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2018/07/31 (Tue) 歴史に託す祈り (「ゴロウ・デラックス」 7/27)

オープニング。
「今日はハードボイルド小説の第一人者の方が再び登場です。」(外山さん)
「前回本番中に口説かれてましたね。」(吾郎)
思わず照れ笑いする外山さん。さて、今回はどうなりますか。

今夜のゲスト、北方謙三さんはハードボイルド小説の第一人者として数々の賞を受賞され、直木賞選考委員も務めています。更に執筆期間17年全51巻に及ぶ「大水滸伝」シリーズは累計売り上げ1000万部以上を記録する大ヒットとなりました。
北方さんは前回出演なさった時
「俺がハードボイルドだ。」
「いい女の条件は男が葉巻を吸うことを許容する奴」
「俺は浮気しない。何重にも恋をする。」
とハードボイルド論を展開しましたが、今回は北方さんが挑んだ新たな歴史大河小説について語って頂きます。

課題図書 : 「チンギス紀(一)火眼」「チンギス紀(二)鳴動」 北方謙三

「始まりましたね!」(吾郎)「始まりましたよ。」(外山さん)
「1回始めたら何年かは止められないから。」(北方さん)
「楽しみですよ、このシリーズ。今回なぜチンギス・カンをテーマにしたんですか?」(吾郎)
「チンギス・カンは日本人はみんな知っていますよね。だから書きたい人間の中に入ってはいたんです。で、「大水滸伝」を書いていますから段々北へ行ったり南へ行ったりして、北へ行った人が蒙古に行ったりしているんです。それで時代が20年後位になるとチンギス・カンがいたんだなと思って、物語として書きたいと。」(北方さん)
チンギス・カン(1162?~1227)は巨大な帝国(元)を築いたモンゴルの英雄。彼はモンゴル高原の小さな民族からわずか20年で、中国からカスピ海まで及ぶユーラシア大陸の広大な地域を制圧し、孫の代には世界の1/4を支配したといわれています。
これだけの大人物を描くには余程沢山の資料を調べたのだろうと思いきや・・・
「チンギス・カンという人は40歳くらいまで何の資料も無いんですよ。」と北方さん。
「そうそう、今回参考にされたというものがほとんどこの2冊しかない。」と外山さんが後ろの書棚から持ってきたのは「元朝秘史(上)(下)」(岩波文庫)。チンギス・カンの一代記を中核に中世モンゴルの歴史が記されていますが、いつ書かれたかも作者も不明なのだそうです。
「これを資料と呼べるかは別として、これは説話を集めたものなんです。説話だから本当の事もあるかも知れないけど、まあ、言い伝えがほとんど。」(北方さん)
「何でこれほど偉大な人物の資料が残ってないんですか?」(吾郎)
「字がなかったんです。」と北方さんから明快な返事が。(字って大切なんですね。)
「じゃ、ほとんど想像で書いてるんですか?」(吾郎)
「そうです。40歳までは小説家の領域ですよ。そこから資料も入ってきた小説の領域になるんです。チンギス・カンがどんな人物だったかではなく、今あの時代の英雄を見てどんな人物であって欲しかったか。」(北方さん)
チンギス・カンは、どこで生まれどんな生活をしなぜ死んだかという基本的な事さえ謎に包まれていて、その人物像についても「悪魔のような征服者」とも「神のように優れた支配者」とも言われています。
作家北方謙三は謎の多いチンギス・カンをどう描いたのでしょうか。チンギス・カンが領土を広げ続けた理由についての部分を吾郎が朗読。

モンゴルは、乱れている。
タイチウト氏には、長を名乗る者が何人もいて、足の引っ張り合いをやっている。
キャト氏は、実力はあったのに、長のイェスゲイが死んで、総崩れだ」
「そうなのですか」
「西には、ケレイト王国がある。ナイマン王国もな。メルキト族は強いし、タタル族には、金国という後ろ盾がある。こう分裂しているようでは、モンゴル族の未来はないな。」
大地はひとつなのに、人はなぜ争うのだろうか、とよく考えます」

北方さんは吾郎の朗読を眼を閉じて聞いていましたが、目を開けると
「チンギス・カンが何を考えていたかというと、私は、やはり戦をなくそうと考えていた、と。なぜ戦をしなきゃいけないかというと、非常に観念的で理想的な言い方になりますけど、戦をなくすため。でもそんなことはできるわけがない。戦をなくすために戦をするという、見果てぬ夢を見た男の話です。」と一気に語りました。更に
「だからね、男の夢は叶わないです。戦をなくすなんて地平線ですよ。そこに向かってずうっといくら行っても地平線ですよ。」
「だからこそ抱いていいわけですね、夢は。どうせ叶わないなら。」(吾郎)
「純粋な夢は持っていい。」(北方さん)
「なるほど。ありがとうございます!」吾郎の顔がぱっと明るくなりました。(吾郎の夢がなんなのか気になりますね。)
「こういう夢があってもいいんじゃないか、と言う時の北方さんの目がキラキラって。」と外山さんが言うと
「ドキドキした?」と吾郎が追及しました。
「いやいやいや・・・」と外山さんは笑いましたが、すぐ話題を本題に戻しました。
「これは北方さんの想いでもある・・・。」(外山さん)
「小説というのはある種の祈りみたいな物です。一つ心の中心に(祈りを)持って物語を構成にしないと、小説の意味が少なくなると思います。」(北方さん)
「祈り!」(吾郎)
「これは口では言えません。でも書き手としては一つ祈りだけは持っていたい。」(北方さん)
北方さんのこの言葉に、先日ゲストに来て下さった天童荒太さんとの共通点を感じました。書くテーマや文体は違っていますが執筆の姿勢に似たものがあるように感じたのです。

戦をなくすために戦をしたチンギス・カンですが残酷な一面はなかったのでしょうか。
「40歳くらいから資料があるので戦績などを調べてみると、抵抗した奴は皆殺し。抵抗してなかったら自分の軍に取り入れるんですよ。」(北方さん)
「(40歳くらいから)チンギス・カン自体の祈りは変わってないんですね。やり方は変えていかなきゃいけないけど。」(吾郎)
「やり方はね、抵抗すればお互いに死者がいっぱい出てくる。戦はなるべく少なくしたい。だから抵抗したら容赦なく殺す。その代わり降伏したら許す。」(北方さん)
降伏した国々の人間を取り込むと言っても、国も言語も宗教もバラバラです。それらの人々をどうやってまとめたかというと、
「能力別。足の速い奴とか力の強い奴とか、そうやって軍隊に分けたと私は考えています。いわゆるプロジェクトチームを作ったと。」(北方さん)
「すごいですね。・・・チンギス・カンは人の能力を見抜く才能はずば抜けてあったんですか?」(吾郎)
「それはあったでしょう。人を見る目はあっていろんな所を征服すると、そこにいる有能な人間を家臣にしたりしているんです。ですから考えたことは非常に近代的というか、先進的だった。」(北方さん)
北方さんは更に、チンギス・カンの人物像をこう想像しています。
「色んな人の思考で聞く耳を持ってる人。すなわち優れた人ですね。人間一人の思考なんて大したことは無いですよね。」
「魅力的だね。」(吾郎)
「多分、私の物差しで測りきれない器の大きさを持ってたと思う。すると『私の物差しで測りきれません』というところが書ければ良いわけです。」と北方さんは言うと
「真面目だね、今日は。」と少し照れました。
そして北方さんがキャラクターを描く時、思い浮かべる人物がいるそうで・・・
「全部自分ですよ。例えば卑怯な人物を描く時は、卑怯な心境の一部分が自分だったりするんですよ。」(北方さん)
「そういう自分もいる、と。」(吾郎)
「そういう自分もいる。自分が卑怯だった時のことが出ちゃったりすると、それは自分だと思います。そういう風にして色んな自分が出ているんだと思います。弱さも含めてね。強さは憧れですよ。」(北方さん)
つまり、書くことは自己表現だと北方さんは言います。
「稲垣さんもね、色んな役柄をやるでしょう。その時役柄を通してどっかで自分を表現してる、と思うんです。」(北方さん)
「そうですね。」(吾郎)
「カメラマンもそう。外山くんを撮る時も、被写体は外山くんだけどシャッターを切る瞬間は自分を表現してる。そういうもんですよ。」(北方さん)
「人が生きてるってそういう事ですよね。」吾郎は納得した様子です。
「人っていうのは不思議なもので、だから小説があったり、芝居があったりするんですよ。ただ生きるだけだったら米と水と塩があればいい。なぜ文学とか音楽とかがあるのか、それが人間ですよ。音楽に救われたとか芝居を観て泣いたとか小説があって良かったとか思うのが人間。」
北方さんの話を「うーん」と唸りながら吾郎と外山さんが聞いているのを見て、
「今日いい話ばっかりしてるな」と北方さんはまた照れました。その笑顔が可愛いんですよね。

「チンギス紀」には北方さんの心境を表した部分もあります。そこを外山さんが朗読。

「なあ、ボオルチュ。俺は自分が死ぬだろうと思っていたが、まだ生きている。天が、生きよと言っているのだ。人は、死ぬ時は死ぬ。天が、死ねと言うからだ。天の声は、聞こえはしないが、躰が感じる。いま、俺はなにも感じていない。だから、心配するな。」
「テムジン様」
俺がまだ生きて、やるべきことをやれ、と天が決めたら、俺はなにがあろうと死なん。自分の生き死にについて、俺はそれ以上を考えるのはやめた」

「これは僕の心境ですよ。」(北方さん)
「やっぱり心境ですか。」(吾郎)
「生きるか死ぬかっていう目に2回くらいあってるんですよ。事故だったりね。タクラマカン砂漠で車が5回転して、全部潰れましたけど。みんな死んだと思ったけど僕が立った時びっくりして。その時に『小説の神様っているんだな』と思って。『もうちょっと生きて書け』って言ってるんだな、と思いましたね。」
だから死んだ時は小説が書けなくなったと思ってください、と北方さん。
「書き終わらないで死んじゃうのやめてください」と外山さんが念を押すと
「絶対完結させます。」と北方さんはキッパリと言いました。(←絶対ですよ、約束ですよ!)

ところで北方さんには、ちょっと意外な趣味があります。小説を書くためだそうですが・・・。
「いつ20歳の青年を主人公にした小説を書かなきゃいけないか分からないから、若い人が聴く音楽だって聴きます。ロックのコンサートにも行きます。」
「若い方と?」(外山さん)
「一人で。変装して。」(北方さん)
「気づかれてますよね?」(吾郎)
「気づかれてるには気づかれてる(苦笑)。凄い格好して行くんですよ。それでモッシュっていう頭の上を泳いでいくのを・・・。」(北方さん)
「やったんですか?」(吾郎)「やったんです。」(北方さん)
「やるぞー!って言ったら周りのみんなに持ち上げられて、『落とすなよ、落とすなよ、ジジイだから落とすなよ』って。」(北方さん)「へぇー!」(外山さん)
「俺は『ジジイは余計だ!』って言ってたんだけど(笑)。」と語る北方さんは楽しそうです。
「今、ハマっているアーティストの方はいらっしゃるんですか?」(吾郎)
「今は小柳ゆきが良いと思うね。あとSuchmos。Suchmosは誰も知らない時から聴いていたら段々人気が出てきたんですよ。」(北方さん)
その他クリープハイプ、BLANKEY JET CITY、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、9mm Parabellum Bulletなど(私の知らないバンドばっかり・・・)。
「結構ハード系ですね。」(吾郎)
「自分のヘッドホンで聴いてハネてる。」と北方さん。お若いですね。
「何で(他の人たちが)知らないうちに聴くんですか?」(外山さん)
「まあ、アンテナを伸ばしておいて『斬新な音楽があったら教えてくれ』って・・・。」(北方さん)
「あ!それってまさか・・・?」吾郎の目が悪戯っぽく輝きました。
「それって情報収集のために・・・?」と外山さんも突っ込みます。
「メル友じゃないですか?40歳年下の。」吾郎が言うと北方さんは一瞬絶句し
「・・・なんで具体的なことを言うわけ?」と言い返すのがやっとでした。
「だいぶ脱線しちゃいました、すみません。楽しくなっちゃって。」と吾郎は冷静に話を戻しました。いやあ、ここの吾郎の切り込み方は見事でしたね。

ここで、北方さんがモンゴル取材中に飲み「チンギス紀」にも登場する馬乳酒を試飲することに。モンゴルの騎馬民族の衣装を着たAD山田くんが持ってきてくれました。馬乳酒は馬の乳を発行させたお酒で、カルピスのヒントになったとも言われているそうです。
吾郎は一口飲むと
「酸っぱい!」
と叫んで顔をしかめました。「・・・ヨーグルトを10倍酸っぱくした感じ?」
外山さんも一口飲んで
「こんなに酸っぱいものなんですか?ヨーグルトにレモンを入れたような感じ。」
北方さんはさすがに慣れた感じで飲み
「これ、色んな家で出してくれたんだけど、家によってはホントに酸っぱくて、酢酸飲まされたんじゃないかって思う程。・・・酔っ払ってきましたけどね。」
そして、酔っ払った北方さんからある授賞式の時のエピソードが飛び出しました。
「記者会見をやったんですよ。そしたら観月ありさと小栗旬が後ろに立ってる。それでワイドショーとかがいっぱい来てるわけ。で『どういう時にお酒を飲みたくなるんですか?』って質問されて『人を殺した時だ』って言ったんです。」
吾郎は思わず吹き出しました。
「私は小説家ですから。レトリックがある。『人を殺した時だ。ただし紙の上でな。』って言ったんです。」(北方さん)
「カッコイイじゃないですか。」(吾郎)
「カッコイイでしょう?そしたら『ただし紙の上でな。』がカットされてた。」(北方さん)
「それ、ただのアブナイ人じゃないですか。『人を殺した時だ。』だけじゃねぇ。」(外山さん)
「ねぇ!テレビって怖いんだ。」北方さんはスタジオのカメラの方を指さして言いました。
「いや、この番組は上品に・・・」と吾郎がフォローしようとすると、
「前にもそんな思いしたことあるよ、トーク番組に出た時。“銀座の女と付き合う時は『2万円でも3万円でもいいからパンツの中に突っ込んでおけ!』と先輩が言った”と言ったんです。川上宗薫さんって、亡くなった人ですが、その人が言ってたって。そこまで喋ったのに、『銀座の女と付き合ったらパンツの中にお金入れてる』ってそれだけが流れた。」と北方さんは訴えました。
「北方さんが言ったみたいな・・・」(吾郎)
「で、銀座に行ったらみんなに責められたね。」(北方さん)
「この話も北方さんが『銀座でパンツにお金を入れてる』って編集しますからね。」(吾郎)
「だよなー!だから怖いんだよテレビはさ!」(北方さん)
みんな笑っていましたが、これ、文字通り「ほんとにあった怖い話」ですよね。

始まったばかりの「チンギス紀」は全部で11巻か13巻か15巻くらいになる予定だそうです。
「どうして11とか13とか15なんですか?」(外山さん)
「人生割り切れてないから。」と北方さんの答えはハードボイルドでした。

そして最後に北方さんから嬉しい御言葉が。
私もね、あなた方がきちんと読んで下さってるから話し甲斐がありますよ。また呼んで下さいよ」と。
著者の方にそう仰って頂けると本当に嬉しいですよね。
これからも長く「ゴロデラ」を続けて欲しいです。


拍手ありがとうございます

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はちミツ

Author:はちミツ
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稲垣吾郎さん大好き、SMAP大好き!の主婦。
吾郎ファン歴は25年目になります。
彼らがいつかまた集まりたいと思った時そうできるように、彼らがそれぞれ今いる場所で益々輝いていってほしいと願っています。
だから「SMAP大好き」という気持ちも「新しい地図の3人の活動を応援する」気持ちも私の中では同じ一つの思いなのです。
神奈川県在住。

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①毎週水曜日は「an・an」の「稲垣吾郎のシネマ・ナビ」をチェック!。
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