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千年前の思い、千年後の言葉 (「ゴロウ・デラックス」 12/15)

オープニング。
「今日は写真に刺繍を施す作品で有名なアーティストがゲストです。」(外山さん)
「僕も写真集で見たことはあるんですが、今日は実物が見られる!実物ってまた違いますよね。」
吾郎の声が弾んでいます。

今回のゲストは清川あさみさん。写真に刺繍などを施す独自の手法で注目を集めるアーティストで、アート作品の他映像、広告、空間デザインなど多岐の分野で活躍しています。とても可愛らしくて綺麗な方です(ネットで調べたらモデルさんのお仕事もなさっていたそうです)。
代表作「美女採集」は様々な美女を動物や植物に例えた人気シリーズです。今回はスタジオに作品をたくさん持ってきて頂きました。
「(美女採集は)私14年くらい続けているんです。」(清川さん)
「今まで何人くらい美女を採集したんですか?」(吾郎)
「だいたい200人くらい。」清川さんはいたずらっぽく笑いました。
「どうやってイメージを膨らませていくんですか?」(外山さん)
「女優さんやアイドルの方だったら佇まいや写真、あと動画を見て。最近だとSNSとかもその人の内面が出るのでそういうのを見て分析していくんですけど。」(清川さん)
会ってしまうと仲良くなりすぎて作品にしづらくなることが多いので、会わずに分析するのだそうです。
「ドキドキですよね。意外と会ったらイメージが違う方とか…。良い意味でも裏切られる場合もあるわけだし。」(吾郎)
「意外に…イメージが変わることがない。」(清川さん)「へぇ!」(外山さん)「直感が鋭いんですね。」(吾郎)
ここで清川さんの作品を拝見。
「ああ、やっぱり綺麗だねえ!」吾郎は声を上げて作品をのぞき込みました。
モデルは吾郎がドラマ「不機嫌な果実」で共演した栗山千明さん。栗山さんを清川さんはカマキリで表現しましたが、なぜカマキリなのでしょう?
「カマキリってメスがオスを食べてしまうくらいにたくましい。千明さん自体は凄く優しくてとてもいい人なんですが、本番になるとそれ位たくましさを発揮される方で。」(清川さん)
「分かる。男気があるというか。結構男前なんですよ。」吾郎の言葉に清川さんは頷きました。
「胸元のお花は衣装についているんですよね?」(吾郎)
「はい、お花は持って行って、現場でその方のイメージで作っていくんです。」(清川さん)
「栗山さんって…今まで言わなかったんだけど、すげえ手が長いんですよ。それがすごく美しいなと思ってて。でもそれ言うと気持ち悪いおじさんと思われるんじゃないかと(清川さん笑う)。このポージングさせたのもそういうのがあったのかな、と。」(吾郎)
続いては壇蜜さんxナメクジ。エロティックです。
「ああ、分かるな!」(吾郎)
「なんか、人の心をジワーッと侵略していく様な。」(清川さん)
「ねっとりしてますね。」(吾郎)
「どこかはかなくて、塩をかけたらいなくなっちゃう感じ。」(清川さん)
清川さんの作品には男性を歴史上の人物になぞらえ刺繍を施した「男糸」というシリーズもあります。松尾スズキさんx杉田玄白では松尾さんの肩に頭蓋骨が刺繍され、隈研吾さんx松尾芭蕉では背景に笹の葉が刺繍されています。
更には10年前から絵本の製作も手掛けています。清川さん自身が子どもの頃に読んだ名作を現代アートで今の時代に蘇らせようという試みです。そしてその最新作とも言える作品が今回の課題図書です。

課題図書 : 「千年後の百人一首」 清川あさみ 最果タヒ

百人一首の絵札を清川さんが作り、SNSを中心に活動し作品が映画化されるなど若者に人気の詩人、最果(さいはて)タヒさんが歌を現代の眼で解釈して今の時代に蘇らせた現代版百人一首です。
「百人一首って最果さんも駆使しているSNSぽくないですか?」(清川さん)
「ああ、短い文章で伝えるという?」(外山さん)
「何もなかった頃に歌の良し悪しでその人の能力が試されたりそれで思いを伝えたりとか。」(清川さん)
「もしかしたら現代に通じるものがあるとか。だからこそ現代的に解読して表現していくと面白い。」(吾郎)
今回は清川さんが作った百人一首の絵をたくさん持ってきて頂きました。

花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに
(小野小町)

絶世の美女小野小町が歳と共に容姿が衰えていくのを嘆いたこの歌を清川さんは鮮やかな色使いで艶やかに表現しました。吾郎は思わず「すごいね!」と身を乗り出しました。「一番百人一首らしい歌を最初に作ろう」ということで、清川さんはこれを一番最初に作ったそうです。画面全体に流れる曲線は髪の毛に見えたり十二単に見えたりします。白くなまめかしい脚には現代風の赤いペティギュアが施されています。
「掛詞といってダジャレの様なものも使われているんですね(「世にふる」→時が経る/雨が降る)。なので足下には雨の後の桜を散らして…。」(清川さん)
清川さんの抱く「絶世の美女」のイメージが表現されています。
「これは最初から全部頭の中に浮かんでいるんですか?それとも作りながらバランスを見て変えていくんですか?」(吾郎)
「この場合は100枚のバランスを見ながら少しずつやっていきました。」(清川さん)

これやこの行くも帰るも別れては
知るも知らぬも逢坂の関
 (蝉丸)

「生きることは出会いと別れだという歌です。」と清川さん。
色々な人が行き交う逢坂の関から渋谷のスクランブル交差点をイメージし、
「実はこの絵の下半分は東京の景色だったりするんです。」
白くぼかされていますがよく見ると東京の高層ビルが並んだ景色です。そして空には金魚が泳いでいます。この歌を最果さんは現代の言葉と感性でどう表現したのか、外山さんが朗読。

知らぬ人、知らぬ人、知らぬ人、
さようなら、さようなら、こんにちは、こんにちは、
私の瞳を見てくれた、忘れてくれた、
さようなら、こんにちは、
あの人の顔を忘れてしまった、こんにちは、
知らぬ人、知らぬ人、知らぬ人のまんなかに、
立ち尽くしている知らぬ人、それが、それが私。
私のことを私は、
生きるためにすこしずつ忘れていきながら、
すれちがう人々の瞳の中にその欠片を、託していく。
日々、溶ける手前の雪のように、預けていく。
知らぬ人、知らぬ人、忘れても、いいから。
目があう、すれちがう、それでもまた忘れていく、
さようなら、私の過去が、私の体でおわらずに、
だれかの瞳を通過して消えていくならきっと、
なかったことにはならないはずだ。
ここは逢坂の関。
結晶になど、触感になど、なれないけれど、
私の体温は、あなたの体温は、そこにある、
ありましたよ、さようなら。


「(絵と詩が)合ってますよね。」吾郎は感心しました。
「同じ時期に絵と詩をかいていて、すごくイメージが似てたんですよ。」(清川さん)
「イメージを合わせるために打ち合わせはしたんですか?」(外山さん)
「一切してないんですよ。」と聞いて吾郎は驚きました。
「二人でせーので見せ合う。だから合わせていくのが最初は大変かな~と思って。でも最終的にはやっぱり合ったんです。」(清川さん)

思いわびさても命はあるものを
憂きに堪えぬは涙なりけり
(道因法師)

清川さんはこの歌をグレーと白のモノトーンの幻想的な作品に仕上げました。
「これも不思議!何これ?」(外山さん)「これは気の遠くなる作業ですよ、1本1本…」(吾郎)
この不思議な歌を最果さんはどんな詩にしたのか、吾郎が朗読。

細い糸のような私の命に絡まるように、
私の涙が列を作って、つらつらと流れていく。
わたし、永遠に生きていくつもりなのでしょうか、
あなたがわたしを愛さなくても。


「切ないなあ…」吾郎がため息交じりに言いました。
「人生を振り返ってる感じも受けて、1本の糸が沢山並んでいて、それが絵になっていたら良いなあ、と思ったんですけど。静かな絵を描きたくて。」(清川さん)
道因法師は80歳で出家した平安時代後期の歌人です。
「男性の恋愛のテーマは大きいなと思って。人生を語るくらいに。」(清川さん)
「ロマンチックだなあ、昔の人は」と吾郎が言うと、
「あれ…昔の人は、ですか?」と清川さんが食いついてきました。
「でもさ、この人きっと遊んでたんでしょうね、昔は。」と外山さんが遠慮のない感想を言いました。「何言ってるの!」と吾郎は止めながらも
「いやそんな気がする!僕も読んでて思った。遊んできた男が80歳になって気付いたみたいな。」と結局賛同しました。
「気付いて振り返って、恋が上手くいかなかったんでしょうね。」(清川さん)
「でもあるよね、そういうのって。ずっと引きずってる恋ってあるよね。」吾郎がすらっと告白しました。
「ありますか?」(清川さん)「あるあるある!」(吾郎)
「長いですか?」清川さんも構えずにどんどん切り込んでいきます。吾郎は天井を見上げて
「やっぱり他とは別のフォルダに収まってるよね。」と答えました。
「別に後悔している訳じゃなくて、覚えている?」と外山さんも切り込んできました。
「うん。でもその恋が叶っていたら今の自分はいないわけだし。」吾郎は自然に答えました。
「吾郎さんが出家する日が来るかも知れない。」外山さんがそう言うと清川さんも笑いました。
「絵がある事によってそういう発想が出てくるよね。僕もこのトンネルの向こうに自分の過去が今思い浮かんだ。思い出しちゃった、あの恋のことを。」吾郎は真面目に語りましたがすぐ
「OAして、OAして♡」と笑いに変えました。(ちゃんとOAしてくれたスタッフさん、ありがとうございます。)

百敷や古き軒端のしのぶにも
なほ余りある昔なりけり
(順徳院)

戦に敗れて佐渡に流された順徳院が貴族の世の終わりを偲んで詠んだ歌です。
「1つの時代が終わっていくってちょっとロマンチックじゃないですか。」(清川さん)
「切ないけれども、次の時代がちょっと見えてる感じとか。」(吾郎)
「何かがまた動き出す様を描きたくて、いろんな色の蝶がいる絵にしたかったんです。彩りが華やかですね。」(清川さん)
「陰が効いてますよね。ちょっともの悲しくて。縦の線が雨みたいで。」(吾郎)
「この順徳院の作品に関して、最果さんからコメントを頂いたんです。」と外山さんが言い、そのコメントを読みました。

清川さんの100枚の絵が届いたときは、まだこの歌のことは考えていなかったんですが、絵を見た途端、「これを訳すのは最後にしよう」と決めていました。
たくさんの蝶が重なり合っているのを見て、これらの蝶は宮殿に生きたひとびとの一つ一つの思い、でもあるのだけれど、また一方で、100の歌のことでもあるだろう、と思ったんです。
だから、全ての歌を訳してから、訳したいなあ、と思いました。

「清川さんの絵から浮かんだ言葉なのかなと思うのが…」と吾郎は言い、朗読しました。

石はただ沈黙していた、
私がここにいるというそのこと以外、
すべてが私には見えていない。
何千の声が聞こえるか、
何千の歌が聞こえるか、
本当は、ずっとここでこだましている。



「ここで吾郎さんに嬉しいお知らせがあります。」と外山さんが話題を変えました。
「今回何と特別に、清川さんがゴロウ・デラックスとコラボして下さるんですって。」
「ありがとうございます。どんなコラボレーション?」吾郎が尋ねると清川さんは
「吾郎さんの頭の中をのぞいてみたい。」と言って
「宿題があります。稲垣さんが今最も美しいと思う人かモノか一日を、写真で切り取ってきて欲しいんです。ただ『キレイー!』っていうんじゃないですよ。『なんでキレイなんだろう』って深読みしそうな美しい写真を撮ってきて欲しいんです。」と課題を出しました。
「わかりました!凄い嬉しい!」と吾郎はニッコリしました。
「人でもいいです。」と清川さんに言われて
「どうしよう、自撮りだったら。」とふざける吾郎。
「今、その絵が浮かんだんですけど。」と外山さんに突っ込まれ
「それはそれでいいじゃん!ダメじゃないでしょ。」と開き直る吾郎も可愛いです(笑)。
そこへAD山田くんが登場、いつもより早めの消しゴムはんこ披露になりました。

そして…
「収録から4週間が立ちました。清川あさみさんと吾郎さんのコラボ作品が完成しました!」と誇らしげに言う外山さん。「楽しみ!」と吾郎。
「吾郎が今一番美しいと思うものの写真」というお題で吾郎が撮ったのは、夕方の空の写真でした。
「ただの空なんですけど、ヒロくんと長野県に行った時に元々ゴルフ場があった場所から見た夕焼けです。」(吾郎)果たしてこの写真がどんな作品に生まれ変わるのでしょうか?
制作途中の清川さんのスタジオにスタッフがお邪魔すると、清川さんは吾郎の写真をカラーコピーしたものに一心不乱に刺繍を施しているところでした。
「最初に吾郎さんの写真を見た時、イメージ通りでした。吾郎さんは『自分がキレイだと思うものにはすべて光が当たってる』って。『光は影があるから美しく光るのでは』という話をされてたんですよ。その光と影をこの作品に出そうかな、と。」(清川さん)
そしてこの作品のコンセプトは
「影があるから光がある。まさに吾郎さんだな、と。だから吾郎さんの自画像です。」

「やっぱりテーマは光と影なんだな。僕の好きなものにはすべて光が必要だって。」とそういう吾郎も「自画像って…?」と首をひねっています。果たしてどんな作品になったのでしょうか。
「ではあのお写真がどんな作品になったのでしょうか?こちらです!」と外山さんがイーゼルにかけられた赤い布を外してお披露目!…のはずが、布の端がイーゼルに引っかかってしまい、NG。「何考えてるの!」と吾郎に叱られました。
さて気を取り直してもう一度お披露目。布を外して現れたのは…
「うわー!」吾郎も外山さんも歓声を上げました。
「キラキラしてる!清川さん凄い!」
夕空は刺繍が施されて更に陰影が増し、蝶や葉っぱなどのシルエットが浮き出ています。そして
「ああ!あ!顔がある!!」と吾郎が叫びました。画面右側に吾郎の横顔が刺繍されています。
「こういう気持ちで見ていた僕の表情だし。まあ、横にヒロくんがいたんですけどね。」(吾郎)
「はいはいはい」(もはや外山さんはヒロくんの話題に全く驚きません)
「この空を見た時に僕はこんな気持ちになってました。清川さんとすごく共鳴し合ってる感じがして嬉しいです。」と吾郎は大満足。
清川さん、本当に有難うございました。


のんびりと書いていたら、今年最後のゴロデラが後1時間ほどで始まります。瀬戸内寂聴さんがゲストなので楽しみです。


拍手ありがとうございます
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