる。だから来たくなかった。》

「ああ!いいですねえ。いい!いい!」吾郎は目を輝かせました。
「これは友達と・・・多分5人くらいかな?温泉旅行に行ったらそのうちの一人が殺されるという・・・」(根本先生)「はい、仲間の一人が殺されちゃう・・・」(外山さん)
「これはタイトルも決まっちゃうよね、『女子アナ温泉殺人事件』とかね(笑)。ベストセラーになるかも知れない。」(根本先生)
「何が始まるか想像が付くよね。」(吾郎)
「上手ですよ。いろんな可能性が広がる良い感じの書き出しだと思います。」と根本先生は絶賛。
そして注目の吾郎のミステリー書き出しは

《「なだらかな曲線を描く額の麓にある漆黒の瞳は、先端までメリハリのある横顔の印象の中に静かに存在している。
彼女の美しい横顔に見惚れている時間が僕は好きだ。
しかし、そんな物静かな彼女からは想像も付かぬ過激な一言に僕は、一瞬で凍り付いた。
「あなたは美しき世界からやってきたクソ野郎ね。」》

「すみません、最後映画の宣伝で。」吾郎はちょっと恥ずかしそうに笑って、
「これがすごく良いタイトルなんですよね。だから引用してしまいました。自分の映画だから良いかな、って。」と弁明(?)しました。
「自分のすごく好きな女性が横にいる、ってイメージで書き出したんですけど・・・。」という吾郎の説明に根本先生は頷いてから
「細かいことから言うと『メリハリ』って俗っぽい言葉じゃないですか」とまず指摘。
「そうですね。ホントは『麓』って山に引っかけた言葉なので、顎の先まで『起伏のある』って考えたんですよ。でも『起伏』と『麓』ってそれもいやらしいかなって・・・」(吾郎)
「逆にこのトーンだと『起伏』の方が良いかもしれない。」(根本先生)
「へえ、面白い。」(吾郎)
更に根本先生は細かな言葉の選び方を直しました。それを聞いて吾郎は
「なんか(言葉が)過多になっちゃうね、素人が書くとね。」と言いました。
余計な接続詞や形容詞を削って文章をスッキリさせると最後の「クソ野郎」が生きてくるのだそうです。
「そうか、前置きが多すぎるから最後のオチが効かない、と。やり過ぎちゃうんですね。説明しすぎることはないんですね。十分伝わるから。」と吾郎は気が付きました。
「でも、書き手って不安なんだよね。伝わらないかと思って言葉を重ねちゃうんだけどかえってそれで伝わらなくなる。拡散しちゃう。」(根本先生)
吾郎の中にはとても豊かなイメージがあってそれが次々と言葉になるのでしょうが、盛り込みすぎる傾向があるのですね。根本先生はそれを指摘したのでした。

そして番組はエンディングへ。「山田と申します」とAD山田くんが緊張の面持ちで入ってきました。
披露したハンコは根本先生の顔に「女子アナ殺人事件」の吹き出し。山田くんにはこれのインパクトが強かったのでしょう。
最後に根本先生はにっこりと笑って
「お二人とも小説が書き上がったら是非読ませて下さい。」とおっしゃいました。
「赤だらけになるでしょうね。」と吾郎は言いましたが・・・そんなこと言わずに是非小説にチャレンジして欲しいです!


さて、私は次回を本当に楽しみにしています。次回のゲスト、梶芽衣子さんは昔から私の憧れの女優さんなのです。憧れの芽衣子様が大好きな吾郎と語り合うなんて夢のようです。今からワクワクしています。


拍手ありがとうございます

ゴロウ・デラックス殺人事件 in 屍人荘 (「ゴロウ・デラックス」 5/4)

オープニング。
「吾郎さん、ミステリはお好きですか?」(外山さん)
「そうですね。僕は金田一耕助を演じていたので。」(吾郎)
「今夜は、デビュー作が大御所のミステリ作家も大絶賛、今もっとも注目されているミステリ作家の方が登場します。」(外山さん)
「それは金田一的にもゲストの魅力を解かないとね。」(吾郎)

