FC2ブログ

「犬は吠える、がキャラヴァンは進む」新しい地図を描きながら (「ゴロウ・デラックス」 3/29)

オープニング。
「今夜は322人目のゲストです。しかも(バラエティ番組)初出演。」(外山さん)
「実在する方なんですね。」(吾郎)「そうですよ!」(外山さん)
二人とも興奮しています。
出演者もスタッフも熱望していたゲストさんは・・・

沢木耕太郎さん、71歳。すらりと長身で、黒のトータルネックがよく似合います。
「深夜特急」は600面部を超えるベストセラーとなり、数々の賞も受賞されているノンフィクション作家です。
滅多にテレビに出ない方が今回出演してくださったのは、なぜ?
「単純に言えば気まぐれなんだけど、分の悪い戦いをしてる人にはちょっと加勢したくなる感じもないことはなくて。しかし、今あなたがしているのはそんな分の悪い戦いでもないでしょ?」沢木さんは早速吾郎に質問しました。
「そうですね。あまりそんな客観的には自分のことを観ていなくて。実際はすごく充実してますし、何よりも幸せいっぱいなので。」(吾郎)
「今やってる映画(「半世界」)で・・・」沢木さんが言いかけた途端吾郎の背筋がピンと伸びました。
「タイトルが出た後あなたの後ろを振り向く顔から始まるでしょ?あれが大人の顔になってて。良い顔してるじゃん、と思って。」(沢木さん)
「あ、ありがとうございます。そう言う意味では自分の再スタートですね。」(吾郎)
「傑作ではないけれどいいじゃん、って思いましたよ。」(沢木さん)
「ありがとうございます。監督もすごく喜ばれると思います。」(←阪本監督観てますかー?)
この番組の出演を受けて下さっただけでなく吾郎の映画まで観て下さって、沢木さん本当にありがとうございます!

課題図書 : 「銀河を渡る 全エッセイ」 沢木耕太郎 (新潮社)

沢木さん25年分の全てのエッセイを纏めた本です。25年前というと「深夜特急」の最後の巻を書き終えた直後くらいだそうで、
「だからそれまでの僕を第一期とすれば、これは第二期の僕のエッセイを纏めた本なわけ。だけど25年前って何やってた?」
と沢木さんはまた吾郎に質問を向けました。
「ちょうど、だから・・・」(吾郎)「二十歳ぐらいか?」(沢木さん)
「はい、二十歳ぐらいでちょうどデビューの頃。」(吾郎)
「おお、そうか。」(沢木さん)
「はい、もう2年前に解散したんですけど。そうです、ちょうどデビュー当時です。」(吾郎)
「それから25年間。膨大な時間?それともあっという間?」
吾郎は「うーん・・・」と首をひねって考え込みました。
「長いようで短いようで・・・」
「・・・としか言えないよな。」
沢木さんの質問はテンポ良く流れる様で見事としか言い様がありません。ゲストというより取材中のノンフィクション作家です。
と、ここでノンフィクションの真髄に触れた部分を外山さんが朗読。
ノンフィクションを書くに際して一番大事なのは「私」だ、と沢木さんは書いています。その「私」が現場に向かうことによってノンフィクションは成立するが、「私」を現場に赴かせるのは「好奇心」である。しかしジャーナリズムを成立させるためには「好奇心」にある「角度」が必要なのだ。その角度こそが書く人の個性でありその人の書くノンフィクション作品の個性になる。
「仮に私が稲垣さんのことを書こうとして、1回今日会ったから書こうって気にはならない。今日1回会って話すと1本の線が出来る。それが数年後に何かの拍子でもう1本の線が出来て、交点が1個出来ないと書こうとか取材しようとかってエネルギーにはならない。それで、稲垣吾郎のことを書きたいと思って、交点が出来たときに『あなたのことを理解したいから時間をくれませんか?』と言うと、相手にとっては結構な事件なんです。インタビューを山ほど受けていても『あなたのことを理解したい』と言う人が目の前に現れる事は人生で滅多にない。そう言われると一瞬ひるむと思う。ひるんだ後に「わかった」と心を開き応じてくれれば、それは圧倒的に深いものになっていく。」(沢木さん)
「確かに『あなたのことを理解したい』なんて言われたことはないですね。僕もない。」(吾郎)
「本当にあなたのことを理解したい」気持ちをきちんと伝えると相手は心を開いてくれる。これは取材に限りませんね。
「1本目の線はすぐ出来るんですよね。でも2本目の線は・・・。」(吾郎)
だから取材もそんなにしょっちゅうは出来ない、と沢木さん。2本目の線が出来たときに動き始めるのだそうです。

沢木さんはそうやってたくさんの有名人の心を開いてきました。
まずは高倉健さん。課題図書にも30ページに及ぶ追悼文が載せられていますがその出会いは・・・
「僕がモハメド・アリの試合をずっと観ていたんだけど、最後のタイトルマッチに行こうかどうしようか迷っている間にチケットが売れてしまった。でロサンゼルスにいる友人に『何とかならないか』と電話して『もうない』と言われたんだけど、一日経って『1枚だけ手に入った』と連絡が来たんです。実は高倉健さんのために1枚取っておいたんだけど、高倉さんに話したら『俺が観るより沢木さんが観た方が良いんじゃないか。譲ってあげてくれ。』と言われたからもらっていいんじゃないか、と。それで観に行って、試合はモハメド・アリが滅多打ちにあって負けたんですけど、ホテルに帰って廊下を歩いているとパシャパシャとタイプライターで原稿を書く音があちこちから聞えてきて。僕は仕事じゃなくただ観に行っただけだったんだけど、本当なら高倉さんが観るはずの試合だったんだ、と思って。高倉さんのために試合のレポートを書こうと、長い手紙を書いたんです。そしてそれを送ったら高倉さんから『ありがとう』と返事が来て、そこから始まったんです。」
次は美空ひばりさん。沢木さんが司会をしていたラジオ番組に美空さんがゲスト出演した時のエピソードです。
「番宣か何かで写真を撮る必要があって、僕jと美空さんを撮り始めたカメラマンが『ちょっとすみません、一歩後ろに・・・』と言ったら美空さんが『この人変なこと言うわね、自分が前来るか下がれば良いじゃないね。私たちに下がれとか、不思議な人ね。』って・・・。流石に君たちだって言わないだろう?」(沢木さん)
「言わないですね(笑)。でも半分冗談のつもりもあったんでしょうね。」(吾郎)
「まあそれもあるかも知れないけど、美空さんは真面目だから。君たちSMAPは圧倒的な存在感だけど写真を撮られるときに『そっちが動けよ』なんて言ったことない?」(沢木さん)
「まあ、ないですね。グループだからその時皆気分も違うし、それが冗談として通じない時もあるから。僕はおとなしくしてましたけど。」(吾郎)「あ、そう」(沢木さん)
「独特な緊張感があったので、グループっていうのは。」(吾郎)
「それ面白いね。あなたは よく 緊張感、って 言ってる けど、僕はグループとしての緩やかな安定感があるだろうと思うんだけど。君は緊張感って言いますね。」(沢木さん)
「あ、そうです、それは常に思っていたことなので。なんだろう、この緊張感・・・。」(吾郎)
「その方向性は4方向へ行ってるの?それとも誰か一人とか二人に行ってるの?」(沢木さん)
「いや、そのグループにいるって事自体が。そこにいさせてもらってるというか、僕はよく言ってたんですけど、大企業に勤めている感じで。」(吾郎)
「なるほど。でもそれはあなた独特の感覚?」(沢木さん)
「僕独特だと思います。自分の一部だと思ってた人もいると思うし・・・。そうですね僕独特の感覚だったし・・・年上もいたし下もいたし・・・。」(吾郎)
「真ん中だよね。」(沢木さん)
「そう、僕自分で中間管理職って言ってたんですけど、自分の置かれた立場とか求められるキャラクターとか、ポジションというものが・・・すごい緊張感があったんです。」(吾郎)
沢木さんのテンポ良い質問に真面目に答えた吾郎でしたが
「僕がゲストみたいになっちゃってますね。」
と気がつきました。
「そういつの間にか。ハーって思った、こういう事なのか、って。」(外山さん)
「気持ちよく喋っちゃった。すごいね、インタビューするところ初めて見ちゃった。」(吾郎)
二人の会話を聞きながら、沢木さんは「ふふふ」とちょっといたずらっぽく笑いました。

