SMAP稲垣吾郎さん大好きな主婦の日記 【無断転載禁止】

「No.9-不滅の旋律-」 感想 (ネタバレあり)

観てきました、「No.9-不滅の旋律-」.。会ってきました、ルートヴィヒ吾郎に。
13日(火)と20日(火)のそれぞれマチネを観ました。
まだまだ公演は続くのでもっともっと素晴らしくなっていくでしょうが、私が観た時点で既に「すごい舞台だ」と思いました。
特に吾郎にとってこの作品は舞台の代表作になりそうな予感がします。それ位吾郎はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンになりきっていました。ベートーヴェンが吾郎に降りてきたと言っても良いかも知れません。
ベートーヴェンは自分の芸術に絶対的な自信を持ち一切の妥協を許さない為弟達やメイドなど周囲の人間を振り回しますが、父親から受けた強圧的な教育(というか虐待)の記憶に苦しみ、段々悪化する耳鳴りと難聴におびえます。それらの葛藤を乗り越えてついに「第九」を完成させます。周囲には傲慢な人間に見えますが実は一人で苦しむベートーヴェン像を吾郎が鮮やかに形にしています。
吾郎がベートーヴェンと一体化し、観客が舞台の上のベートーヴェン(吾郎)と一体化し、皆の魂がラストで昇華していく。それを体感できるお芝居です。音楽には魂を浄化する力がある、というとカルトっぽく聞こえますが、芝居が終わり劇場を出る時本当にそう感じられました。

東京公演が好評と絶賛の内に終わり、いよいよ大阪、北九州公演が始まります。舞台も客席も益々盛り上がっていくことでしょう。

というわけで以下、ネタバレを含む感想です。(但し細かい所はあまり覚えていません)
幕が開いて最初に目を奪われるのは黒ずくめの衣装を纏ったベートーヴェン吾郎のスラリとした佇まいです。屈んでピアノに耳をつけていても脚の長さと細さははっきり分かります。黒いマントを翻す姿も美しいですが、ベスト姿で腰掛ける姿はもっと美しい。美脚が強調されます。眼福です。
ベートーヴェンは感情の起伏が激しいので、喚いたり暴れまわったりする場面も多く、吾郎の激しい動きに驚きました。よくあれだけ動き回れるなぁ、と。第2幕では部屋中に散らかった五線紙をまき散らし、椅子とテーブルをひっくり返し、床を転げまわって呻くのですが、その迫力に息を飲みました。
そしてどれだけ動き回っても吾郎の声は低く艶があって聞き取りやすい。長年の舞台経験が生きているのですね。
高岡早紀さん演じるヨセフィーヌとのラブシーンは美しく、しかも抱擁が長いので、ウットリします。吾郎にとっては久々のラブシーンですね。これも見どころの一つです。高岡さんが「ルイス」と呼ぶ声が甘くて、とろけるようです。

でも一番の見どころはだんだんひどくなる難聴に悩まされながら「第九」を完成させる姿です。
この舞台で描かれるのはフランス革命後のウィーン。民衆の英雄として登場したナポレオンが皇帝に就任し、その後ナポレオンの敗北と共に貴族が息を吹き返そうとしていた反動的な時代でした。そんな中ベートーヴェンは「政権は変わるが芸術は変わらない。」と言い切り、自分の音楽の完成に全力を尽くします。
そんな彼を支えたのは、腕の良いピアノ職人のナネッテとその妹のマリアです。冒頭の場面でベートーヴェンとナネッテがピアノについて議論するのですが、ピアノの技術革新の様子が分かって面白かったです。ナネッテはベートーヴェンの傲慢な態度にも全く動じません。それどころか、自分の意見を堂々と言い、ベートーヴェンと対等に渡り合う。ピアノ作りに誇りを持っている女性です。こうやってピアノ職人と音楽家とが協力して新しいピアノを作ったのですね。ナネッテ役のマイコさんは男性的で毅然とした雰囲気をよく出しています。
マリアはベートーヴェンの失礼な態度に怒りながらもその音楽の素晴らしさは分かっていた。そしてベートーヴェンの耳が悪いのではないかと疑い、メイドとしてベートーヴェン家に入り込みます。マリアも姉のナネッテ同様、全く臆せずベートーヴェンに接します。マリア役の大島優子さんは今回初舞台ですが、堂々と演じています。勝気な感じがしっかりと伝わってきます。
ベートーヴェンの二人の弟は献身的に兄に尽くしますが、やがて兄の元を離れ疎遠になってしまいます。この二人の弟(JONTEさん、加藤和樹さん)も良いですね。常識人で、兄を慕っていて、でも兄の身勝手さに疲れてしまう。その気持ち分かります。
ベートーヴェン家には、ベートーヴェンの音楽に惚れ込んだと言って楽譜の大量販売の話を持ちかけるヴィクトルや、オペラを書いてくれと依頼する発明家メルツェル(彼の発明品のメトロノームと補聴器に過剰に反応するベートーヴェンが面白い)、そして小さな揉め事を収めては袖の下を要求する警官フリッツなど、色々な人が出入りします。いかにも胡散臭いこれらの人々が物語の中で活き活きと描かれているのがまた良いのです。ヴィクトルはベートーヴェンからお金をだまし取ってしまうのですが、なぜか憎めない。最後のオチにも納得です。

物語の後半では弟の結婚に反対して仲たがいしてしまったベートーヴェンの孤独が描かれます。その姿を見たマリアは「人間としては最低でも音楽は天才。それが自滅するのは許せない。」とベートーヴェンの代理人(今でいうマネージャーでしょうか)になり、彼の音楽を支えていきます。
マリアは私生活の面でもベートーヴェンを支えます。別れた筈のヨセフィーヌからお金を無心されていた事を知り、彼女にお金を渡しに行くシーンは緊迫感がありました。マリアはベートーヴェンに恋愛感情は持っていませんが、ヨセフィーヌの気持ちを分かりながらもベートーヴェンの立場を守ろうとする強さが伝わってきました。

父親から無茶な音楽教育を強要された(教育ではなく実は虐待)ベートーヴェンはしばしば父親の陰に怯えます。(父親役の田山涼成さんは子役の山崎君を突き飛ばしたり追いかけまわしてぶったりとこれまた暴れまわります。)そして甥カールに異様に執着し、嫌がるのも無視して音楽を強要します。その度を越した過干渉ぶりは今で言う「毒親」かも知れません。終盤、ベートーヴェンの毒親ぶりはさらに激しくなりついにカールは自殺を図ります(未遂)。自分のカールへの期待が単なる妄想だったと分かった時自分の頭の中の音楽が消え、絶望するベートーヴェン。マリアはそんなベートーヴェンをしっかり支え、決して一人ではない事、ベートーヴェンが素晴らしい事を伝えます。
このクライマックスシーンが素晴らしいです。吾郎の錯乱と絶望の演技、そこから再び立ち上がる決意の表情。観ていて引き付けられ共感しました。そしてラストの第九の指揮へと自然に移っていきます。そこに稲垣吾郎はいません。舞台に立っているのはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンその人です。
カーテンコールで客席から手拍子が起きるのもごく自然なことだと思います。

この作品ではベートーヴェン、彼の音楽、ともう一つウィーンの民衆が主人公だと感じたのですが、昨日のスマスマでビストロゲストの葉加瀬太郎さんが「ベートーヴェンは市民の為に曲を書いた」と仰ったので、やっぱりと思いました。
舞台を暗転させる代わりに群衆を登場させ、沢山の人が歩きまわっている間にセットを動かし転換するやり方は面白く、また当時の民衆のパワーを感じさせました。
今回の舞台は上手に一台、下手に二台のピアノが置かれ生演奏するのですが(贅沢♪)、酒場のシーンでは客役の役者さんがグラスを持ってピアノのところに来て、ピアニストの方と乾杯したりおしゃべりしたりと芝居の中に自然に溶け込んでいたのが楽しかったです。

そして私が一番感動したのは一幕最後の酒場のシーン。「第九」が初めて歌われるのですが、コーラスのパワーに圧倒されました。そしてその真ん中で誇らしげに指揮棒を振るベートーヴェンが本当に神々しかったです。
私は音楽には素人ですが、この場面の歌について印象を少し。
13日マチネでは、楽譜を渡されたフランス兵が2つ目と3つ目の音をやや切り気味に、ちょっとおっかなびっくりという感じで歌い始めてそれが良かったと思いました。それまではベートーヴェンが五線紙に書いた音譜だったものが人の声で歌われて初めて本当の「歌」になる。歌が生まれる瞬間に立ち会えたようで感動しました。
20日マチネではそれに比べると普通に朗々と歌い上げていたようですが、日によって歌い方を変えているのでしょうか?
これから観に行かれる方はこんな所に注意して聴いてみるのもいかがでしょうか。

ベートーヴェンが指揮をするのはこのシーンとラストシーンの2回。特にラストシーンの指揮には魂を揺さぶられます。
観て1週間経った今でも頭の中に「第九」が流れ、指揮棒を振るベートーヴェン吾郎の姿が浮かびます。

観に行って本当に良かったです。この舞台を観られる皆さんは幸運な方だと思います。まだチケットが若干あるようですから、是非ご覧になって下さい。


気が付いたら思いがけず長文になってしまいました。読んで下さって有難うございました。


拍手ありがとうございます



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コメント
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2015/10/27(火) 14:09 | | #[ 編集]
Re: タイトルなし
Nさん
おはようございます。レスが遅れて失礼しました。
観てからずいぶん経つのにまだ自分の中にルートヴィヒ吾郎がいるようで、書いているうちに思いがけず長文になってしまいました。これからご覧になるそうですがこんなにネタバレして良かったのでしょうか?
吾郎ファンに限らず多くの人に観て欲しい素晴らしい舞台です。これからもっと進化すると思うので、北九州の大千秋楽を思い切り楽しんできて下さい。
いつもこちらに来て下さっているそうで有難うございます。またお気軽にコメント下さいね。
2015/10/30(金) 08:41 | URL | はちミツ #-[ 編集]
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はちミツ

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稲垣吾郎さん大好き、5スマ大好き!の主婦。
吾郎ファン歴は24年目になります。
神奈川県在住。

近況
①毎週水曜日は「an・an」の「稲垣吾郎のシネマ・ナビ」をチェック!。
②吾郎出演映画「少女」は2016年10月8日公開♪
③吾郎出演ドラマ「不機嫌な果実」のDVD、Blu-RayBOXは2016年10月19日発売♪
④「ゴロウ・デラックス」(TBS)もお見逃しなく!


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