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芥川賞・直木賞スペシャル前編 (「ゴロウ・デラックス」 3/9)

今回はゴロデラ恒例企画芥川賞・直木賞スペシャル!

課題図書 : 「百年泥」 石井遊佳 (第158回芥川賞受賞作)
        「おらおらでひとりいぐも」 若竹千佐子 (第158回芥川賞受賞作)
       「銀河鉄道の父」 門井慶喜 (第158回直木賞受賞作)

石井さんはインド在住。日本語教師の傍ら小説を執筆し、デビュー作で芥川賞を受賞しました。若竹さんもデビュー作で芥川賞を受賞。その題名「おらおらでひとりいぐも」は宮沢賢治の詩「永訣の朝」の一節から取られていますが、門井さんの直木賞受賞作「銀河鉄道の父」は宮沢賢治の一生を彼の父の視点から描いた作品です。
お三方からどんなお話が聞けるでしょうか。

「受賞会見は石井さんがインド在住で3人揃わなくて。今日は3人揃ってきてくれた?!」(吾郎)
「そうなんですよ!インドから帰ってきて下さって。ということで、受賞された3人が会うのは今日が初めてなんです。」(外山さん)
吾郎も外山さんも興奮気味。因みに番組収録は授賞式の前だったそうです。
「それは貴重ですね。」と吾郎。(←そう、ゴロデラは貴重な番組です!
「早速お呼びしましょう。第158回芥川賞を受賞された若竹千佐子さん・石井遊佳さん、そして直木賞の門井慶喜さんです。」
登場したお三方に吾郎から花束が手渡されました。黄色を基調にした可愛らしい花束です。
「今日はこの中のある方の熱望で、こんなモノをご用意しております!」(外山さん)
横から出てきたそれは…金屏風と赤絨毯!!
「なんで?なんで?」(吾郎)
「はい!」石井さんが元気よく手を挙げました。
「私、インドにいる時に受賞のお知らせを頂いて、私だけ電話会見なので電話を持って待ってたら、お二方が金屏風の前で話していて、『金屏風!アタシも金屏風~!』とか言って(笑)。でそんな事を申し上げましたら金屏風をご用意頂いて有難うございました。」
なるほど、花束を持ったお三方が金屏風の前に立つと会見っぽい画になりました。
「今日は雰囲気を出すためにこんな方達も来て下さいました。」
外山さんがこう言うと、カメラを持った男女がバラバラと入ってきました。会見の雰囲気を石井さんに味わって頂こうという趣向です。
カメラのフラッシュが一斉に焚かれると石井さんは大喜びで手を振り、門井さんもピースサインをして盛り上がっています。それを見ていた吾郎は
「何これ?!」と言いながらちゃっかり中に割り込んでしまいました(笑)。
(オープニングコントはこれでお終い?!)

「めっちゃ嬉しいです。ずっとお会いしたくて。」(石井さん)
「受賞会見の時に僕と若竹さんはお会いしているんですが、何しろすぐに控え室に行ってすぐに会見で…という感じでちょっとご挨拶しただけで。」(門井さん)
というわけで、席についてお三方がじっくりお話しするのは今回が初めて。そういう貴重な場を提供できるのもゴロデラの素晴らしいところですね。
「私の生まれた所と門井さんの今住まわれている所が近くて…。」(石井さん)
「そういう共通点が多いんですね今回。作品もそうですし。」(吾郎)
若竹さんと門井さんは作品が宮沢賢治関連。そして若竹さんと石井さんは
「師匠が一緒ですよね。」(石井さん)
という風に微妙に重なり合う共通点があるのです。

まず恒例の質問から。「受賞の瞬間何をしていましたか?」
「私は河出書房さんの会議室で。大福を食べながら…ハハハ」(若竹さん)
「僕はですね…ビールなんです。」(門井さん)
「ビール?!お酒飲んでたんですか?」(吾郎)
「ちょっとですけど。担当編集者30人くらいと受賞の知らせを待つ、僕らは『待ち会』と呼んでいますけれど。」(門井さん)
その時の写真が出ましたが、何だか楽しく盛り上がっているようで…。
「会社の飲み会みたいですね(笑)。」(外山さん)
「門井さんの目が賞取った目だもん(笑)。」(石井さん)
「これは受賞の知らせを頂いた直後の写真です。」(門井さん)
「”改めて乾杯”というやつですね。」(吾郎)
「僕はビールを飲みたいけどこれから会見があるから飲めないって顔なんです。我慢してるんです。」(門井さん)
「電話がかかってくるんでしたっけ?(受賞だと)分かりました?声聞いた瞬間。」(吾郎)
「あ、分かりました!」門井さんの顔がパッと輝きました。「実は僕、今回3回目の候補で受賞しましたので過去2回落選の電話を頂いているわけです。」だから違いが分かったわけですね。
インドで受賞を聞いた石井さんは、
「時差があって3時間半インドの方が遅いんです。で(連絡が)午後3時半くらいかなと思っていたら15分くらいに旦那の携帯が鳴って、なんか私の携帯がかかりにくかったらしくて。関係ない電話だと思ったらそれが受賞の電話だったので『おおー!』と。」
「受賞と聞いてどうでした?」(外山さん)
「初め聞こえづらくって…『もう一度』とか聞き返したら(笑)どうも『芥川龍之介賞に決定しました』と言っているようだから次の瞬間『ピース!』ですよ。」(石井さん)
「ちょっと電波状況も…」(吾郎)「聞こえづらかったです。」(石井さん)

さて、最初に紹介するのは若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」。
主人公は夫に先立たれ一軒家でひとり暮らしをする桃子さん、74歳。自宅で一人でお茶を飲んだり病院へ通ったりとおひとり様の老後生活を送っていますが、その頭の中では故郷・岩手弁で話しかけてくる無数の話し声が…。リズム感溢れる岩手弁と標準語を織り交ぜ、老いの境地を描いた作品です。
因みに若竹さんも”岩手出身、ご主人と死別、現在一人暮らしの主婦”と桃子さんと同じ境遇とのこと。
「おらおらでひとりいぐも」のアクセントを若竹さんに確認する外山さん。さすがアナウンサーです。
「非常に楽しく読ませて頂きました。」吾郎は静かに微笑みました。「桃子さんいいですよね。すごくポジティブだし、老いに対しても。こういう事は我々もこれから考えなきゃいけないのかなって思ったり。」(←吾郎からこういう言葉が出るとは!)
ここで吾郎が朗読。しかし今回は超難解な岩手弁と標準語が入り交じるハードルの高い文体です。ちゃんと読めるのでしょうか?

嘆きの渦、悲嘆の呻きかしましく、こだまがこだまを呼んで共鳴しあい、柔毛突起ども総毛だって激しく振動鳴動する。
てへんだあなじょにすべがあぶぶぶぶぶっぶぷぷ
ああ、くそっ、周造、いいおとこだったのに周造、これがらずどぎに、なして
かえせじゃぁ、もどせじゃぁ
かえせもどせかえせもどせ
かえせもどせかえせもどせ
かえせもどせ
くそったれ
かえせもどせかえせもどせかえせってば
桃子さんはグラスを鷲摑みにし、握ったストローで哀れなソーダ水をこれでもかとかき回す。
回れ回るよソーダ水。
未だ溶け残ったいたいけな氷が三つ、亭主の敵とばかりになおもなおもストローの先で弄くり回した。

「すみませんでした」読み終わるなり吾郎は頭を下げました。
「てへんだあ なじょにすべが…」のくだりが難関ですよね。
「一度おしんの父親を演じたというのに…」と吾郎は反省しきりです。
「岩手弁で書こうと思ったのはなぜですか?」外山さんが訊きました。
「この小説は登場人物がほぼおばあさん一人なので、おばあさんの脳内のいろんな声をダイナミックに表す為に…標準語のつるんとした感じじゃなくて私の使い慣れた言葉でいろんな思いをダイレクトに伝えるために、あえて岩手弁が相応しいと思ったんです。」若竹さんは考えながら丁寧に答えました。確かに夫を失った悲しみが真っ直ぐに伝わってきますね。
「ちょっとうかがってもいいですか?」と門井さん。「方言が魅力的なのはもちろん分かるんですが、それを文字にする時に、100%話し言葉を文字にする事は出来ないじゃないですか。」
「確かに耳で聞いた音を文字にするのは難しいんだけれども、どうしてもこの言葉の厚みとか温かみを伝えたくて…だからもしも分からなくても…それはしょうがない。ある程度それ(分かりやすさ)を犠牲にしても…」(若竹さん)
「リズム感とか、書体の感じとか…」(吾郎)「そうですね」(若竹さん)
「門井さんがそれを気にされているのも、門井さんの小説を読むと分かる気がします。門井さんのは(読者に)親切な感じがしますね…」と吾郎。門井さんの「銀河鉄道の父」も岩手が舞台で賢治と父とのやり取りが岩手弁で書かれているのです。
「実は東北の方に方言の指導をして下さる方がいらっしゃって。僕の場合は結果としてより書き言葉に近い方言になったんじゃないかと思います。」と門井さん。若竹さんと門井さんの方言に対するアプローチの違いが面白いですね。

小説を書いてきちんと完結できるようになったのは小説講座に通い始めてから、という若竹さん。
「ご自分で小説を書きたいなと思って(講座に)行かれたんですか?」(外山さん)
「いや…。私が55歳の時に夫が突然亡くなって、悲しい悲しいの時に息子が『どこにいても悲しいから外に出ろ』と言って。息子が小説講座を探してきてくれたんです。」(若竹さん)
若竹さんのご主人は8年前、57歳の若さで脳梗塞で他界。悲しみに沈んでいる時息子さんの勧めで小説講座に通い始め、やがて幼い頃からの作家になる夢に向き合うようになったといいます。
「小説講座ってどんなところなんですか?」(吾郎)
「2~3週間に1回行って、提出された人の作品・自分の作品をみんなで読んで合評するだけ。先生が『こう書きなさい』という講義はしない。読んで感想を言い合う、その繰り返しです。」(若竹さん)
「書き方を教えてくれるんじゃないんだ。」(吾郎)
「なんか怖い…。ボロクソに言われたら次の週休みたくなりません?」(外山さん)
「でも、それが結構面白い。もちろん人の作品もボロクソに言うけれど…(笑)やっぱり言った分は言われますよね?」若竹さんは石井さんに同意を求めました。
若竹さんと石井さんは同じ先生の小説講座に通っていたのです。
「兄弟弟子。偶然なんですけど。」と石井さん。別の教室でしたが通っていた時期は同じだったそうです。
その根本先生という方は色々なところで教えている有名な元編集者だそうで、
「私はなかなか褒めない先生って印象だったけど、若竹さんは毎回褒められていたって…。」(石井さん)「ちがうちがう!」(若竹さん)
「褒めない先生だったんですか?」(吾郎)
「褒めるんだけど…必ず何かがついてくる。で授業の後に必ず飲み会があって、先生は焼酎を飲んでいるので、先生の脇にひっついて自分の作品について詳しい話を聞く。そっちの方が本番。」(石井さん)「そうそうそう!」(若竹さん)
「先生は初めは褒めてくれていても、酔うに従って『ダメっすね』とかけなし始めて、最後には全否定されて終わる…」(石井さん)
「じゃあ同じパターン!」若竹さんも笑っています。
「根本先生って人も凄いですね!」と吾郎。

というわけで、芥川賞作家を2人も育てた根本先生に番組はインタビューしました。
根元昌夫先生はカルチャーセンターや大学などで10講座もの教室を持ち、今受講希望者が殺到しているそうです。編集者時代には吉本ばななさん、小川洋子さんのデビューにも関わった凄い方なのです。
お弟子さんが芥川賞を受賞した事について聞くと
「本当のことを言うと、若竹さんの作品は今回100%賞を取れると思ってたわけ。でも言った手前、若竹さんが芥川賞取らなかったらどうしよう…と思ったから、すごくホッとした(笑)。」
お二人にどんな指導をしたのかを聞くと
「若竹さんはご主人が亡くなって本当に悲しい。自分の感情をぶつけるような詩を書いていた。でもそれでは本当の意味での悲しさ、喪失感は伝わらないから『もう少し時間や距離を置いたら?』と言ったわけです。」
「石井さんはね、最初から石井さんの小説はちょっとレベルが違う感じだった。いつ新人賞を取ってもおかしくない小説を書いていた。」
あまり褒めない先生だったと言われている件については
「褒めてたと思うけどね~」と笑っておられました。
根本先生、お忙しい中有難うございました。

現在50万部突破の大ヒットになっている「おらおらでひとりいぐも」。若竹さんがこれを執筆するに当たってヒントにしたモノがあるそうです。それは、
「何年か前に『レ・ミゼラブル』の映画を観てすごく感動して、あの歌をもう一回聴きたいとYouTubeでググって、そしたらミュージカルの舞台動画が出てきて、ジャン・バルジャンや学生や宿屋の主人が各自のパートを歌っているのがすごく良くて、一斉に皆がいろんな自分の思いを叫ぶ、みたいなのをなんとか小説で出来ないかと。」
「面白い。それ、ミュージカル感ですよね、アンサンブルで。そういう音の聞こえ方がこの小説を読むとしてきますね。ザワザワといろんな所から音が聞こえてきて。」吾郎が熱っぽく語るのを、若竹さんは頷きながら聞いていました。(吾郎のこの感想は、自分がミュージカルを演った経験から出てきたのでしょう。聞いていて私はちょっと胸が熱くなりました。)
一方外山さんは別の所に食いつきました。
「若竹さん、さっき『ググって』なんておっしゃってましたけど、よくYouTubeなんて見ていらっしゃるんですか?」
若竹さんはちょっと照れ笑いをしながら
「YouTube、2ちゃんねるもよく見ます。本当はヒミツなんですけれども。」
いろんな人のいろんな生活が覗き込めるから好き、と若竹さん。
「2ちゃんねるとは意外だね…。ご自身の作品とかご自分の事とかも見たりするんですか?いわゆるエゴサーチ的なものとか自分で見たりします?」(吾郎)
「それはね、見ない見ない。恥ずかしくて見られない。」(若竹さん)
「(2ちゃんねるで)人の生活は見るわけですね?」門井さんの突っ込みに全員爆笑でした。

「いろんな方に聞かれていると思いますが、次回作は考えていらっしゃるんですか?」(外山さん)
「考えてはいるんですけど…言うとね…安心してやらなくなるから…これだけはごめんなさい。」(若竹さん)
若竹さんは「言って自分にプレッシャーをかける」タイプではなく、「言っちゃうと安心して完成したような気になる」タイプのようです。
「普通は逆だもん」(吾郎)「逆です」(門井さん)
言ったらやらなきゃならなくなるから言った方がいい、という男性陣。
「63年で1本の人だから、次は100歳頃…」と若竹さんは謙遜していますが、構想中の次回作に期待しましょう。

次回も引き続き「芥川賞・直木賞SP」。石井さんの「百年泥」、門井さんの「銀河鉄道の父」の魅力に迫ります。どんなお話が出てくるか楽しみです。


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プロフィール

はちミツ

Author:はちミツ
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稲垣吾郎さん大好き、SMAP大好き!の主婦。
吾郎ファン歴は26年目になります。
彼らがいつかまた集まりたいと思った時そうできるように、彼らがそれぞれ今いる場所で益々輝いていってほしいと願っています。
だから「SMAP大好き」という気持ちも「新しい地図の3人の活動を応援する」気持ちも私の中では同じ一つの思いなのです。
神奈川県在住。

近況
①毎週水曜日は「an・an」の「稲垣吾郎のシネマ・ナビ」をチェック!。
②「稲垣吾郎オフィシャルブログ」、twitterアカウント @ingkgrofficial も必見!
③「ゴロウ・デラックス」再開熱望!

メールは↓へ。
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