続いて代表作「深夜特急」について。沢木さん26歳の時インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで旅した記録は、ノンフィクションの金字塔としてまた旅行者のバイブルとしてあまりにも有名です。
その「深夜特急」から出発前夜の様子の部分を吾郎が朗読。
インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで行けるか、について沢木さんの友人たちの予想は9:1で「否」でした。そこで賭けをしたのです。

一口千円、前払い、行けなかったら倍にして返すという約束だった。
私は彼らから金を受け取る際、こううそぶいたものだった。
「三ヵ月か四ヵ月後には、ロンドンの中央郵便局から
《ワレ成功セリ》
って電報打つから楽しみに待ってろよ」

最初に旅に出る時本を書くつもりはなかった、と沢木さん。
「アウトプットではなくインプットをしたかった。でも1年くらい経って色々な経験をする中で『これは書けるな、書きたいな』という気持ちになってきて、旅の最後には書こうと思ったけど、書けなかった、何年も何年も。」
「でも書き留めてはいたんですよね?」(吾郎)
「じゃなくてね、手紙を書いていたんです。百通ぐらい、長い手紙を。それと日にちと行程と、かかった費用、金銭出納帳と手紙があったので書けたんです。」(沢木さん)
「でも何年かは書けなかった・・・」(吾郎)「7、8年」(沢木さん)
「整理がつかなかったのかな?」(吾郎)
「不思議なのはね、僕にとっては『深夜特急』を書いたときに、その旅が自分の中から消えていった。書かない間の7、8年はその旅がずっと存在してて、ある種の重さがあった。だけどこれで整理しちゃったのですうっと体から消えていった。だからどっちがいいか分からない。」(沢木さん)
「この歳になってから深夜特急みたいなことを始めても大丈夫ですかね?」(吾郎)
「あなたは今、新しい地図・・・になって、比較的自由なんでしょ?」(沢木さん)
「そうです。だから本当は行けるんですよ。新しい地図なんて言って地図持ってるはずなのに。ちょっと憧れますね。僕は若い頃こういう経験が出来なかったので。」(吾郎)
「旅で一番重要なことは何か、というと“人に聞くこと”なんですよ。旅先で人に聞く。分かってても聞く、むしろ。例えば僕が『駅にどうやって行くんですか?』って聞いているのを若いジャーナリスト達が見ていて『沢木さんは何でも人に聞いちゃうんですね』と言うけど、何でも人に聞く。」(沢木さん)
「そのへんの抵抗は・・・」(吾郎)
「全然ない。知らないんだから。で、聞く。場合によってはそこから何かが出てくる。」(沢木さん)
「ドラマが生まれるわけですね。」(吾郎)
「そう。尋ねて、耳を澄ませて、聞くんです。旅をするコツは何ですか?と聞かれたら“人に尋ねる”事なんです。」(沢木さん)
「そうか・・・これ聞きたい人多いよね。」(吾郎)
「人に聞く、人との出会いがすごかったじゃないですか、この本は。」今までずっと聞いていた外山さんが口を開きました。
「こうやってずっと君のことを見ていたら、面白いと思うよ、俺。」沢木さんは目を輝かせて吾郎を見ました。
「照れちゃいますね。」(←このくだりのBGMがピアノインストの「オレンジ」だったのでもう泣きそう・・・)

そしてAD山田くんがスケッチブックを持って登場。最後の消しゴムはんこ披露です。「最終回なので」ゲストの沢木さんと吾郎と外山さん3人の顔、そして左下隅にははんこを彫る山田くんの姿も。
「なんか4人家族みたいだよ。」(吾郎)「ほんとだ」(外山さん)「ありがとう!」(沢木さん)場がほのぼのしました。山田くんありがとう。
「またお話しさせて下さい」(吾郎)
「喜んで。頑張って下さい。」沢木さんは力強く言いました。最初から最後まで颯爽とした方でした。

しかし番組はここで終わりません。今までの課題図書322冊に囲まれて、吾郎が最後の朗読をしました。
「僕の大好きなフレーズがあるので、そこを朗読させていただきます。」
今回の課題図書「銀河を渡る」から、吾郎が今伝えたいこととは・・・。

あるとき、年長の作家にこんなことを訊ねられた。
「もし家に本があふれて困ってしまい処分せざるを得ないことになったとしたら、すでに読んでしまった本と、いつか読もうと思って買ったままになっている本と、どちらを残す?」
「当然、まだ読んだ事のない本だと思いますけど。」
すると、その作家は言った。
「それはまだ君が若いからだと思う。僕くらいになってくると、読んだことのない本は必要なくなってくるんだ」
歳をとるに従って、あの年長の作家の言っていたことがよくわかるようになってきた。
そうなのだ、大事なのは読んだことのない本ではなく、読んだ本なのだ、と。
先日も、書棚の前に立って本の背表紙を眺めているうちに、なんとなく抜き出して手に取っていたのは、トルーマン・カポーティの「犬は吠える」だった。
この「犬は吠える」において、私が一番気に入っているのは、中身より、そのタイトルかもしれない。
犬は吠える、がキャラヴァンは進む――――アラブの諺
誰でも犬の吠え声は気になる。
しかし、キャラヴァンは進むのだ。
いや、進まなくてはならないのだ。
恐ろしいのは、犬の吠え声ばかり気にしていると、前に進めなくなってしまうことだ。
犬は吠える、がキャラヴァンは進む・・・・・・。

読み終わった時吾郎は唇をきゅっと結びました。吾郎の強い意志が表れているようでした。

そして山田くんも入って、いよいよ最後のご挨拶です。
「8年間毎週毎週楽しみにしてくださった方がいっぱいいたので、終わってしまうのは勿論寂しいんですけど、これを続けられたことを本当に感謝してますし、何よりも見てくださった視聴者の方にはほんとに心から感謝してます」(吾郎)
「ゴロウ・デラックス、8年間ありがとうございました。」(外山さん)
「いつかまたどこかでお会いしましょう、さようなら!」(吾郎)
最後は3人が元気に手を振って終わりました。



こうして「ゴロウ・デラックス」は8年間の幕を閉じました。
吾郎、外山さん、山田くん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
思えば、スタッフが入念に課題図書を選び著者の方に取材し、吾郎と外山さんがしっかりと読み込み、収録では著者の方と誠実に対話することで成立してきた番組でした。番組を支え続けたスタッフの皆さんの熱意に改めて感謝します。
吾郎と外山さんが読者目線で著者と語るからこそ貴重なお話が聞けたし、芥川賞・直木賞受賞作からマニアックな趣味の本まで幅広い本を取り上げられたと思います。何より出版業界の皆さんの信頼を得られた事が一番誇らしかったです。
山田くんの消しゴムはんこの才能が開花したのも「ゴロウ・デラックス」の功績ですね。
「ゴロウ・デラックス」のお陰で今まで知らなかった作家や自分が手に取ったことのないジャンルの本を知ることが出来ました。8年間とても楽しかったです。
これだけの素晴らしい番組、また何かの形で(改編期の深夜の特番ででも良いので)復活していただきたいです。

旅は終わる、次の旅立ちのために。そして新たな旅路のどこかでまた会える日を信じて。


拍手ありがとうございます

スポンサーサイト



終わりました・・・

「ゴロウ・デラックス」が先ほど終わりました。
沢木耕太郎さんと吾郎との対話が胸にしみました。
今、ちょっとした虚脱状態です。

8年続いた番組が終わったという実感があまりありません。もしかしたらいつかひょっこり帰ってきそうな気がして。

泣きたい気分になっているのは、BGMでかかったインストの「オレンジ」のせいでしょうか・・・。
感想は録画を見直して後日上げます。

それではおやすみなさい。


拍手ありがとうございます

パラ駅伝2019

去年に引き続きパラ駅伝に行ってきました。
全国から集まった17チームと海外から参加したカンボジアチーム、そして特別参加の「チームよしもと」「チームi enjoy!」の計20チームが駒沢公園を駆け抜けました。

(注 : 写真をクリックすると大きくなります)
IMG_0306 (2) 第1走者の視覚障害者と伴走者の皆さん。
これはスタート直後なので集団になっていますがだんだんばらけてきて、周回遅れのチームも出てきます。それでも選手の皆さんはそれぞれが全力疾走。応援するのが楽しかったです。
IMG_0317 (2)  
そしてパラリンピックサポーターの吾郎、剛、慎吾はランナーの皆さんに精一杯の声援を送っていました。
IMG_0311 (2) (ピンボケですみません)
ところで今回、剛は「チームi enjoy!」の一員として走りました。その勇姿がこちらです。
IMG_0355 (2) 
スタートダッシュは良かったのですが、後半で疲れてしまって、競技場に戻ってきたときはかなり苦しそうでした。ゴール後のインタビューで「いつ疲れを感じましたか?」と訊かれ「競技場を出てすぐ」と正直に答えたのが剛らしかったです。
IMG_0360 (2) 剛と同じ区間を走ったカンボジアチームの猫ひろしさんは本当に速くて、カメラをズームにするとすぐフレームアウトしてしまうので、競技場に戻ってきた後ろ姿を捉えるのがやっとでした。躍動感あふれる走りは流石です。IMG_0370 (2) チームフラッグが並んで出迎える中、各チームが次々とゴール。1~3位のチームと各区間賞の選手の皆さんの表彰が終わった後は・・・
IMG_0376 (2) いよいよフィナーレ、慎吾、剛、吾郎の3人が登場!MCは吾郎で、ちょっとビックリするくらい声を張っていました。まさしく張り切りゴロー!
IMG_0377 (2)
IMG_0389 (2)IMG_0390 (2)IMG_0394 (2) 歌ったのは「SINGING」と「雨あがりのステップ」の2曲。去年ここで「雨あがり~」を初披露したときと同じく、彼らの歌声は元気よく青空に立ち上っていきました。
IMG_0396 (2) おまけの1枚。自担のお手振り
IMG_0393 (2) それからこちらも。フィールドを取り囲んでいるゼッケンをつけた皆さんは、ボランティアの方々です。皆さんのお陰で楽しく過ごせました。ありがとうございます。

来年はいよいよパラリンピックイヤー。是非また行きたいです。

そして今日、吾郎のブログが更新されパラ駅伝について語ってくれました。
→ 稲垣吾郎オフィシャルブログ 「雨上がりの青空」


拍手ありがとうございます

美少女イラストと白いワニ伝説 (「ゴロウ・デラックス」 3/15)

ゴロデラは今回を含めて残り2回になりました。
でも今回のスタジオには可愛い女の子のイラストが何枚か並べられ、華やかな雰囲気になっています。
「吾郎さん、可愛い女の子は好きですか?」(外山さん)
「もちろん好きですよ。ときめきますよね。」(吾郎)
可愛いイラストに囲まれて、今夜はゲストさんからどんなお話が聞けるのでしょうか。

江口寿史さん、62歳。美少女のイラストを描かせたらこの方の右に出る物はいないと定評のあるギャグ漫画家です。代表作は1981年「週刊少年ジャンプ」に連載されていた「ストップ!!ひばりくん!」。キュートでセクシーなキャラクターが大人気となりましたが、当時の連載漫画ではタブーとされていた休載を連発。すると徐々にイラストの依頼が増え、現在では雑誌の表紙やポスター、CDジャケットなどを手がける人気イラストレーターとしても活躍されています。滅多にテレビに出演されない江口さんに仕事論や漫画界に残る伝説的エピソードを伺う機会は貴重です。

去年画業40周年を迎えた江口さんに長続きの秘訣を伺うと
「ちょいちょい休むことですかね・・・。描けない時は描けないので無理はしない。」と笑いました。ちょっとお顔が赤いのは
「早めに来てしまいまして。お店に入ってコーヒーでも飲もうと思ったら人でいっぱいで入れなくて、隣の店に入ったらビールの店だった・・・。」から。お酒にはあまり強くなくてすぐ赤くなるのだそうです。

課題図書 : 「step」 江口寿史 (河出書房新社)

画業40周年を迎えた江口さんの最新イラスト150点以上を収めたイラスト集です。
まず江口さんの現在の心境の部分を吾郎が朗読。

還暦を過ぎてしまいました。
40~50までは歳のことなど気にしたこともなく、のほほんと過ごしてきましたが、ハッと気づけば60.
「60!」
という響きにはさすがの僕も凹みましたよ。
自分の人生ももう終盤か・・・・・・。
ああ、今年もまた桜の季節だな・・・・・・この桜もあと何回見れるんだろう。とかね。
若い頃は60になった自分など想像も出来なかった。
でもね。
皆さんもなってみるとわかると思いますが、60になっても、頭の中身やセンスは30くらいの時とほとんど変わらないんですよ。
確かに多少の体力の衰えは感じる。
仕事で徹夜がめっきりできなくなった(昔からだろ)。
朝まで酒が飲めなくなった(いや飲まなくていいから)。
だけどいまだにあれもやりたいこれもやりたい、まだまだ絵も上手くなりたいし、モテたいし恋もしたい(嫁いるだろ!)。
枯れるどころじゃない。
まだまだ煩悩に絡みとられた欲の塊なんですよ。

「僕はまだ想像できないけれど・・・。変わらないのかなぁ、還暦になっても」と吾郎。(一方、その吾郎の朗読を聴きながら私は首がもげるほど頷いてしまいました、分かる!分かる!。)
「早く無くなって欲しいんです、欲とか。」(江口さん)
「無くならなくていいですよ、仙人じゃないんだから。」(吾郎)
「まだまだ絵も上手くなりたいし、っていう気持ちが素敵だと思います。」(外山さん)
吾郎と外山さんにそう言ってもらえて私はなぜかホッとしました(←私に言ってくれたわけじゃないから!)。
「この絵、好きだな。なんかちょっと人間っぽくなくて。」吾郎が表紙の絵を見て言いました。
「ありがとうございます。これは元々CDジャケットの絵なんです。CD屋さんのあの膨大な数の中で、来るお客さんを見据える感じにしたかった。」と江口さん。こっちを見ているようで見ない感じになるように、パソコンの中で目をミクロン単位で延々と微調整したそうです。
女性の外山さんの感想としては「友達になりたいタイプ」と「自分が生まれ変わったらこうなれたらいいなタイプ」があるそう。それを聞くと江口さんは
「僕が生まれ変わったらこうなりたい女性を描いています。」
ときっぱり。
「ああ、こういう子を恋人にしたいとか、こういう娘が欲しいとか、じゃないんですね?」(吾郎)
「僕がなりたい。今度生まれ変わるとしたら、女ですね。女性になれない恨みで描いてる。」と江口さんから意外な答えが。若い女の子たちが「江口さんの絵みたいになりたい」と言ってくれると、ご自分の中の満たされなかった部分が満たされる感じで「気が済む」のだそうです。

そんな江口さんは雑誌の連載用に男性芸能人のイラストも描いていて、その中には・・・
「実は吾郎さんも描いたんですよ」
そう、吾郎、剛、慎吾の3人を描いた作品もあるのです!
「うれしい、すごいうれしい!そっくり!」と吾郎は大喜び。
剛と慎吾は正面を向いていますが、吾郎だけ横を向いています。その理由は
「吾郎さんは心ここにあらず的な表情をするじゃないですか。そこがすごくかっこよくて。あとメガネがすごく似合うんですよ。だから絶対メガネを・・・。それとヒゲが似合う。」と。
江口さん素敵なイラストをありがとうございます。

「ストップ!!ひばりくん!」の主人公は美少女・・・のようで実は女装した男の子です。
「結構な設定じゃないですか?」(吾郎)
ギャグ漫画は王道を茶化す役割があるんです、と江口さん。当時ラブコメが全盛だったのでそれを茶化そうとしたそうです。ヒロインを男にしたのもそのため。少年誌の場合、主人公を可愛い女の子にすると人気投票に如実に出る、という戦略もありました。少年漫画で受ける要素を全部入れ、とにかく主人公(女装した男の子)を可愛く、表紙もかっこよく、と絵にこだわった結果
「週刊連載がきつくなってきた。」
そして少年漫画史上に残る伝説が生まれました。
1.幻の白いワニ伝説
「これは未だに言われます。」と苦笑する江口さん。どういう事かというと、
「原稿用紙が白いまま、毎週13枚ある。それがワニに見えてしまうっていう妄想・・・を描いた。」
当時ギャグ漫画家には、5年もすると精神がすり減って描けなくなってしまうという「5年寿命説」があったのでそれを逆手に取り、壊れたフリをしようと、白い原稿用紙に
「今回はワニに襲われて描けませんでした」
と描いたのです。
「アイディアが出ないとかではなく、本当に物理的に間に合わなかったんですね。」(吾郎)
「週刊なのに10日くらいかかるようになってしまって、計算が合わなくなった。描けないですもん!大体人間の仕事じゃないもん!毎週描くのなんて!」江口さんは子供のような口調で訴えました。でも
「今は漫画家さんも休みたいときに休めるようになって、良い時代です。」とのこと。昔は休載すると「犯罪人みたいに言われてた」そうです。
「毎週連載するってホントに大変なことなんですね。」(吾郎)
そして、
2.「ストップ!!ひばりくん!」衝撃の未完伝説
「どういうことですか?」(吾郎)「終わらない!」(外山さん)
「普通に描く週で、ネームは出来てて、絵も10ページくらいは描けたのかな?あと5ページが2日しか残ってなくて、『もうこれは無理だわ』と。限界だったんでしょうね。・・・それでバックレてほっぽって逃げてしまった。」(江口さん)
「大胆な行動で・・・」(吾郎)
2日ほど連絡を絶ち、全てが終わった頃に家に帰って集英社へ行きました。
「(編集長に)『どういうつもりだ?』と言われて『週刊がキツいので隔週か月一でやらせてくれないでしょうか』と直談判したら『分かった。分かったけどうちじゃその体制できないから他でやれ。うちじゃ面倒見きれない』と言われて終わりました。」(江口さん)
こうして「ストップ!!ひばりくん!」は「少年漫画は死んだっ!」と言う斬新な台詞を残して1983年に連載終了となってしまいました。しかし、
「27年の時を経て、2010年に完結させたんですよね!」(外山さん)
そのきっかけは「ストップ!!ひばりくん!」のコンプリート版を出すことになり
「最後ちゃんと描いて終わった方が読者は嬉しいだろうな、と・・・。」
やはり江口さんの心にずっと引っかかっていたのです。
「完結と言っても、『物語は続いていく』感じの終わり方なんですが。」
実は江口さんの作品には「ストップ!!ひばりくん!」以外にも未完の作品が多くあります。
「世界は続いていく」みたいな終わり方が多いのですがその理由は
「人生は続いていくので。その瞬間にカメラを当てて、そこから僕のほうが去って行けばいいと。だから(漫画の中の)世界はまだ続いてる。終わらせるのが寂しい感じがするんですよね。人の漫画を読んでいても終わりが近づくと『ああもうこれだけしか読めない・・・』と感じて。」(江口さん)
「小説でも映画でもそうですよね。」(吾郎)
「人生は続いていく」というのは映画「半世界」のテーマでもありますよね。江口さんのこの言葉を聞いて私は胸がジーンとしました。