ミステリ(mystery)とは犯罪をテーマとして扱う推理小説のことで、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人事件」(1841年)が始まりだと言われています。
今夜のゲスト、今村昌弘さんは今日本ミステリ界で最も注目されている作家で、昨年「屍人荘の殺人」でデビューすると、「このミステリーがすごい!2018年度版」をはじめ、20年以上続くミステリ小説ランキングで3冠を達成。デビュー作での3冠は史上初の快挙で、「本格的でありながら新しい」と大御所のミステリ作家達から大絶賛を受けました。

「デビュー作で3冠を取るって初めてですよ。スゴイですね!」(外山さん)
「いやスゴイです。おめでとうございます。」(吾郎)
それを聞いたときは
「さすがに信じられなくてですね、ここまで評価を頂けるとは考えていませんでした。」と今村さんは謙虚。口角が上がったお顔なので、普通に話していても自然に笑顔になる魅力的な方です。でも書く小説はミステリ。
「部屋で一人で読んでてほんとに怖くなった。」と吾郎。

課題図書 : 「屍人荘の殺人」 今村昌弘 (東京創元社刊)

ある映画研究部の合宿で別荘に男女14人が集まる。すると近くで行われていたフェスでテロが発生、混乱の中別荘内では不可解な殺人が起こる。2つの事件が重なるとき想像し得ない事態へと発展する・・・。
この新感覚ミステリが何故ここまで評価されているのか、ネタバレギリギリまで迫ります。

【評価ポイント①:これまでミステリ界に存在しなかった超斬新なシチュエーション】
「新しいクローズド・サークル」
「クローズド・サークル!新しい言葉が出てきましたよ」(吾郎)
「これはですね、何らかの事情によって登場人物達が一つの場所から外に出られなくなったり、逆に外から誰も中に入れなくなったり、という状況のことです。」(今村さん)
つまり簡単に言えば「密室となる状況」。迎えが数日後でないと来ない孤島や、猛吹雪の中の雪山の山荘、豪華客船や電車などがこれに当たり、ミステリでは人気のある設定の一つです。謎の主から招待状をもらい孤島に集まった10人が1人ずつ殺されていく「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティ、1939年)が世界的に大ヒット、その後様々な小説でクローズド・サークルが描かれて、ネタは出尽くしたとも言われていました。そんな中今村さんが作り出した新しい状況とは?
とここで・・・
「あ、吾郎さん、あれは何ですか?」と外山さんが指さす方を見ると、金ダルマの前に
「屍人荘」
と書かれた古びた看板が立っています。いかにも怪しい・・・。
「これはね外山さん、行けって事だよ。今村さんも行きましょうよ。」と吾郎が言い3人はセットを出ていきました(←なんだこの小芝居は)。

今回はネタバレギリギリまで屍人荘を再現し、新しいクローズド・サークルを実際に体験します。
3人は「屍人荘」の看板のあるドアの前にやって来ました。
「私が開けるんですか?」と言いながら外山さんがドアを開けると・・・、
「きゃあ!」(外山さん)「きゃあ!」(吾郎、女の子のように口に手を当てる)
「ゴロウ・デラックスのADさんが死んでます!」(外山さん)(死体役はゴロデラADの今野くん。お疲れ様です。)
「どういうことだ!」(吾郎)
とその時窓を叩く音が。「誰だあれは!?」(吾郎)
黒い服を着て白い仮面をかぶり窓を叩いている人達の胸には
「恐ろしい何か」
と書かれています。(不気味ですがちょっと笑っちゃいます)
「この状況が先程お話ししたクローズド・サークルなんです。」とここで初めて今村さんが口を開きました。
「ああ、この部屋が密室って事ですね。・・・でも鍵かかってないじゃないですか!」と吾郎はドアを指さしました。
「鍵はかかってないですけど・・・」(今村さん)「じゃクローズドじゃないと・・・」(吾郎)
「いえ、外にああいう『恐ろしい何か』がいたら、我々は外に逃げられませんよね。同時に外から助けにも来られないですよね。そしてまた、何かの原因で携帯が使えなかったりしてここに我々しかいないとなれば、それがクローズド・サークルなんです。」(今村さん)
「確かに外と連絡も取れないし。だから『屍人荘の殺人』ではこのような状況でクローズド・サークルを作ったところが新しいと。外に何かがいる、ということで。」(外山さん)
「恐ろしい何か」に囲まれて脱出出来ない状況の中、追い打ちをかけるように室内で最初に起こる殺人事件の場面を外山さんが朗読。

進藤の部屋をノックしてみたがやはり返事がない。菅野はマスターキーをスロットに挿し込んだ。ピッという音がして鍵が開く。ゆっくりとドアを開けた。
その瞬間、嫌な臭気が鼻をついた。
「ううっ・・・」
中を覗き込んだ菅野が呻く。
彼の背中越しに、誰も想像しなかった光景が広がっていた。
床に撒き散らされ、天井にまで飛び散った血。散乱した肉片。
開け放たれた窓からベランダに乗り出すようにして、ボロ雑巾の様に食い荒らされて見る影もなくなった進藤の死体が倒れていた。

(後略:この後現場の細かい描写が続くのですが、興味を持った方は是非本を読んで下さい。)

吾郎はじっと眼を閉じて外山さんの朗読を聞いていましたが、終わると「これが第一の殺人ですね。」と静かに言いました。
“「恐ろしい何か」に囲まれた建物”という密室状況の中で更に密室殺人が起こる、いわば二重の密室構造が高く評価されているのです。

【評価ポイント②:誰にでも分かるミステリ】
「僕自身があまりミステリにどっぷり漬かってきた人間ではなかった。」と今村さん。「で、物を書くようになってミステリを勉強したら、本格ミステリというジャンルが面白く感じたんですが、いざ周りを見渡してみるとどうも本格ミステリというものに皆さんがあまり興味を持ってない様に見えて。こんなに面白いのになんでそれが伝わってないのか、というのが自分が書いている時のポイントでもありました。初めて本格ミステリを読む人、また読書の趣味の無かった方にも読みやすくなるような作品にしようとすごく心がけて書きました。」
「優しい・・・・」吾郎は感心した様子です。
この小説には登場人物を覚えられるようにおさらいする場面やミステリの専門用語を丁寧に説明するブロックなどがあり、「誰にでも分かるミステリ」を目指したところも評価されているポイントです。
今村さんが「読みやすさ」「分かりやすさ」を重視するのには、今村さんの意外な前職が関係していました。それは
「医療系の仕事でして、診療放射線技師、レントゲンなどの仕事です。」
「なんかいそう・・・『ここに顎乗っけて』って言って優しくしてくれそう・・・」(吾郎)
岡山大学医学部を卒業後29歳まで放射線技師をしていた今村さんは完全な理系で、文学とはかけ離れた生活をしていたそうです。
「読書は好きだったんですけど昔から雑多なジャンルに手を出す子供で、ミステリ1つに傾倒して読んでいくわけではなかったんです。なので自分がミステリを書こうとなった後に一生懸命勉強してどうすればいいのか分析して、「屍人荘の殺人」という作品を書き上げました。」(今村さん)
今村さんはミステリの書き方も「理系」なのだとか。というわけで番組スタッフは神戸市にある今村さんのご自宅にお邪魔して推理小説の書き方を徹底解説して頂きました。

