見えないものを見ようとする眼 (「ゴロウ・デラックス」 7/27)

私は怖いものが苦手なので、今回の課題図書のタイトルを最初に聞いた時は(どうしよう)と思いました。でも実際は大変真面目で色々な事を考えさせられる本でした。

課題図書:「オカルト」森達也

お名前を聞いた時ちょっと驚きました。というのは、森さんはこの日の「クローズアップ現代」(NHK総合)にゲストとして出演して、原発再稼働反対の官邸前デモについてコメントしていらしたからです。一日の内に2回、しかも全く違うテーマについてお話するのはなかなかできないと思いました。

森さんはドキュメンタリー作家として、また映画監督として数々の問題作を世に送り出して来た方です。オウム真理教を取材した映画「A」の名前は私も聞いています。「放送禁止歌」という映画では差別の問題を扱いましたが、森さんによれば「『放送禁止』というのは実は放送『禁止』ではなく『取扱注意』なんです。取扱を間違えなければ問題ないんです。」そう言う森さんは信じるでも信じないでもないいわば中立的な立場で長年にわたり霊能力者や超能力者と呼ばれる人たちと付き合い取材してきました。
まず70年代にスプーン曲げ少年として話題になった清田益章さん。清田さんの印象についての箇所を吾郎が朗読しました。清田さんが知らない人3人に突然会って照れる様子を森さんは細やかに観察しています。清田さんは昔テレビでスプーンを曲げた時トリックを使ったとテレビ局制作者にばらされバッシングを受けたそうですが、森さんによれば、番組的にはどうしても曲げなければならないので体調などが原因で曲がらなかった時にトリックを使った事があるのだそうです。(「それでもトリックを使うべきではなかったと僕は思います」と森さんは補足しました。)
番組スタッフは清田さんを訪ねましたが、ごく普通の感じの方です。「テレビではもうスプーン曲げはやらない」と言う清田さんを説得してカメラの前で挑戦してもらうことになりました。
それから透視等を行う霊能力者としてテレビに登場した秋山眞人さん。宇宙人に何回も会いUFOにも何度も乗ったという話に吾郎が思わず「あら!」と反応しました。番組スタッフは秋山さんにも取材。秋山さんは自分が霊能力者である事に悩んだ時期もありましたが、今は自分の能力を生かした活動をしているそうです。
この他恐山のイタコ(これとの関連で沖縄のユタも)、毎日同じ時刻に勝手に開く自動ドアなどが紹介されましたが、森さんによれば「オカルト現象」と呼ばれるものは、カメラや測定機材などを持ち込んで検証しようとすると、起こらないのだそうです。
そこで小島さんが朗読。オカルトに対する森さんの考え方を書いた箇所です。
森さんは見えない・分からないものを排除して見える・分かるものだけで世界を判断する事に不安を感じているそうです。そして「分かりやすさ」だけを求めて、分かりにくいものを排除するマスコミの在り方を批判します。
森さんはマスコミが取り上げない問題に目を向けようとします。その対象がオカルトやオウム真理教なのだと思います。

つまりおそらく、私達が思っている以上に
世界は分かりにくいもの
なのでしょう。
分かりやすさだけを求めると大事なものを見落としてしまうかもしれません。何が分かっていて何が分からないのかを見極めなければならないのでしょう。そして本当に分かっているのかも確かめなければいけないのでしょうね。

最後に清田さんのスプーン曲げの結果は…今回は曲がりませんでした。清田さんは「曲がる時はとっくに曲がっているんですけどね。まあ、自分のノリもあるし、今日はその時ではなかったんでしょう。だから自分では失敗とは思っていない。」とおっしゃいました。それを何の注釈も加えず放送したゴロデラのスタッフには見識があると思います。


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