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土は回収できません。 (「ゴロウ・デラックス」 11/16)

オープニング。
吾郎の衣装が変わりました。ベージュと黒のボーダーシャツの下から白いTシャツがのぞき、上にベージュと黒のカーディガンを羽織っています。お髭と相まってワイルド&カジュアル。素敵です。
「今夜はごみ問題を真面目に考える30分です。ごみ清掃員の方が執筆した本が今大変な話題になっているんです。」(外山さん)
「ごみのエキスパートの方が登場するんですね。じゃあ今日は勉強しましょう。」(吾郎)

今夜のゲストは滝沢秀一さん。外山さんに呼ばれて登場すると「どうも~。よろしくお願いします。ありがとうございます。」と明るく挨拶して席に着きました。青い作業着を着ています。
「洋服着慣れてますね。」(吾郎)
「その格好でいつもお仕事を?」(外山さん)
「そうですね、6年間毎日この格好をしているので。で今年は特に猛暑だったので、個人的に僕は空調服という…」と言うと滝沢さんは立ち上がって腰のあたりを見せました。
「あ、扇風機が付いてるんですね!」(外山さん)
「そうなんですよ。ゴロウさん着てみますか?」(滝沢さん)
「いや、見るだけで良いです(笑)」(吾郎)
でも…と滝沢さんはどうしても吾郎に空調服を着せたいらしく、脱ごうとしました。
「マイク…」と吾郎が心配し音声さんが駆けつけてきたので
「いったん止めましょうか」(吾郎)と収録は仕切り直し。

「普段はどこの清掃会社にお勤めなんですか?」(吾郎)
「普段は太田プロという所に…」(滝沢さん)「…え?」(吾郎)
「太田プロってご存じですか?」(滝沢さん)
「ええ、芸能プロダクションの。」(吾郎)「はい。」(滝沢さん)
混乱する吾郎に外山さんが助け船を出しました。
「この方、マシンガンズという…覚えてますか?すごく怒ったネタで…」
「ああ、あ!」と吾郎は一応相づちを打ちましたが明らかに知らないというリアクションです(笑)。
滝沢秀一さんは1998年に漫才コンビマシンガンズとしてデビューした芸人さんです。2008年にキレる漫才でちょっと話題になりましたが以降芸人としての消息は分からなくなってしまいました。しかし今年彼の書いた本が脚光を浴びたのです。

課題図書 : 「このゴミは収集できません」 マシンガンズ滝沢秀一 (白夜書房)

芸人である滝沢さんがゴミ清掃員として働く日常を描いた本。去年滝沢さんがtwitterで始めた「ゴミ清掃員あるある」が大きな反響を呼び書籍化されたのです。
芸人らしくコミカルで赤裸々、しかもごみ清掃員の目線から社会問題にまで切り込んだユニークな本は数々のメディアに取り上げられ、日本最古の英字新聞「The Japan Times」では「ごみの話をする才能を持つ芸人(The comedian with a knack for trash talk)」と紹介されました。
それにしても、芸人さんがなぜゴミ清掃員になったのでしょうか。ここで吾郎の朗読。

マシンガンズというお笑いコンビを始めて、今年で丸20年になる。
その間にいろいろなことがあった。
テレビに出させてもらったこともあるし、全国各地のイベントにも呼んでもらって、漫才を披露したこともあった。テレビでやったネタを披露すれば、お客さんが喜んでくれたこともあり、お金ももらえた。
お金をもらえる時期が長ければ長いほど良いが、そんな都合よく人生が進むはずもなく、やがて極貧になった。これは困った。
36歳の時、嫁に金を持ってこいと言われた。子どもができたからだった。
いくらだ?と聞くと、40万円だと言う。
僕はその場で小便をチビりそうになって、震える声でそんなに大金が必要なのか?と聞くと、請求書のような殴り書きの内訳を突きつけてきた。
すぐに携帯片手に目ぼしいバイト募集のページをあさるが、どこの募集も35歳までと書いてある。
僕は世の中のことを何もわかっていなかった。
35歳を越えるとバイトすらないなんて。

「はぁ、そうだったんですねぇ。」(吾郎)「はい」(滝沢さん)
「40万円持ってこい、と…」(外山さん)
「出産費用で40万円持ってこい、と言われて。貯金ゼロだったんで、そこから40万円持ってこいと言われてもこれは困ったと思って。まあアルバイトでも探そうかなと思ったんです。でも35歳を越えるとアルバイトもなかなか見つからないんですね。『36歳ですか、じゃあごめんなさい。』みたいな。」(滝沢さん)
「そこ(35歳)がボーダーラインなんだ。」(吾郎)
「そう。だから9社ぐらい断られましたよ。で最後に、芸人を辞めた人たちは就職してるんじゃないかなと思って電話したんです。その一つにたまたまゴミ清掃があった。」(滝沢さん)「へぇ」(吾郎)
「やれるのか、と言われて『明日からやれるよ』みたいな感じで次の日から働かせてもらったんですけれども。」(滝沢さん)
そうやって2012年にゴミ清掃の仕事に就いた滝沢さんはその真面目な仕事ぶりを買われ、2016年に正社員になりました。
「じゃあ今は両方正社員なんですね。」(吾郎)
「えーと、本職はゴミ清掃員ですね。お笑いの方はアルバイトでやってます。」滝沢さんの語り口は終始明るくユーモラスです。

家族を養うため6年間ゴミ清掃員として働くうちに、ゴミを見れば“あることが見える”ことに滝沢さんは気付いたと言います。
題して「ゴミを見れば日本社会が見える」。
1. 貧富の格差
滝沢さんの説明はこうです。
「僕は色々な地域を回るので、お金持ちの地域もあればそうでもない所もある。そこをしばらくやっていると、何か違いがあるなと気付いたんです。一番違うなって思ったのがタバコの吸い殻。これがお金持ちの地域からはあまり出てこないんですね。で、そうでない所は結構吸い殻が出てくる。後思ったのは…お金持ちのところからは高級な美容液が出てきたりちょっと前に流行った健康グッズなんかがよく出てきます。で、そうでない所からは栄養ドリンクが結構出てくるんです。」
「あ、逆にね。健康志向じゃなくて疲れてる…。」(吾郎)
「あと、握手券付きのCDとか。」(滝沢さん)「あ、アイドルの。これはそうでない方?」(吾郎)「そうでない方ですね。」(滝沢さん)
それから「そうでない所」では大量に一気にゴミを出す傾向もあるとか。
これらを分析すると、
「お金持ちの方は自己投資をされる方や健康志向の方が多いんじゃないかと。そうでない所の方は、タバコとかドリンクとかから考えると、小さな依存を繰り返してる、みたいな。嘘をつけないんですね、ゴミは。」(滝沢さん)
タバコを吸って疲れて栄養ドリンクを飲んでいたら二重に無駄遣いしている感じがしますね。確かにお金は貯まりそうにない…。
2.治安
「治安も?」(吾郎)
「そうですね。集積所を見れば治安は分かります。」(滝沢さん)
一般的に治安が悪いと言われている地域の集積所は汚れていることが多いそうです。
「どういう事かというと、集積所が汚れていても周りの人が気にしない、つまりお互いを監視する目がないんですね。監視する目が緩いと治安も緩くなる。」(滝沢さん)
「なるほど。見えてきますね、社会が。」吾郎の目がキラリと輝きました。
そして今夜滝沢さんが最も伝えたいことは「日本のゴミ問題」。その部分を外山さんが朗読します。

世界一ゴミだらけの日本。
ゴミの量が減れば、僕らの仕事が楽になるから、そうしてくれと言いたいわけではないのでございます。
異常だからです。
もはや怖いと言っても過言ではありません。
調べてみれば、やはりというか、そりゃそうだろと言うべきか、一人の人間が一年間に出すゴミの量は日本がダントツの世界一です。ゴミ総発生量こそはアメリカに譲りますが、日本人が一人一年間、ゴミを出す量は320キロで、2位のフランスが180キロ。正真正銘のぶっちぎり1位です。
ついでに言うと焼却炉の数も2位のアメリカ351ヶ所を大きく上回り、日本が1243ヶ所と、有無を言わせない圧倒的な強さを誇っているのです。
これはきっと、王、長嶋以外にも柴田、森、広岡、城之内、宮田のような名選手がいなければV9が達成できなかったように、いろいろな要素が絡んでいなければ成り立たない数字なのです。