机や洋服掛けなどが並んだ部屋の床には大量のミステリ本が入った段ボール箱。本棚にも同じように沢山のミステリ本が並んでいます。これらは読み終わった本だそうです。更に机の隣にはミステリの書き方や本を書くためのハウツー本が。
ミステリ素人だった今村さんは、
「仕事を辞めて本格的に執筆に入ろうと思った時、“ミステリの作り”というものを知らないとダメだろうなと。それでまずは1ヶ月に100冊読むことを目標に始めたんです。実際には1ヶ月で100冊には達してないだろうと思うんですが。」
「えー!」スタジオでVTRを見ていた吾郎と外山さんは驚きました。
特に影響を受けた作品は、
「有栖川有栖先生の『孤島パズル』。殺人事件とは別に宝探しの要素がストーリーとして一つ通ってるというところが、『屍人荘』にも影響してるというか、参考にさせて頂きました。」更に
「綾辻行人先生の『水車館の殺人』や『時計館の殺人』が僕はとても好きなんです。」
今村さんはミステリ界の大御所綾辻行人さんの作品を教材に、ある事をして徹底的に研究しました。
今村さんは机の上の黒いノートを手に取りました。
「『屍人荘の殺人』は僕が初めて書いた長編ミステリでしたので、書き始める前にどうしなきゃいけないのかなという事を・・・、他の作家の先生の作品を参考にさせて頂きました。まずは物語構成を分解して分析してみたんです。これは綾辻行人先生の『時計館の殺人』を読みながら何が起きてるのかを書き出していったんですけど、読み終わった後で書くんじゃ無くて読みながら書いていったのがポイントで。もしかしたら自分が気づいてない手掛かりが隠されているかも知れない、それを確認したくて、読みながら何章に何が起きてるかを書き出して手掛かりの隠し方などを分析させて頂きました。」

「屍人荘」を書くときに構成を重要視していたという今村さんはミステリの名作の構成を分析し自身の作品にも活かしました。
ノートに第一章第二章・・・と書きだし、各章でどんな事を起こすかを書き込む。更に構想が出来た後で何ページの所で何が起きているかをチェックし、ある部分は増やしたり別の部分は減らしたりして全体のバランスを整える。・・・と構成を徹底的に分析したのだそうです。そうはいってもなかなかノート通りには書けず、
「最初の事件が起きるまでにページを費やしてしまって、あとで慌ててエピソードを一つ削りました。」という苦労も。
作品を書き終えた後も今村さんの分析は止まりません。
「応募までの期限が短かったんですけど、一遍書き上げた作品を見直して修正しなきゃダメだと思った点を(ノートに)書き出して修正できたら消していく、という作業をしました。」その「自分へのダメ出し」は30カ所にも及び、女性の服装、ペンションの内装、喫茶店のBGMなどありとあらゆるものが書き出されていました。
「書き上げた後は興奮して良いものが出来たと思っているので、時間を置いてから冷静な目で作品を見返す」という今村さんは
「自分は理系でしたし、文芸というものにあまり触れる機会が多くなかったんですけど、自分の求めるものがどう構成されているのか、どうすれば効率よくそこにたどり着けるのかを自然に考えるようになっていたんだと思います。」と自己分析しました。

VTRが明けると吾郎は
「患者さんを診察するような形で物語を・・・」と言いました。
「はい。仕事が役に立っているのは、ああいう撮影の仕事は患者さんに分かりやすいように誘導しなきゃダメなんです。そこが文章を分かりやすく書くということに通じるところがあって。ただ『こちらに来て下さい、立ってください』だけでは上手く患者さんを誘導できない。その方々の特徴、リアクションに合わせてこちらが上手く説明をアレンジしないと通じないこともありますので。」(今村さん)
吾郎は身を乗り出して聞き「なるほどね」と目を輝かせました。

最後に今村さんに質問。「稲垣吾郎でミステリを書くならどんな配役がいいか?」
「稲垣さんは今まで探偵の役をたくさんされてますね。」(今村さん)
「そうですね。探偵とか刑事とかが多いですね。」(吾郎)
「逆に被害者や犯人の役をやったらスゴく面白いじゃないかと思いますし、キャラクターとしてすごく良いお兄さんの雰囲気があるので、主人公達の周りに居ていつも優しくサポートしてくれる優しい先輩格の人物としてずっと行ってて、なのに最後に犯人だと判明するというような。」(今村さん)
「おー、なるほど」(吾郎)
「で、動機も誰かへの激しい憎しみや金銭目的では無くて、凄くまともに見える人がちょっと普通の人とはボタンをかけ違ったサイコパスで、『ああそういう事か!』という動機で犯罪を犯して、さらに自白のシーンではそれを淡々と語る。」(今村さん)
「ああ、イメージ湧きますね。自分で言うのもアレだけど。」(吾郎)
「そうなんです。・・・ってしたらすごく怖いし。」(今村さん)
「面白いな・・・。嬉しいです。じゃちょっと書いて下さい!僕のイメージで書いて下さい!」吾郎がそうお願いすると
「映像化して稲垣さんが出てきたら『コイツ犯人や!』って(笑)」と今村さん。(こんな鋭い指摘をした作家さんは初めてかも知れません・笑)
「ばれちゃう!もう無理だね。」(吾郎)。
外山さんは大笑いしていました。

