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「半世界」感想

2月14日、先行上映で「半世界」を観てきました。しかも2回続けて。
1回目と2回目では随分印象が変わるのものですね。「あれ?こんな台詞あったっけ?」とか。たぶん観れば観るほど様々な発見をするのでしょう。何回でも観たくなる映画です。

全体的な感想を言うと「丁寧に作られた映画。本当に観て良かった。」
映像も音も美しく、無駄なシーンがない。伏線の張り方も回収の仕方も自然でストーリーに無理がない。何より俳優陣が全員いい。演技に見応えがある。
吾郎ファン的には吾郎が登場するファーストカットで一瞬吾郎と分からなかったのに驚きました(私だけ?)。軽トラのルームミラーに映る目が今まで私が見てきた吾郎の目と違って見えたのです。それくらい炭焼き職人の紘になりきっていました。

とはいうものの、感想をきれいにまとめるのは難しいです。今私の手元には映画を観て感じた事を箇条書きにしたメモがあるのですが、これをつないで書いてもいわゆる感想にはなりません。この映画が普通の人たちの普通の生活を丹念に描写していて、特別大きな出来事があるわけではないからかも知れません。

でも日常生活の中でもほんのささやかなドラマは起きています。仕事のこと、夫婦のこと、子どものこと・・・。自分でも気づかないうちに色々なことが起きている。そして吾郎演じる紘は本当に何も気づかない人なのです。
そんな紘に変化を起こすのが、突然帰ってきた同級生の瑛介。自衛隊を辞め離婚して空き家になっていた実家に住み始めます。紘は同じ同級生だった光彦を呼び、何かと瑛介の世話を焼きますが、瑛介は
「お前達は世界を知らない。世間しか知らない。」
と言って自分の殻の中に引きこもろうとします。
それでも紘の炭焼きの仕事を手伝ったり、光彦と3人で飲んだりしていくうちに瑛介は少しずつ心をf開いていきます。そして紘も光彦や妻・初乃の言葉に耳を傾け、反抗期の息子・明と向き合う決意をしますが・・・。

まず、舞台となった南伊勢町の山と海がとても美しいですね。吾郎が「南伊勢の自然が引っ張っていってくれた」と様々なインタビューで話していますが、納得です。
そして私が興味を持ったのは登場人物達の人間関係が濃密なこと。なにしろ「真実が本人の口から語られない」のです。本人が語らなくても代わりに誰かが語ってくれる。紘がなぜ炭焼きの仕事を継いだのか、紘と父親との関係がどうだったのかを明に伝えるのは瑛介です。そしてその瑛介の過去を紘は第三者(ネタバレを避けるためここではこう書きます)を通じて知ります。
今の日本、特に都会ではこういう行為は嫌がられると思いますし、実際早くにこの町を離れ海外赴任も経験した瑛介は自分の過去を知られて怒りますが、この町では不思議とそれで人間関係が上手く回ってしまいます。山と海に挟まれたこじんまりしたこの町ではそうなんだろうな、と見ていて納得させられる環境ではあります。
物語は途中で思いも寄らない展開になりますが、本当はこれが日常の延長線上の出来事なんですね。それを思うと自分の生き方はこれでいいのかと考えさせられます。家族や友達を大事にしようと思いました。


もし4年前に吾郎がこの映画に出演していたとしたら瑛介役をやっていたかも知れないなぁ、と見終わってから漠然と考えました。だとすると今、このタイミングで「紘」というこの役を演じられたのは恵まれたことですね。
「半世界」は間違いなく稲垣吾郎の代表作になると思います。少なくとも私の中では「笑の大学」を超えました!
オファーをしてくださった阪本監督に「ありがとうございます」と心から言いたいです。

そして早くまた観に行きたいです。


拍手ありがとうございます

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