最後の部分で笑いをこらえていた滝沢さんは朗読が終わると
「冗談のところを真面目に読まれるとちょっと恥ずかしい。」と照れ、
「その例え話、必要?」と吾郎が突っ込みました。
しかし笑い事ではありません。
「1人あたり1日に出すゴミの平均量ランキング」では日本が925gで1位。2位のフランスが493gですからぶっちぎりの1位です。
「一年間で言えば日本が320キロ。フランスが180キロなんで倍近くという事ですね。」と滝沢さん。過剰包装がその原因の一つではないか、と滝沢さんは考えています。
「この間、羊羹をお土産でもらったんです。まず(手提げ)袋でもらって、まずこの袋を取るとゴミになりますね。それから周りの包装紙を剥がす、これもゴミですよね。で箱が出てきてそれを開けて、これもゴミですね。そしたら羊羹が一個一個包まれてたんです。それを開けてやっと食べられた。ここまでで(包装が)4つ。」(滝沢さん)
そして滝沢さんは今ある危機感を抱いています。
「毎日毎日凄い量のゴミを見ているじゃないですか。それで思うのは、日本はゴミで埋まるなあ、って。」
「はぁ…。埋立地は追いつかないですか。」(吾郎)
「埋立地は寿命あと50年と言われてますね。東京に関してはあと50年。でも僕が小さい頃学校で習ったのはあと30年だったんですね。寿命は延びているんです。」(滝沢さん)
「それは色々技術が進歩したから?」(吾郎)
「そうですね。ゴミの研究者が一生懸命頑張って、例えば焼却炉…最新のでは不燃ゴミの中から燃やせるものは無いかということでプラスチックを燃やせるようになったんです。今までの400~500度の焼却炉ではダイオキシンが出たんですけど、1000度~1200度で燃やせるようになったらダイオキシンが発生しなくなった。だったらプラスチックを不燃ゴミから可燃ゴミにしよう、と。それで不燃ゴミが減ったんです。」(滝沢さん)
「それは大きいですね。」(外山さん)
「でも可燃ゴミだって灰が…」(吾郎)
「そうです。それでその灰もなんとかしようとゴミの研究者たちは一生懸命頑張って、灰に電気とガスを加えてスラグ化という…小さな石ころみたいにしたんです。」(滝沢さん)
「再利用?」(吾郎)
「そうなんです。元々のゴミの大きさの40分の1位になるんですよ。その石っころみたいなものを再利用ということで、アスファルトの材料にしたり。これは人体には害にならない。そこまでの執念でゴミの研究者たちがやって、それでやっと埋立地の寿命が30年から50年になったんです。」
そう熱く語る滝沢さんによれば世界有数のゴミ先進国はスウェーデンだそうです。
「商品を作ったら最後のゴミまで面倒を見なきゃいけない、という法律があるんです。」(滝沢さん)
「なるほどね。製品化するときにゴミの事まで考えて。」(吾郎)
「そうなんです。例えばジュース1本作る時も、この瓶を回収するのはこの会社、って決まってるんですね。だから余計な過剰包装をしない。でリサイクルをどんどんやっていったら全体のゴミの1%しか埋立地に埋めないんです。もうほとんど埋めない。それがスウェーデンのゴミ事情ですね。」(滝沢さん)
「すごいね、スウェーデンって。」(吾郎)

とここで話題は変わって、
「滝沢さんは吾郎さんに何か訊きたい事が…」(外山さん)
「そうですね、吾郎さんはゴミ分別されてますか?」(滝沢さん)
「もちろん!」(吾郎)
「ちゃんと分別できているか、クイズをやっても良いですか?」(滝沢さん)
「やばいな、好感度下がるかも。」(吾郎)
…ということで、
「知識があれば何でもできる、ゴミ分別やればできるさクイズ~!」
と精一杯テンションを上げた吾郎のタイトルコールで始まりました。
「僕ね、タイトルコールしないんですよ。タイトルコールしてる瞬間だけ自分じゃない気がしてくる。」とすぐにぼやきましたが。
3人の前に「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「ペットボトル」…等々と書かれたゴミ箱が並んでいます。クイズのルールは簡単。滝沢さんが選んだゴミを吾郎が分別しゴミ箱に入れるのです。
1問目はビデオテープ。
「もうなかなか無いでしょう、ビデオテープ。」(吾郎)
「これ、でも、結構捨ててる方がいらっしゃるんですよ。DVDに移してビデオを捨てる方が。」(滝沢さん)
「どうぞ、吾郎さん(笑)」(外山さん)
「分からない時は不燃ゴミにすれば、罪は軽くなるのかな…」(吾郎)
「うーん、なるほど…」(滝沢さん)
「燃やせないものを燃やす方がさ、手間暇かかりそうじゃん。」(吾郎)
と考えて吾郎はビデオテープを「不燃ゴミ」のゴミ箱へ。
「不正解です!」と滝沢さん。(残念!)
「でもホントにいい所まで来てましたね。これはプラスチックなので可燃ゴミになるんです。」(滝沢さん)「燃えちゃうんですね。」(外山さん)
「僕らが子どもの頃はプラスチックは不燃ゴミだったんですけど、焼却炉の技術がアップして今は可燃ゴミで出してもいいという事になったんですね。」(滝沢さん)
「ほぼほぼの地域で大丈夫ですか?」(吾郎)
「だいたい大丈夫ですね。昔は低温で焼いてたのでダイオキシンが出てたんですけど。」(滝沢さん)「そうか、公害になっちゃうんだ。」(吾郎)
「でも今は高温で焼いてるのでダイオキシンが出ない、ということで、現在は可燃ゴミの方が多いです。」(滝沢さん)
そして滝沢さんは足もとのビニール袋から2問目のゴミを取り出しました。
「これです。カイロ。」
「これは、絶対不燃。」吾郎は滝沢さんからカイロを受け取るなり、「不燃ゴミ」のゴミ箱へポイ!と投げ込みました。
「お?理由を教えて下さい。」(滝沢さん)
「え?だってこれは中身が…」と吾郎はゴミ箱からカイロを拾い上げ「カイロだから鉄とか…?」とつぶやくと外山さんが
「吾郎さんがゴミ箱からこうやって拾うとこってなかなか見られないなと思って。」と笑い出しました(流石外山さん、着眼点が鋭い!)。
で、答えは見事正解!
「さすが、今仰ったとおりで、中身は鉄なんですね。だから不燃ゴミです。」(滝沢さん)(地域によっては可燃ゴミになっている所もあるそうですが、基本は不燃ゴミです。)
そして最後の問題は、お花作りに欠かせない、土。
「(お花といっても)うちは生けてる(切り花)から…」(吾郎)
「じゃあ土は全く使わないですか?」(滝沢さん)
「でも胡蝶蘭には土があります。」(吾郎)
「なるほど。じゃあ胡蝶蘭が枯れてしまって土がいらなくなったとしたら、何ゴミで捨てるか。」(滝沢さん)
吾郎は土の袋を抱えてズラリと並んだゴミ箱の前を行ったり来たりしました。そして
「そんなに難しく考えなくても良いでしょ。基本、可燃ですよ。」と可燃ゴミのゴミ箱に入れたのですが、滝沢さんの答えは…
「吾郎さん、不正解です!!」
「土は可燃で出さないで下さい。これは最も駄目なんです。土は燃えないですよ。」(滝沢さん)
「ヤバイ…」と吾郎は呆然。
「ひょっとして今まで可燃で出されてたとか…?」(滝沢さん)
「いや…花屋さんに回収してもらった。」(吾郎)
「あ、でもそれが一番良いですよ。」と滝沢さんはフォローしながら土の袋をゴミ箱から取り出して、
「土は地域(区)によってはごく少量ならという条件付きで不燃ゴミになるんですね。これは火を通しても燃えないですから。で、だいたいの区では回収できないんですね。これはどういう事かというと、業者さんにお願いしなくちゃいけない。」と一番端にある「回収できない」のゴミ箱に入れました。
「これは分からないよねえ。」(吾郎)
「公園に持っていって撒くとかは?」(外山さん)
「それは不法投棄になるんじゃないですかね。危ないですよ(笑)。」(滝沢さん)
外山さん、それはやっちゃいけませんよ!

「結構難しいね。迷ったらやっぱり聞く、だね。」(吾郎)
最近はごみアプリなどがあるので、それを活用すると良いようです。

番組はエンディングへ。
「いやぁ、ゴミ清掃員のプロの方にお話を伺っているような気になりましたが、芸人さんなんですよね。」(外山さん)
「これくらいイキイキと漫才して欲しいですよね。」(吾郎)
「それとこれとはまた別の話で…」と滝沢さんが笑い出すと、そこへAD山田くんが現れました。青い作業服にヘルメット姿です。
披露した消しゴムはんこはゴミ清掃の現場で活き活きと働く滝沢さん。
「(消しゴムの)削りかすはどうしてる?」吾郎が突っ込むと
「ADが纏めて捨ててます。」と山田くんはちょっと焦りました。
滝沢さんによると、消しゴムは可燃ゴミでいいそうです。これで山田くんも一安心?

滝沢さんの観察眼と分析力、そしてそれを面白く伝えるトーク力に芸人の素養を感じました。
因みに私の地元ではごみの捨て方のパンフレットが市役所から配布されているので、分別が分からないときはそれを見るようにしています。土はやはり回収してもらえません。


拍手ありがとうございます

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GORO | コメント(0) | 2018/11/21 09:10
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