今回江口さんの仕事部屋を特別に撮影してきて頂きました。
玄関には江口さんのイラストが飾られ、伝説の白いワニも下駄箱の上にいます。奥に進むと机と本棚が。机の上には大量の筆ペンが整然と並べられ、本棚の中もきれいに整理されています。
「僕整理魔なんですよ。掃除大好き!散らかっていると気持ち悪くなっちゃって。」
「やっぱり綺麗なものがお好きですから。綺麗なものを描いてる人は綺麗にしてるんじゃないかな?」(吾郎)
ギャグ漫画を描くのも頭の中の整理だと江口さんは言います。頭の中でごちゃごちゃしているものをパズルのように漫画の中に収めるのが気持ちいいのだそうです。
ところで江口さんは最近新しい試みを始めています。それはイベントで来た人の似顔絵をその場で描くこと。
「僕の好きなアーティスト30人を集めてTシャツ展をやったんですよ。そこに来た2~3人がとても上手くて下書きしないでパパッと描いちゃう。それを見て羨ましくなっちゃって。今までこういうことをやってこなかったな、って。」
ということで、外山さんをモデルに江口さんが即興スケッチを披露してくださいました。
「目が大きいな」と言いながら江口さんはペンを動かします。「早いですね!」と吾郎は隣で見て感心しています。そして10分後に出来上がった似顔絵は・・・
「細く綺麗に描いて頂いた」(外山さん)
「アナウンサーっぽい。ハツラツとして元気で、意気揚々とした感じが外山さんっぽいよね。」(吾郎)
「わぁ、ありがとうございます!」外山さんはにっこり笑いました。
外山さんを描くポイントは目と口だそう。「口が失敗したな・・・」と江口さんは反省していましたが、外山さんの元気な雰囲気が良く出ていました。外山さんには良い記念になりましたね。

今後については、
「今年は漫画を描こうと。毎週は描かないですけど(笑)出来る範囲で描こうと思っています。」と江口さん。楽しみですね。

人生は続いていく。その中でいつでも新しいことに取り組んでいく。江口さんのそういう姿勢はとても素敵だと思います。


さて、次回(28日深夜)はいよいよ最終回。沢木耕太郎さんと吾郎がどういうお話をするのかしっかり見届けたいです。


拍手ありがとうございます

新しい航海と読む企画会議(?)

本当に連日嬉しいお知らせがあります。

6月7日(金)公開のアニメ映画「海獣の子供」(原作:五十嵐大介さん)に吾郎が声の出演をします!
主人公の父親役ということで、どんなお父さんなのか楽しみです。他にも蒼井優さん、渡辺徹さん、富司純子さんなどそうそうたるキャストなので期待したいです。
詳しくは 新しい地図トピックス をご覧下さい。

飯田譲治さんの連載小説「ロストマン ロンリーハート」は本当に目が離せない展開です。まだ第2話ですが良い意味で不穏な空気が漂っていてハラハラドキドキします。「週刊女性」を毎週買う事に思うところはありますが、全く新しい試みは応援したいです。
新しい試みと言えば、この小説を映像化するとき、タカオ以外の登場人物はどの役者さんがいいか意見を寄せて欲しいと「週刊女性」では言っています。そうはいってもタカオの妻フジコはどの女優さんがいいかまるで思い浮かびません。何だか飯田さんと一緒にキャスティングを考えているみたいな気持ちになります。
もしかしたらこの連載小説は公開企画書なのかも知れません。読者も一緒に企画を考えるというのも新しい試みでしょうね。

あ!
雑誌と言えば、現在発売中の「えんぶ」で「えんぶチャート」が発表されました。
俳優部門1位 : 稲垣吾郎
作品部門2位 : 「No.9 -不滅の旋律-」
作品部門6位 : 「FREE TIME, SHOW TIME 君の輝く夜に」

吾郎が表紙と巻頭インタビューを飾っています。今までコツコツと積み上げてきたものがやっと実を結び始めた感じですね。
吾郎おめでとう!


拍手ありがとうございます

文豪のお墓参り (「ゴロウ・デラックス」 3/8)

今回はロケです(もしかしてゴロデラ最後のロケかも・・・)。
二人の後ろにはたくさんのお墓が並んでいます。
「今日は雑司ヶ谷霊園に来ていますがどうして?」(吾郎)
「それは、今日のゲストの方が文豪のお墓を巡ったエッセイを出されていて話題だと言うことで。」(外山さん)
お天気も良く暖かそうで良かったです。

ゲストは山崎ナオコーラさん。2004年のデビュー作「人のセックスを笑うな」を始め5作品で芥川賞にノミネートされ、エッセイにも定評のある方です。
実は山崎さんと吾郎は初対面ではないそうで、
「私は西加奈子さんとお友達なので、西さんのお花見に(吾郎さんが)いらっしゃっているのを遠巻きに・・・」(山崎さん)
「そんな遠巻きでした?!」(吾郎)
「すごい方だと思ってたんですけど、実際に遠巻きに見ていたら素朴な感じの好青年というか。」(山崎さん)
「はい・・・素朴な・・・青年です。」吾郎は少し照れました。
お花見で4~5時間同じ場にいても実際には話せなかった、と山崎さん。緊張していらしたのでしょうか。

課題図書 : 「文豪お墓参り記」 山崎ナオコーラ (文藝春秋)

山崎さんの最新刊は、26人の文豪のお墓参りを行い感じた事や作品への思いを綴ったエッセイ集です。
「面白かったし、登場する文豪の作品を読んでみたいと思うきっかけになる」と吾郎が言うと「嬉しいです。そう言うきっかけになる本を書きたかったので。」と山崎さんは喜びました。
まず、山崎さんがなぜ文豪のお墓参りをしようと思ったのか、きっかけの部分を吾郎が朗読・・・ですが、
「ここで読むんですか?」と吾郎は周りを見回しました。
「今日は全部ここで。」と外山さんがきっぱりと言ったので、「では読ませて頂きます。」と吾郎は周りのお墓に一礼しました。