「あれ?そろそろ山田くんの時間だよね?」と吾郎がスタジオを見回すと
『山田くんが行方不明になっています』と女性スタッフさんがカンペを出しています。
そこで吾郎、外山さん、今村さんの3人が楽屋へ行ってみると・・・
「鍵が閉まってる」と外山さん。スタッフから鍵をもらい開けるとそこには、
椅子にぐったりと倒れ込んだ血まみれの山田くんが!
「死んでる?・・・このハンコに何か秘密が隠されているのではないか?!」
と吾郎は叫んで山田くんの手の中の消しゴムハンコをスケッチブックに押しましたが、
「モザイク掛けてこれは。この恐ろしい何かは言っちゃいけないんだ。」とフォローしました。そしてスタッフから渡されたカンペをカメラに見せ
「ということで、ゴロウ・デラックスまた来週。」と締めました。
番組初、楽屋で終わるパターンでした。今村さんありがとうございました。


拍手ありがとうございます

ゴローの日のプレゼント!

おはようございます。

昨夜のななにーは楽しかったです。最後の人狼ゲームはハラハラドキドキしました。(全然知らなかったので最初見たときは「ななにひとりおおかみ」と読んでしまったくらいですが・笑)。吾郎も言っていましたが、先月に比べると大分落ち着いて進行するようになったみたいです、時間はだいぶ押しましたが。これから色々な企画が出て楽しくなりそうです。

さて!
番組中に重大発表が2つありましたね!
一つは3人で出演する宝くじ「ロト」のCM。10日から放送されるそうで、色々なヴァージョンがあるので、久しぶりに捕獲に励むことになりそうです。3人のダンスが可愛いですね。

もう一つは吾郎のミュージカルのお知らせです!!全く予想していなかったので驚きました。
5月6日はゴローの日ですが、本当に大きなプレゼントで嬉しいです。

稲垣吾郎主演舞台
「FREE TIME, SHOW TIME『君の輝く夜に』」
期間 : 8月3日(金)~8月26日(日)
会場 : 京都劇場

鈴木聡さんはじめ「恋と音楽」チームが結集して作るミュージカル。共演は安寿ミラさん、北村岳子さん、中島亜梨沙さんで「一人の男と三人の女による大人の恋の物語」だそうです。期待大ですね。
詳しくは → 新しい地図Topics
     → PARCO STAGE



拍手ありがとうございます
プロフィール

はちミツ

Author:はちミツ
【注意:当ブログの内容の無断転載は禁止します。】

稲垣吾郎さん大好き、SMAP大好き!の主婦。
吾郎ファン歴は25年目になります。
彼らがいつかまた集まりたいと思った時そうできるように、彼らがそれぞれ今いる場所で益々輝いていってほしいと願っています。
だから「SMAP大好き」という気持ちも「新しい地図の3人の活動を応援する」気持ちも私の中では同じ一つの思いなのです。
神奈川県在住。

近況
①毎週水曜日は「an・an」の「稲垣吾郎のシネマ・ナビ」をチェック!。
②「ゴロウ・デラックス」(TBS)もお見逃しなく!
③「稲垣吾郎オフィシャルブログ」、twitterアカウント @ingkgrofficial も必見!

メールは↓へ。
walkwithgoro☆hotmail.co.jp
(☆を@に変えて下さい)

カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
ブログパーツ
クリックで救える命がある。
リンク集
リンクなさる方はお声をかけて下さい♪
情報リンク
こちらもどうぞ♪
/div>
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる