恒例の芥川賞・直木賞作家合評会 (「ゴロウ・デラックス」2/26)

この企画が恒例になったのは、作家さんや出版社の方の間でこの「ゴロウ・デラックス」という番組が信頼されている証拠ですよね。
有難い事です。

今回のゲストは第154回芥川賞受賞の滝口悠生さん、本谷有希子さん、直木賞受賞の青山文平さんです。
先ずはこれも番組恒例、花束贈呈は吾郎から。
「今の心境は?」との吾郎の質問に「段々元の日常に戻りつつある」(滝口さん)「頭にあるのは次の作品」(青山さん)とマイペースなお二人に対し本谷さんは「慌ただしくて取ったのか取らなかったのか分からない。」とちょっと戸惑った表情です。そこへすかさず「取ったんですよ♡」とタイミングよく突っ込む吾郎。盛り上げ方を心得てます。

お三方が一堂に会してちゃんとお話するのは初めてだそうです。先ずは受賞の時の話。
「滝口さんが取ると思っていた」という本谷さんは自宅で赤ちゃんと過ごしていました。その滝口さんは
「お蕎麦屋さんでちょっと飲みながら。」「(記者会見の時)ちょっと酔ってませんでした?」吾郎が素早く指摘しました(笑)。
一方「候補になった時が嬉しかった。初めて認められたという事だから。」と言ったのは青山さん。10年間活動休止した後執筆活動を再開し、史上2番目の最高齢で直木賞を受賞した方だけに受け止め方も独特の様です。
「候補になったと編集者の方に伝えたら『でも本谷さん、今回絶対取れないから』と言われたんです。やけに断言するので『本谷は絶対取れない』という裏情報が回っているのかと思って油断してました。…で受賞してからなぜあんな事を言ったのかと聞いたら『(受賞を逃して)傷つくのが怖かったから』って。」(本谷さん)
「自分の気持ちですか?!」と吾郎が突っ込むと滝口さんから意外な話が飛び出しました。
「実は先日、正にその方とお話したんですが、それによると、『候補になった』という本谷さんからの連絡が遅かったので怒っていたと。しかもその時頼んでいた仕事を本谷さんがまだやってくれていなかったから、怒っていたそうです。」
「意地悪だったんだ!」(本谷さん)
「滝口さん、それ言っちゃっていいんですか?(本谷さんに)その辺のわだかまりは大丈夫ですか?」と心配する吾郎に
「人間らしい」と大人の余裕を見せる青山さん。
こんな裏話が聞けるなんて、本当に贅沢な番組ですよね、ゴロウ・デラックスは♪

課題図書 : 「異類婚姻譚」 本谷有希子 (第154回芥川賞受賞作)
     「死んでいない者」 滝口悠生 (第154回芥川賞受賞作)
     「つまをめとらば」 青山文平 (第154回直木賞受賞作)

「異類婚姻譚」からまず、外山さんが朗読しました。道に痰を吐いた夫が女性に怒られ、主人公(妻)が自分のハンカチでそれを拭った後のシーン。手の中のハンカチの夫の痰が自分のもののように感じられ夫の顔つきが変わって見える、という不思議なシーンです。
「営巣化するとどんな感じになるんだろう。」と吾郎が言う通り、妙にザワッとした感触のある文章です。
この小説を書いたきっかけは
「私の知人がパソコンの顔認証システムで私の夫のアルバムを作ったら、その中に私の写真も何枚か入っていて。似ているとパソコンが判断したんですね。しかも夫に似ている茂みの写真まで入っていて、それが本当に似ていたんです。そこで夫婦の顔が似てくるという話、更に夫が人間ならざる者になっていくという話を書こうと。自分の顔が誰かに似ていくって薄気味悪いじゃないですか。」(本谷さん)
滝口さんは感想を聞かれて「一番面白かったのは、夫が段々仕事に行かなくなって不穏な空気になっていくんですが、突然大量の揚げ物を揚げる所です。あれ、どうして揚げ物だったんですか?」
「揚げ物は美味しいけれど食べた後もたれるじゃないですか。美味しいけど毒、みたいなイメージが私にはあって。」(本谷さん)
本谷さんがご自分の劇団でこの作品を舞台化したら(或は映像化したら)どんなふうになるか興味があります。

続いて「死んでいない者」から吾郎が冒頭の葬儀シーンを朗読。次から次へと色々な人物が登場します。
実はこの小説には登場人物が30人もいます。その相関図を外山さんが見せましたが、あまりに多くて関係がよく分かりません(笑)。
「今までで一番長いものを書くのが今回の目標でした。で、人物を増やせば長くなるだろう、と(笑)」(滝口さん)
「青山さん、これを読まれてどうでしたか?」(吾郎)
「パッと浮かんだのは聖書ですよ。(え?と滝口さん)聖書ってどこから読んでもいい。で、必ず今の自分に帰れる言葉がある。だから聖書みたいなものですね。」(青山さん)

最後に「つまをめとらば」から吾郎が朗読。江戸時代を舞台にした二人のサムライの物語です。朗読したシーンは主人公の幼馴染が昔の恋人(武家屋敷の下女だった女)と再会し味噌の行商をして逞しく生きている姿を見て、今付き合っている商人の女と一緒になる決意をするシーンです。男二人のとりとめのない会話の最後に「俺は女に頼る事にする」「やっぱり女に死に水を取ってもらう」という印象的な言葉が出てきます。
「今と全く同じ感覚ですね。男として分かる。」(吾郎)
「現代と同じ感覚で書くために時代を選んでいる。だから幕末にはならないですね。18世紀後半から19世紀前半は今と似ていて、正解がなくてもがいている時代です。そこを舞台にしています。」(青山さん)
「資料はどうやって?」(滝口さん)
「一番いいのは日記ですね。」(青山さん)
「普通の、市井の人の日記が残っているんですか?」(滝口さん)
「はい。例えば文化はバブルの時代で、天保はだんだん厳しくなりお金も使えなくなってくる時代。すると天保の時代の女の人の日記を読むと『文化の人はいいわよね、贅沢を知ってる』と書いている。今と全く同じですよ。」(青山さん)
ここで本谷さんが感想を聞かれ「生きていくとどうしても図太く強くなるけど、それを一抹の寂しさとしてガッカリと描いていないのが嬉しいですね。それでも『女に頼る事にする』って。」と言うと
「違いがあるからこそ人が生きている、という事なので、そこをくみ取って頂けると嬉しいです。」と青山さんは嬉しそうな顔をしました。
「青山さんもこの本もフェミニストですよね。」と吾郎から吾郎らしい感想が出ました。

最後はAD山田くんの消しゴムはんこを皆さんに喜んで頂いて終わりました。

30分の限られた時間の中に3人の作家さんのお話が過不足なく盛り込まれているのは編集スタッフの尽力の賜物だと思います。
そして吾郎がなるべく的確な短い言葉で自分の感想を言い、後はゲストさんの話を引き出す事に徹している姿はプロフェッショナルだと思いました。
次回の芥川賞・直木賞発表の時も期待しています。


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はちミツ

Author:はちミツ
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稲垣吾郎さん大好き、5スマ大好き!の主婦。
吾郎ファン歴は24年目になります。
神奈川県在住。

近況
①毎週水曜日は「an・an」の「稲垣吾郎のシネマ・ナビ」をチェック!。
②吾郎出演映画「少女」は2016年10月8日公開♪
③吾郎出演ドラマ「不機嫌な果実」のDVD、Blu-RayBOXは2016年10月19日発売♪
④「ゴロウ・デラックス」(TBS)もお見逃しなく!


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