永井荷風(先輩作家)と谷崎潤一郎(後輩作家)は七歳差です。
谷崎は少年時代から荷風の小説に憧れていたので、デビューしたとき、先輩作家である荷風から自分の小説を褒めてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。
それから月日が過ぎて、第二次世界大戦が始まります。
そんな二人が、疎開先の岡山で、再会します。
谷崎の仮住まいに、荷風が食事をしに来るのです。
一九四五年、八月十四日のこと、終戦の前日でした。
ただ、明日終戦を迎えるなんて、本人たちも、周囲の人たちも知りません。
だから、肉を食べるなんていう贅沢は、白い目で見られる行為です。
でも、
「憧れの作家が来る」
「恩を感じているので、敬意を持って迎えたい」
と谷崎は高揚し、世間よりも自分の気持ちを優先します。
谷崎に財力はあるとはいえども、当時はなかなか手に入れにくかった牛肉を手に入れ、すき焼きでもてなします。
・・・・・・このように、文豪たちは互いに関わりながら生きていました。
今は、お墓の中にいます。
時代が違うので、実際には関われませんが、お墓には行けます。
現代の作家が昔の作家に会いに行きます。

以前は「売れたい」とか「賞を取りたい」とか考えていましたが、今では「日本文学史の大きな流れというか、日本文学が続いていくための大きな仕事の一助になれれば十分」と考えるようになった、と山崎さんは言います。そして
「作家というのは個人でやってるのではないのかも。色んな作家と関わりながら仕事してる」と感じるようになったそうです。
「作家さんは一人で仕事できるし一匹狼みたいなイメージあるけど。じゃ今度花見の後にみんなでお墓参り行きましょう。」と吾郎が提案しました。
西加奈子さん、今年のお花見の後、どうでしょうか?

今回のロケ地雑司ヶ谷霊園には文豪のお墓がたくさんあります。そこで今日は課題図書に出てくる文豪のお墓に三人でお参りします。
まず、永井荷風のお墓に向かうと・・・そこにはお花と水桶を持った着物姿の男性が。
「あれ?あのおじさん知ってる!僕の好きなおじさんだ。」(吾郎)
「好きなくせに水臭い!」その男性は吾郎をにらみつけました。「元々この番組でお墓参りしてたのに。」
そうです、2回くらいで立ち消えになってしまった幻のコーナー「ハコのお墓参り」。そのハコちゃんこと岩下尚史さんが待っていたのです。
「岩下さんが考えるお墓参りの魅力って何ですか?」(外山さん)
「若い頃永井荷風の随筆を読んでいたときに、江戸時代に『掃墓の風雅』といって先人(著名人)のお墓に行って苔を払って先人を偲ぶという趣味があったと。金もかからないし気も遣わなくていいからさ、あたしみたいに暇だけあって銭のないヤツには一番良い趣味だと。」(ハコちゃん)
ということでハコちゃんは結構文豪のお墓参りに行っているそうです。

そしていよいよ永井荷風のお墓へ。隣にはお父様のお墓があります。お父様のお墓は関東大震災で倒れて欠けてしまったため、墓碑銘が読みづらくなっています。
「戦前は(お墓は)一人一人だった。」とハコちゃん。
山崎さんは「永井荷風は『断腸亭日乗』という日記を書き綴っていて、作家の仕事というと小説とか芸術とかを作ることだと思うけれど、毎日を丁寧に生きてそれを書き続けていくだけでも作家の仕事になるんだ」ということを学んだそう。
「(山崎さんは)文体も永井荷風を意識されているとか・・・」(吾郎)
「いや、そんな畏れ多いですけど、うっとりする感じの文章は憧れますね。」(山崎さん)
「放蕩息子なんですよね。お父様は日本郵政の重役で実業家でお金持なんです。つまり(荷風は)お金のために文学をやった人ではない。親の遺産があったから立派な文学ができたんです。だから山崎さんや私が荷風先生の文学を享受出来るのはお父様のお陰なんですよ。」とハコちゃんが補足しました。お金のことを考えないで書くのが本当なんだろうな、とも思うそうです。
「『断腸亭日常』を読むと、永井荷風は毎年1月2日の命日にお父さんのお墓参りに来るんですよね。お父さんとの関係を大事にしてたのかも。」(山崎さん)
そしてみんなでお墓参り。荷風の墓前で手を合わせる吾郎が美しくて可愛らしくて、いつまででも見ていたくなりました。

さて次は
「夏目漱石さんに会いに行きましょう。」(外山さん)
その途中、「自分のお墓をどんな形にしたいか」という話題に。吾郎がふざけて「タージマハル」と言ってみんなを笑わせました。でも実はひっそりとしていたいそう。「でも花に囲まれていたいかな」と吾郎。
そうやって歩いていると竹久夢二のお墓を発見。ここ雑司が谷霊園にはその他にもジョン万次郎、サトウハチロー、小泉八雲、泉鏡花など著名人のお墓があります。
そして夏目漱石のお墓に着くと
「えーっ!」(外山さん)「確かに立派」(吾郎)
と二人はその大きさにビックリ。墓石の高さは2m以上あり霊園の中でもひときわ目立っています。
「形も変わっていますね。」(外山さん)
「安楽椅子らしいです。」(山崎さん)
漱石の小説「こころ」の中には「先生」が定期的に雑司が谷霊園にお参りに来る場面があり、霊園の描写もあるそうです。
「『こころ』面白いですか?」ハコちゃんが山崎さんに訊きました。
「男性同士の関係の描写がすごく上手くて、嫉妬だとか憧れだとかない混ぜの友情・・・私が読んで憧れる感じがあるんですよね。」(山崎さん)
「男同士の付き合いの中でも今思うと色恋的な事、今で言う友情と恋愛ってあまり差はなかった。寝るか寝ないかの差だけで。私は今でも好きですよ・・・ね、吾郎さん♡」真面目に語っていたハコちゃんが最後おどけました。
それにしてもこうやって作家の方同士で自然に文学談義ができる「ゴロウ・デラックス」って本当に素敵な番組ですよね!

ここでハコちゃんとお別れし、山崎さん、吾郎、外山さんの三人は夏目漱石ゆかりのお店、神田の洋食店「松榮亭」へ。明治40年創業のこのお店には漱石が食べた「洋風かきあげ」があります。漱石が「何か変わった物が食べたい」とオーダーし、初代店主が考えた料理が今でも食べられるのです。
出てきた料理は豚肉と玉葱を卵と小麦粉で包んだ一品。
「今まで見たことがない料理だね。」と吾郎。
「おいしい」(山崎さん)「優しい」(吾郎)「ふわふわ!」(外山さん)そして
「今まで食べたことないね。」と三人は感激。
「漱石が食べたんだと思うとすごく有難い物に・・・」と山崎さんがいいことを言ったのに
「僕は漱石のこと全く忘れてました」と吾郎は身も蓋もないことを言いました(笑)。それほど美味しかったのでしょう。

「とても楽しかったですね。」と最後に外山さん。その楽しさは画面から確かに伝わってきました。
そして応援に来てくださったハコちゃん、いえ、岩下さん、本当にありがとうございました。


拍手ありがとうございます

詩だけがあればいい (「ゴロウ・デラックス」 3/1)

今日のゲストさんは「若い人を中心に人気」(外山さん)で「謎の多い方」(吾郎)。
「とても好きな詩人さんなのでお会いするのが楽しみ。」と吾郎は言いましたが、本当にミステリアスな展開になりました。

最果タヒさん。ブログ・twitterを中心に発信し「新世代の詩人」と呼ばれる一方、2008年に第13回中原中也賞、2014年に第33回現代詩花椿賞など伝統的な賞も受賞しておられます。
詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」は2017年に映画化。最近ではアーティストに歌詞を提供し幅広く活躍していらっしゃいますが、素顔を明かさないためその人物像は謎に包まれています。

ということでスタジオに登場したのは緑色で毛むくじゃらの編みぐるみ。
「こんにちは」とその編みぐるみが可愛い声で挨拶しました。この編みぐるみは最果さんがご自分で持ってきて下さった物です。
「こういう形で出演して下さる、と。」と外山さん。
「顔を出されない方なんですね。でも、僕らからは見えてるんですよね。」
吾郎と外山さんはセットの外へ目線を動かしました。二人は最果さんの素顔を見ているわけです。
最果さんが素顔を明かさないのは
「作品の向こう側に作者の顔が見えるのが好きではない」
から。国語の教科書に作者の顔写真が載っているとがっかりしたそうです。
「自分の中で掴みかけてたものが急にその人のものになってしまう。『この作者のお話でした』と完結してしまうのがイヤなので。」
「読者に対しての気遣いですね。僕らで言うと舞台のカーテンコールで出て行く時、素をあまり見せちゃいけないんじゃないか、って思ったり。」(吾郎)
「その役の感じのままで・・・ってことですね。」(外山さん)「急にオフに戻ってると・・・」(最果さん)
「そう、それを見たい人もいれば余韻を楽しみたい人もいるから。そういう感覚に近いのかな。」(吾郎)

まず詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」から冒頭の詩を吾郎が朗読。

都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。
塗った爪の色を、きみの体の内側に探したってみつかりやしない。
夜空はいつでも最高密度の青色だ。
きみがかわいそうだと思っているきみ自身を、誰も愛さない間、
きみはきっと世界を嫌いでいい。
そしてだからこそ、この星に、恋愛なんてものはない。

吾郎の低めの声がこの詩の世界にマッチしている・・・と私がうっとりしていると、
「あまり上手く朗読できなかった」と吾郎が自分にダメ出ししました。
「そしてだからこそ」の部分を「そして、だからこそ」と読んでしまったから、というのですが、それを聞いた最果さんは、
「朗読ってその人が出ると思うんです。その詩をどう読んでどう捉えているか。どこを止めるかどこに抑揚をつけるかで変わってくるので、吾郎さんそのものという感じがして嬉しかったです。声になった自分の詩を聴くのすごい好きです。その人の作品になって返ってきてる感じがして、書いて良かったなという達成感に繋がるというか。」と喜んで下さいました。
映画も同様で、石井裕也監督の元に行って新たな作品になって返ってきたと感じたそうです。
「『書いて良かったな』と思うし『こんな作品が生まれるんだ、すごい』と単純に観客としての喜びがありました。」(最果さん)

「僕は元々、人は一人で生まれて一人で死んでいく、孤独だからこそ美しい、と考えていて。だから最果さんの詩の根本が好き。」と吾郎が言うと最果さんも
「仲良しサイコー、苦手。友達100人、ハァ?って。」と共感し
「私も。だからジャックナイフのような方かと思ってた。厳しめの友達の優しさって感じ。」と外山さんも盛り上がりました。3人とも根本の部分が同じようです。
最果さんと「詩」との出会いはちょっと独特です。
「私は関西出身で、話していてもオチや面白さを求められて、喋るのが嫌いな子になったんです。で言葉に疲れているときに音楽の歌詞に出会って、『分からなくていい』んだと思って。共感から逃れたかったんです。」
言葉に疲れているときに言葉で表現する世界に惹かれたというのが興味深いです。

課題図書 : 「天国と、とてつもない暇」最果タヒ (小学館)

まず、吾郎が一番好きだという「星」を朗読。
「男の人の声で『私たち』と言われるのがとても素敵。」と最果さんは嬉しそうです(声が)。「男の人の中にも私の部分があるし、女の人の中にもぼくの部分があるし、そこに響く言葉が書ければいい。」
文字の選択やレイアウトにもこだわりがあります。ひらがなでふわっと伝えたり、縦書きと横書きを使い分けたり。
「横書きは軽く言葉が自分の中に入ってくる。短距離走のイメージで、ちょっと強めの言葉が多い。縦書きだと次の行に行くとき首を下から上に動かすので、仰々しくなる。」
「(縦書きには)仰々しさと重さと硬質な感じが・・・」と吾郎。吾郎が朗読した「星」は縦書きの詩です。
「詩を作った後にやっぱりこっちだったなとか・・・いつやめるとかあるんですか?」(吾郎)
「編集さんが『もう無理です』『ここで修正はお終いです』と言ったら・・・」(最果さん)
一度で書いて言葉を動かしたくない作品もあれば、修正をする詩もありますが、
「あまりまとめちゃいけない。詩だけで完結すると読む人は『自分には関係ない、誰かの具体的な話』と思ってしまうから。直してまとまりが出て、ダメだと思って元のバランスが悪い(詩)に戻したり。」

最果さんは主にスマートフォンで詩を書いています。
「常に携帯電話を持ってて、思いついたら書くんですか?」(外山さん)
「頭を真っ白にしないと書けないんです。文章を書こうとするとまとまってしまったりオチをつけてしまったりするので、できるだけ詩を書く気のない状態、ラーメン屋さんに並んでいるときとかカレー屋さんに並んでいるときとか、そういう時に・・・(笑)」(最果さん)
「じゃあ生活している時に・・・もしかして今この瞬間に浮かぶかも知れない?」(吾郎)
「今は緊張しているから難しい。」(最果さん)
「まだ緊張してますか?!」吾郎は一瞬笑いましたが
「今日は顔を出さない方が良いかもしれない。だってラーメン屋に並んだ時に・・・」
「言われちゃうもん」と外山さんが続けました。
「出ません!」最果さんが力強く宣言すると吾郎は「よしよし」と編みぐるみの頭を撫でました(←羨ましい!)。
今度は外山さんが一番好きな詩を朗読。「クリスマスの日」という詩です。
「可愛いのを選びましたね。」(吾郎)
「色々好きなのはあったんですけど、声に出して読みたくなるという点でこれを選びました。」外山さんの理由がアナウンサーらしくて良かったです。
「(好きなのがいろいろあって)選ぶのが大変だった」という吾郎と外山さんは「オンエアしないけど最果さんに伝えとこう」と言い出し、その他に好きな部分を次々と挙げました。外山さんが特に力説したのが
「後書きの最初の2行、

あなたがどんなふうに生きているのか知ることはできない。
私も、どんなふうに生きているのか教えたくはない。

ここが最高じゃないですか。」
「今日のテーマじゃないですか。俺たち仲間だ共感し合おうぜ・・・やだもんねー、一番やだよね。」(吾郎)「そう。」(外山さん)
と、外山さんの気が収まったところで、
「今日は羨ましくてしょうがないです。最果さんが『稲垣吾郎』をテーマに詩を書いてきてくださったんです。」と紹介しました。
最果さんは稲垣吾郎の中にどんな詩を見いだしたのでしょう。外山さんの朗読を吾郎は頬杖をついて聞き入りました。

まなざしで、触れることを知っている人。

美しさをどうやって愛すればいいのかわからないまま、
わたしは愛にばかり詳しくなった、
朝の光に体を溶かして、すべてが消えていくような、
そんなさみしさを恐れて、夜の中にとじこもる。
触れることなど必要ではない、ぼくらには瞳があるのだからと、
花を愛でる人がいて、朝を愛でる人がいて、
その声に、耳を澄ませている。
遠くの国で、降る雨の音、一瞬、きこえた、
わたしの瞳は、窓に吸い込まれていく、
朝の光が、わたしの涙に溶け込むように、ゆらめいていた。

「2月の朝の詩」

読み終わると外山さんは原稿を吾郎に手渡しました。
「いやあ嬉しい、感動した。」吾郎は目を輝かせて原稿を読みました。
「ありがとう。」
「吾郎さんのブログ・・・お花がすごく載っていて、吾郎さんがどうして美しい物が好きで花を愛してるんだろうと考えたときに、花って触れないじゃないですか、崩れてしまうから。優しく触ることしか出来ないし関わり合うことがすごく難しいけど、見ることで愛でることが出来る。美しい物を好きな人ってきっとそういう所が・・・」
「そうですね、触れないから好きって事は絶対にありますね。お互いに自立してて・・・」(吾郎)
「尊敬することで愛でる、ってことですね。」(最果さん)
「僕のことをここまでわかってくれて。・・・これぼくが書きたかったな。」と突然吾郎は飛躍したことを言いましたが、
「僕が思っていたことなんだけど、自分の力では文章に出来なかった。」と補足しました。
「そう言ってもらえるのすごく嬉しいです。」
と最果さんは喜んでくださいました。
最果さんの詩を聞いて私も吾郎のブログが思い浮かびました。きちんと吾郎の言葉を読んでそこからイメージを膨らませてくださったのですね。
最果さん、素敵な詩をありがとうございます。


今回ご本人が顔を出さないという、新しい演出で番組を成立させたスタッフは流石だと思いました。まだまだやれることはありそうなのに終わってしまうのは本当にもったいないと思います。


拍手ありがとうございます

悲喜こもごも

悪いニュースと良いニュースに心を揺さぶられた日でした。

悪いニュースは、「ゴロウ・デラックス」が3月いっぱいで終了すると正式に発表されたことです。私は悲しいを通り越して脱力感を覚えています。
今まで知らなかった作家の方やマニアックな趣味を極めた方など、自分だけでは知ることが出来なかった世界に触れられる番組。これが無くなったら知的好奇心を刺激されることが少なくなるのではと不安にさえなります。
とはいえ、この番組を8年続け、作家の皆さんや出版業界の方々からも信頼される良質の番組に育ててくださった番組スタッフとTBSさんには感謝しているので、その気持ちはきちんと伝えようと思います。そしてまた復活して欲しいというお願いも。例えば特番でとか、BSでとか、何らかの形でまた観たいです。

そして良いニュース。
昨日発売になった「週刊女性」(3月19日号で、吾郎主演の小説「ロストマン ロンリーハート」(飯田譲治さん作)の連載が始まりました。
吾郎主演の連載小説、と聞いて最初は訳が分からなかったのですが、飯田さんのtwitterによると、この小説は今後吾郎主演で映像化するのだそうです。つまり吾郎主演の映像作品のプロットを先に連載小説の形で発表する、ということのようです。「沙粧妙子-最後の事件-」や「ギフト」を手がけた飯田さんが吾郎主演の作品を書くのですから期待せずにはいられません。
私はまだ買えていないのですが読んだ方の反応は良いので、早く読みたいです。
それにしてもまさか「週刊女性」を毎週買う事になるとは、人生何が起きるか分かりませんね(笑)。


拍手ありがとうございます

まだまだチケット争奪戦

いよいよ明日(3日・日)10時から「LIFE LIFE LIFE」の一般前売り発売です。
先日の先着先行は文字通り瞬殺でしたから、明日が勝負ですね。
どうか皆さんチケットが取れますように。

詳しくは「LIFE LIFE LIFE」公式サイト をご覧下さい。


それから、3月24日(日)に、今年も「パラ駅伝」が行われます。今年は剛が「チームenjoy」にランナーとして参加するそうで一層盛り上がりそうです。
こちらのチケットは抽選で、現在申し込みを受け付けています。
締切は3月10日(日)23:59です。
詳しくは こちら をご覧下さい。

これだけ色々なイベントがあるのは素敵なことですね。


拍手ありがとうございます

プロフィール

はちミツ

Author:はちミツ
【注意:当ブログの内容の無断転載は禁止します。】

稲垣吾郎さん大好き、SMAP大好き!の主婦。
吾郎ファン歴は26年目になります。
彼らがいつかまた集まりたいと思った時そうできるように、彼らがそれぞれ今いる場所で益々輝いていってほしいと願っています。
だから「SMAP大好き」という気持ちも「新しい地図の3人の活動を応援する」気持ちも私の中では同じ一つの思いなのです。
神奈川県在住。

近況
①毎週水曜日は「an・an」の「稲垣吾郎のシネマ・ナビ」をチェック!。
②「稲垣吾郎オフィシャルブログ」、twitterアカウント @ingkgrofficial も必見!
③「ゴロウ・デラックス」再開熱望!

メールは↓へ。
walkwithgoro☆hotmail.co.jp
(☆を@に変えて下さい)

カレンダー
02 | 2019/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
ブログパーツ
クリックで救える命がある。
リンク集
リンクなさる方はお声をかけて下さい♪
情報リンク
こちらもどうぞ♪
/div>
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる