「われは知る、テロリストの かなしき心を」

久しぶりにSMAPと関係のない話題について書きます。

この記事のタイトルを見て驚いた方がいらしたらすみません。これは石川啄木の「ココアのひと匙」という詩の冒頭の一行です。
最近2本の映画をレンタルで見て、この詩を思い出しました。

沢田研二主演 「太陽を盗んだ男」 (1979年)
高倉健主演 「新幹線大爆破」 (1975年)

2本ともテロリストを主人公にした映画です。
70年代の日本を舞台にしながら21世紀の今にも通じる何かを持った作品だと思います。

「太陽を盗んだ男」は平凡な中学の理科教師が東海村の原発からプルトニウムを盗んで原爆を作り、日本政府を脅迫する話。しかし自分が何をしたいのか分からないため「巨人戦のナイターを試合終了まで中継しろ」とか「ローリングストーンズの日本公演を実現させろ」(メンバーの大麻所持歴を理由に当時の日本政府は入国を許可しなかった)とか、支離滅裂な要求を出し、結果的に政府と警察は翻弄されてしまいます。
主人公を追う警視庁の刑事役を先日亡くなった菅原文太さんが演じています。クライマックスシーンでの二人の死闘は圧巻ですが、(ありえないだろー!)という位荒唐無稽な展開になっていきます。
刑事は主人公の理科教師が自分自身を殺したいと思っている事を見抜きます。最近言われる「社会的自殺」の為に原爆を作ったのです。そして、最後は理不尽かつ謎めいたシーンで終わります。
「新幹線大爆破」は東京から博多に向かう新幹線ひかり号に「時速80km以下になると爆発する」爆弾が仕掛けられるという話です。(こう書くとキアヌ・リーヴス主演の「スピード」(1994年)を思い浮かべる方も多いと思いますがそれより20年近く前の作品です。)高倉健さんが主犯役でなぜ犯行に及んだかという背景も描かれていますが、「止まれなくなった新幹線ひかり号から1500人の乗客をどうやって救出するか」により力点が置かれています。
この乗客救出劇が手に汗を握るスリリングなもので、素晴らしい娯楽映画になっています。思わぬハプニングが連続して起こり救出計画はなかなかうまくいきません。運行指令長(宇津井健さん)とひかり号運転士(千葉真一さん)との緊迫したやり取り、パニックに陥る乗客たち、仲間が次々と死んでいく中淡々と計画を実行していく犯人…(とにかく健さんが渋い)。一時たりとも画面から目が離せません。上映時間が約2時間半と長い作品ですが、あっという間に終わる感じです。

70年代のファッションや街の風景などは今とまるで違いますが、そこに描かれている人間の姿は今の私たちに近いものがありそうです(今の若者に理解できないシーンもあるかも知れませんが)。
娯楽作品として面白いのは「新幹線大爆破」ですが、私が好きなのは「太陽を盗んだ男」です。でも「新幹線大爆破」は日本よりも海外でヒットしたそうですから、見て絶対損はしないと思います。

何より、どちらの映画も公開されて40年くらいたっても色褪せないところが素晴らしいです。
お勧めです。


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