言葉の灯台守 (「ゴロウ・デラックス」 2/9)

オープニング。ロケです♪
「さあ、今日は本の街、神保町にやって参りました。」(外山さん)
吾郎は満面の笑みでカメラに向かって両手を振りました(可愛い!)。
「なぜかというと、なんと10年ぶりに広辞苑が出版されるということで」(外山さん)
吾郎が思いきり拍手をしました(可愛い!)。
「今まで辞書(が課題図書)ってないもんね。僕これ「全部読め」って言うのかなと焦った。」(可愛い!)
吾郎の冗談に外山さんは笑い転げ
「番組特別編ですから今日は。広辞苑の全てを教えて頂こうということで、出版社の岩波書店へ…」
「確かに本の番組なのに、出版社に来ることってないよね。」(吾郎)
「貴重ですよね。」(外山さん)
「じゃあ行きましょうか。」と吾郎が言い、ビルへと入っていきました。

課題図書 : 「広辞苑 (第七版)」 新村出編

「広辞苑」は1955年に初版が発行され、ほぼ10年に一度改訂されています。累計発行部数版は1200万部を突破し、先月には過去最大の25万語を収録した第七版が出版されました。

なぜ「広辞苑」は日本を代表する辞典と言われるのか?
改訂の度に新たな収録語が注目される理由は?


今回は「広辞苑」編集部にお邪魔してそのスゴさの秘密に迫ります。

エントランスで二人を出迎えて下さったのは平木靖成さん。岩波書店辞典編集部副部長で、今回の「広辞苑」編集の指揮を執った方です。広辞苑の編集に携わったのは今回で3回目、辞典編集部に25年勤務する辞典のエキスパートです。
平木さんの案内で二人は辞典編集部へ。ここでは岩波書店から発行される全ての辞典を編集しています。
「すごい、入ったところから辞典がずらっと並んでいますよ。」(外山さん)
国語辞典だけでなくポケット六法や仏教辞典、生物学事典もあります。
「辞典編集部って感じしますね。」吾郎が奥の書棚で見つけたのは「数学入門辞典」です。
「分からない。開いたこともないですね。」(外山さん)
もちろん古い版の広辞苑も全て保存されています。平木さんはその隣を指さしました。
「これが広辞苑の前身の『辞苑』です。」
「へえ、前身のものがあったんだ。」(吾郎)
「しかも『辞』の字が古い。(=辭)」(外山さん)「博物館ものだよ。」(吾郎)
「通常辞典編集部には何人くらいいらっしゃるんですか?」(吾郎)
「その時にどんな辞典を何冊進めているかによっても違いますので…。広辞苑の最盛期には15人以上集まっていました。」(平木さん)
ここから、広辞苑の何がスゴいのか、その秘密に迫ります。

広辞苑のスゴさその1.
「広辞苑は国語辞典+百科事典」

言葉の意味や用例を説明し日本語に関する知識を教えてくれる国語辞典と、あらゆる科目に渡る知識を網羅した百科事典の両方の働きを兼ね備えたのが「広辞苑」です。一つの言葉について非常に細かく説明しているので、その編集には様々な知識を持った人が必要になります。その為改訂の時には岩波書店の各部署から人員を選抜し精鋭チームを結成しているそうです。
「各部署からプロフェッショナルが集まって…面白いですね、そういうやり方なんですね。」(吾郎)
「今は解散しちゃったので寂しいですか?」(外山さん)
「寂しいですね。ガランとして。」(平木さん)

広辞苑のスゴさその2.
「時代に合わせた新語を収録」

広辞苑が改訂される度に話題になるのが収録される新語。その都度時代を反映した新しい言葉が取り入れられています。
「今回の第七版では何語くらい増えたんですか?」(外山さん)
「大体1万項目くらい増やしました。」(平木さん)
「へぇー、1万項目…」と外山さんは感心しましたがふと隣の吾郎の様子に気が付いて
「ちょっと聞いてます?今何調べてるんですか?」と突っ込みました。
「いやいや面白いなと思って…。『フェード』って書いてあって、勿論日が暮れるとかしぼむとか意味もあるんだけど、ゴルフで、右利きの人が打った時にボールが右に行っちゃう事を言うんだけど、左打者の場合は左に行くことって細かく書いてあるのが面白いなと思って。」と少し照れながら話す吾郎に
「聞いててください。」と外山さんが念を押しました。
今回収録された新語の中には「ごち(御馳走の略)」や「がっつり」なども。
「『がっつり』って何だろう?」と考え込む吾郎の隣で外山さんは早速「広辞苑」を開きながら
「早く調べたら?」と笑っています。因みに意味は

がっつり(副)
十二分に。たっぷり。また、思いきり。「―――食べる」


と出ています。
「何か物を食べる時に言わない?いっぱい食べる時とか。」(吾郎)
「”がっつり食べる”という用例を入れています。」と平木さんがここで口を開きました。
「今回は『乗り乗り』も入っている・・・『乗る』なんですね。カタカナかと思ったら。」(外山さん)
「広辞苑の方針として、漢字で書ける項目は漢字表記にして見出しに掲げるので。普通ならカタカナで書くと思いますけど。」(平木さん)
目から鱗が落ちるようなこんな話もありました。

こん-かつ【婚活】
(「就活」になぞらえた造語)
結婚相手を探すための活動。「――パーティー」


「就活は就職活動(の略)じゃないですか。婚活は結婚活動で良いんですか?」(外山さん)
「婚活は結婚活動の略ではなくて”婚活”という言葉として出来たと思うんです。」(平木さん)
「略じゃないんだ」(外山さん)「面白いね」(吾郎)
そして外山さんからこんな質問が。
「【上から目線】ってアナウンサーとしてあまり使ってはいけない言葉だと思っていたんですが、広辞苑にも載ったのでこれからバンバン使おうかと思ってるんですけど、それは日本語として合っているんですよね?」

うえから-めせん【上から目線】
他人を見下すような、自分を上位に置いた尊大な態度。


「合っているというか、使っていいかは場面ごとですから。こういう言葉が日本語として定着して使われています、ということです。」(平木さん)
「これ以上は責任持てません、と(笑)。広辞苑的には使っていいかどうかの場面までは保証できない、と。」(吾郎)
広辞苑に収録されると日本語として認められた感じがしますが、収録される新語はどういう基準で選ばれるのでしょうか。
「よく使われるからという基準ではなくて、日本語として定着したかどうかを一番大きな基準にしています。」(平木さん)
その例として平木さんが挙げた新語が「卒乳」。
「子育てをしている親御さんの間でよく使われる、でも他の人達はあまり知らない。こういう場合には定着したと判断します。」

そつ-にゅう【卒乳】
(哺乳を終えることを卒業になぞらえた語)
乳離れ。離乳。


「なるほど。意外とシンプルな言葉ですね。」(吾郎)
「これはいいんじゃないか、という人が何人いたら載せるとか(基準は)あるんですか?」(外山さん)
「ないです。例えば10人の会議で1人しか『これは入れたい』という人がいなかったとしても、その人の説得力にみんなが納得すれば『なるほど、その分野ではそういう風に定着しているんだ』となって『じゃあ入れましょうか』ということもあります。」(平木さん)
多数決ではなく、その言葉が日本語として定着しているかどうかを一つ一つ検討しながら収録するかを決めていく…気の遠くなるような作業ですね。

今回の第七版では「スピルバーグ」「マイケル・ジャクソン」などの人名も収録されました。実は広辞苑では人の名前を追加する場合あるルールに基づいているそうです。
「私、今回嬉しかったのが、永さん、永六輔さんが載ったの…」(外山さん)
「すごいことですよね。…これ日本人の場合は亡くなられてから載るんですよね。」(吾郎)
広辞苑では、日本人の場合故人のみ掲載しています。
「だから、”本当にいなくなっちゃったんだ”と思うと同時にでも”広辞苑に名前が載った”と思って。」(外山さん)
「永さん、嬉しいでしょうね。…どうなのかな。恥ずかしがってるかも。」吾郎もしみじみと言いました。永さんがゴロデラに出演されたときのことを思い出していたのでしょう。
因みに「永六輔」ではなく「永」の項目に載っているそうです。外山さんはその項目を声に出して読むと
「立川談志さんと同じタイミングで永さんが載ったのが個人的には楽しい。」と言いました。
「あれ?イシグロカズオさんはまだご存命…」と吾郎が指摘すると、
「外国の方は御存命でも入れます。」と平木さん。
カズオ・イシグロさんの項目はこんな説明になっています。

イシグロ【Kazuo Ishiguro】
長崎生まれのイギリスの小説家。
記憶や過去にまつわる不安や違和感を精緻で端正な文体で描く。
作「日の名残り」「私を離さないで」など(1954)。


「ノーベル文学賞だから載ったんですか?」(外山さん)
「じゃないんです。英文学の専門の方がノーベル賞を取る前から『イシグロさんを載せた方が良い』と選んでくださってたんですよ。残念ながらノーベル賞の時には(校了がほぼ終わっていて)間に合わなかったので、ノーベル賞受賞の事は書いてないんです。」(平木さん)
次の第八版ではイシグロさんの項目にノーベル賞受賞の事も載るはずです。

広辞苑のスゴさその3.
昔の言葉や意味も全て載っている

改訂の度に新語を増やす広辞苑ですが、他方で古い言葉の削除はあまりしないそうです。
「広辞苑は古語も載せてるんです、源氏物語にしかない古語とかもあるので。今使わなくなったから削る、という考え方はしないんです。ですから【フロッピーディスク】も載ってます、今使われなくなっても。」(平木さん)
「【フロッピーディスク】も【VHS】も。」(吾郎)
「誰かが引くかも知れないですものね。」(外山さん)
「はい。その時代のものを読んでいたら出てくるので。」(平木さん)
「必要になる人もいますよね。」と吾郎も納得しましたが突然こんな事を言い出しました。
「ねえ、【ぶら下がり健康器】ってまだある?ぶら下がり健康器って今になって良いなと思って、この間ネットで注文して。まだ売ってるんですよ、ぶら下がり健康器。今ウチにあるんですよ。」
「へぇー…」と外山さんは広辞苑をめくって
「うーん、ない…ぶら下がりからの懸垂運動、はある(笑)。」と言いました。
「ぶら下がり健康器って知らない人いないじゃん。」(吾郎)
「フラフープならありますね。」と広辞苑を引きながら外山さんは言いました。
「だったら同じくらいだよ、ぶら下がり健康器だって。」(吾郎)
「そんなに熱弁されてもねえ。」外山さんは笑いましたが
「説得力あるので、【ぶら下がり健康器】をひとつ…」と平木さんに頼みました。
すると平木さんは
「第六版で【ナウい】という言葉を入れたんです、10年前に。」と話し出しました。
「10年前ですか?」(外山さん)「30年くらい前(の言葉)ですよね。」(吾郎)

ナウ・い《形》
(ナウを形容詞化した昭和末の流行語)
いまふうである。流行の先端をいっている。


「流行語で消えるんじゃないかな、消えるんじゃないかな、と思っていたら、最終的に”死語の代表”みたいになって生き残っているので…」(平木さん)
「確かに。今ナウいって言ったら『古っ!』って言われますもん。」(外山さん)
「でも分かりますよね、意味は。」(平木さん)
「その選んだ基準が面白い。」(吾郎)
「だから次にはぶら下がり健康器も入るようにします。」(平木さん)
「嬉しい。古くないんですけどね、僕にとっては。」(吾郎)

時代と共に意味が移り変ってきた言葉については
「一番古い意味から段々新しい意味に並べる」のが広辞苑の編集方針だそうです。
例えば【優しい】を広辞苑で引くと、

①身も痩せるように感じる。恥ずかしい。

とありますが、
「あ、これ、万葉集からきているんですか!知らなかった。」と吾郎と外山さんはびっくり。
それから
「”穏やかである、素直である”って、これは現代的ですよね。」(吾郎)
「その後が”簡単である”。」(平木さん)
「更に、”悪い影響を及ぼさない”。肌に優しい洗剤とか。これが最後ですね。」(外山さん)
「こう言う風に変わっていくんですね、言葉の持つイメージや意味が。」(吾郎)

広辞苑では新語だけでなく既に収録されている言葉の定義も毎回洗い直し、時代に合わせて改訂してきたそうです。その事が分かる貴重な資料を今回特別に見せて頂きました。
平木さんは先頭に立って資料室へ。そしてドアノブに手を掛け全身を使って飛び跳ねるようにして引くと、分厚いドアが開きました。「こういう動きをする方だとは思いませんでしたね。躍動感がある」と吾郎。中には棚がずらりと並び、ゲラなどの膨大な資料が収められています。
「古いところでは…」と平木さんが見せてくださったのは掌に載るくらいの大きさの原稿用紙の束です。
「多分初版の項目を一つ一つ切り取って(原稿用紙に貼って)、第二版用に『ここを直す』って原稿にした。」(平木さん)
「手作りですね…。これ大変な作業ですよ。これ1枚で1項目ですか?」(外山さん)
「そうです。だからここには20何万枚とある。」(平木さん)
例えば【人類】の説明を第二版の原稿と第七版とで比べると、第七版では広義の人類であるアウストラロピテクスについても説明されていて、より的確に表現するため改訂を重ねていることが分かります。

広辞苑のスゴさその4.
膨大な量の情報が一冊に詰まっている。

第七版は初版と比べると5万語も増えているのですが、歴代の広辞苑を並べてみると、辞典の厚さはみな一緒なのです。ページは増えているはずなのに、どうして厚さが変わらないのでしょうか。
「見た目はほとんど変わらないです。」(平木さん)
「初版から変わってないって事ですか。」(吾郎)「なんでですか?」(外山さん)
「製本の機械が(厚さ)8cmまでしか作れないんだそうで。だからページが増えても8cmに収まるように紙を毎回薄くしてもらっているんです。」(平木さん)
吾郎は第七版をめくってみて
「ああ、もう全然薄いし柔らかいし…」と納得した様子です。
「すごいですね。同じ厚さになる紙を作るって大変ですよね。」(外山さん)
しかも薄くなっても裏写りしないように
「酸化チタンを入れてもらってるんです。そうすると光を反射して裏写りしないんです。」(平木さん)
薄さだけでなく、触ったときの感覚や透け具合までありとあらゆる事にこだわった広辞苑の紙。今回紙の開発だけで2年かかったそうです。

「(広辞苑第七版を)今作り終えてどんなお気持ちですか?」と吾郎が訊きました。
「作り終えたというよりも、また次だな、と。」と平木さんは淡々と答えました。
「八版では"こんな事をやらないといけないなという課題”はもうたまっていますので。」
「ありがたいですね。」(外山さん)「一家に一冊。」(吾郎)

広辞苑の編集は、世の中を行き交う一つ一つの言葉を見守り、交通整理をするような作業なのかもしれません。気の遠くなるような作業を積み重ねて「知の集積」とも言える広辞苑が出来ていると思えば、もっと大切に、もっと頻繁に使いたくなりますね。


拍手ありがとうございます
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Ameba BLOG of the year 2017 最優秀賞受賞!

またまた嬉しいお知らせがあります。
「稲垣吾郎オフィシャルブログ」がアメブロの「BLOG of the year 2017」の最優秀賞を受賞しました!
おめでとうございます
DSC_2561.jpg
吾郎と慎吾のサイン入り新オールフリーが当選し、昨日届いたので、お祝いの乾杯をしました。
サントリーさん、ありがとうございます。13日になったら早速買います!
因みに飲んだ感想は、今までのオールフリーが軽くて爽やかな味わいだったのに比べ新オールフリーはよりビールの味に近くなった感じです。美味しいと思います♪

そうそう、吾郎の受賞インタビューの動画が AmebaOfficialChannel にアップされています。
私はYouTubeをあまり見ないのでつい忘れがちですが、動画を見たら「高く評価する」をポチするんですよね。皆さんもみたらポチをよろしくお願いします。

吾郎独自の美意識が前面に出ていてしかもふわっと柔らかく、読むと思わず頬が緩んで気持が安らぐ吾郎のブログ。吾郎の好きなペースで無理せず長く続けて欲しいです。


拍手ありがとうございます

君たちはどう生きるか。 (「ゴロウ・デラックス」 2/2)

オープニング。
「今日は、2017年のミリオンセラーで大ヒットした方がゲストです。」(外山さん)
「すごいですね」(吾郎)
「実は80年前に発売された歴史的名著を漫画化した方なんですが」(外山さん)
「そんな古い話だったの?」(吾郎)
「そうなんですよ。それが今売れに売れている…」(外山さん)

1937(昭和12)年に出版された児童書「君たちはどう生きるか」は戦後の小中学校の教科書に多数掲載され、池上彰さんや宮崎駿監督の愛読書でもある歴史的名著です。それが昨年、80年の時を経て初めて漫画化されると5ヶ月で170万部の大ヒットとなりました。大型書店の一番目立つコーナーに置かれ飛ぶように売れていますが、買っていくのは大人が多く「漫画だから入りやすい」「子どもに読ませたい」という声が多数。今大人が読みたい、読ませたい本なのです。

課題図書 : 「漫画 君たちはどう生きるか」 吉野源三郎・原作 羽賀翔一・漫画

原作の小説は読んだことがないという吾郎と外山さん。
「子どもの頃に出会いたかった本だね。」と吾郎。この本を初めて読んだ大人は皆そう感じるのではないでしょうか。
今回のゲストは羽賀翔一さん。80年前の名著に新しい命を吹き込んだ漫画家さんです。「もっと年配の方かと思った」と吾郎は言いましたが弱冠31歳。偶然にもあの宮崎駿監督の次回作が「君たちはどう生きるか」だと発表されましたが、羽賀さんは「twitterで知ってびっくりしました。まだ状況がつかみ切れていない。」そうです。

「君たちはどう生きるか」の主人公は中学2年生のコペル君。お父さんを亡くしお母さんと二人暮らしです。そんなコペル君の良き理解者が、お母さんの弟で近所に住むおじさん。いじめなど学校で直面する問題に悩むコペル君におじさんはノートを通じてアドバイスをくれるのです。
この本ではコペル君の経験した出来事は漫画で、おじさんのノートは活字で描かれ、若者達へのメッセージになっています。
「今回は感動的な名シーンをたっぷり朗読させて頂こうと…」(外山さん)
「良いシーンが多いから選ぶのが大変でしたね。」(吾郎)
選ばれたのはいじめを扱ったエピソード。友達のガッチンが上級生達に目をつけられていると知ったコペル君は「一緒に戦う」と約束しますが、数日後上級生達にガッチンが絡まれているのを見て怖くなり動けなくなってしまいます。結局ガッチンは上級生達にボコボコにされ、約束を守れなかったコペル君は学校をサボってしまう…というシーンです。
外山さんがコペル君を、吾郎がおじさんを朗読します。

「そうか…ガッチンを守るって約束、守れなかったんだね…」
「うん…ほんとにすまないことをしたと思ってるんだ…何度も何度もあの時のことを思い出しては、死んでしまいたい気持ちになる。あの日からずっとずっと後悔ばっかり押し寄せて一歩も身動きが取れないような感じなんだ。」
「だからっていつまでもうずくまっていても、何も変わらないよ…コペル君。」
「…ねぇおじさん、僕の気持ちをおじさんがガッチン達に話してくれない?それを聞いたらみんなは許してくれるかもしれない。」
「そんなの…わからないよ。」
「じゃあもう、ずっとこのままでいる。」(コペル君は布団をかぶる)
「コペル君。なぁ、起きろよ。君の考えは間違ってるぜ。君は勇気を出せずに大事な約束を破っちまったんだろう?上級生のゲンコツがこわくて、君一人だけ皆のところに駆けつけられなかったんだろう?いま苦しい思いをしたから許してもらおうなんて、そんなことを言える資格は君にはないはずだ。君は絶交されたって仕方ないことをしちまったんだ。」
「…じゃあ僕は…いったいどうすればいいんだよっ…おじさん…」
「そんなの、本当はもうわかってるはずさ」
「……」
「コペル君はさっき、後悔ばかり押し寄せるって言ったよね…でも…君がしてしまったことをいくら思い返したって、ガッチン達がどう思っているかをいくら考えたって、それは君に変えられることじゃない。だったら、一度考えるのをやめてごらんよ。」
「考えるのをやめる…?」
「そう。変えられないことを考えるのをやめれば、余計な感情に足を取られない…いま自分がしなければならないことに、まっすぐ向かっていける。同じ間違いを二度繰り返しちゃいけないよ、コペル君。」
「おじさん…僕…ガッチンと水谷君と浦川君に…ちゃんと謝らなくちゃ…」
「ああ…」
僕がしてしまったことを全部おじさんに話した次の日…おじさんから渡されたのは…一冊のノートだった。

コペル君、いま君は、大きな苦しみを感じている。
なぜそれほど苦しまなければならないのか。
それはね、コペル君、君が正しい道に向かおうとしているからなんだ。
「死んでしまいたい」と思うほど自分を責めるのは、
君が正しい生き方を強く求めているからだ。
さあ、コペル君、今こそ答えを見つけよう。
ここには、君が決してゴマ化すことなく考えてきた気づきと発見が記されている。
おじさんのノートを最後まで読んでくれれば、きっと君は、自分を取り戻せる。
あらたな一歩を踏み出すことが出来る。
僕たち人間は、自分で自分を決定する力をもっているのだから。

「うーん…」と吾郎は朗読の余韻を味わっていましたが、突然
「外山さん、少年得意。」と言いました。
「少年役、いいですか?」と照れる外山さんに
「女性役よりイイ!」と失礼な発言を(笑)。
羽賀さんはこのシーンにどんな思いを込めたのでしょう。
「おじさんの手紙の中にある『心が苦しいと感じるのは正しい方向に進もうとしてるから』というのは、悩んでる最中とか渦中にいるとそういう引きの視点で考えられないんですけど、おじさんみたいな存在が一歩引いたところからアドバイスや言葉を贈ってくれるのは、今まさに悩んでる中高生が読むには良いのかな、と思いました。」(羽賀さん)
「ホントだよね…。さっきも言ったけど我々が小中学生の時に出会いたかったよね。」吾郎がしみじみと言いました。
「そうですね…吾郎さんは謝りたいけど謝れなかった人、いますか?」と外山さんに訊かれて吾郎は一瞬考え込み
「あの…僕も小学校1年生くらいの時にさほどそこまで仲良くないけど一緒に遊んでた友達がいたんです。で、ジャングルジムで遊んでて、ふざけっこしてその子を落としてしまったんです。救急車で運ばれて…。でもその後まだ小学校1年生ですから両親同士で解決しちゃった、大人同士で。結局僕はその子に謝ることが出来ずに…ま、ちょっと怖がっている自分もいたのかな、ケガをさせた現実に対して。コペル君と同じですよね、謝る勇気が無くて…。」ととつとつと語りました。
「(そのお友達が)今ご覧になっているかも…」(外山さん)
「そうですよね…。あの時は本当に申し訳ございませんでした。」と吾郎は頭を下げました。でもこれで一つわだかまりが解けたでしょうね。

そして次の朗読には羽賀さんも加わって頂きます。
「羽賀さんが一番緊張するところだ!」と吾郎は悪戯っぽく笑いましたが、
「描いてる時も読むでしょ?声に出して。」と訊きました(←これは役者の視点ですね、きっと)。
「そうですね。全部ではないですけど、台詞として違和感ないかとか…読むことはあります。ネームという、下書きの段階で直してる時に。」と羽賀さん。貴重な裏話ですね。
「ブログを始めたので、こういう気持ちなのかなと思って。ブログも間とかあるじゃないですか、スクロールしていって。何センチくらい空けた方がこのセリフって伝わるかなとか。」(吾郎)
「同じだと思います。漫画もめくりで驚かせるとか」(羽賀さん)「あと絵の大きさとか」(吾郎)「そうですね」(羽賀さん)
「比べるのもアレなんですが、ブログって面白いなと思って。」(吾郎)
「へぇー」と感心する外山さんに「見てないの!?」と突っ込む吾郎。
「見てます見てます」と外山さんは大慌てです。「更新すごくしてますよね?」
「一応始めたばっかりだし…」(吾郎)
「ダメですよ、最初それやっちゃうとずっとやらないと…」(外山さん)
「良いじゃないですか!!」(吾郎)「ダメ!」(外山さん)
(外山さんはブログについて何か思うところがあるのでしょうか?)

紹介するのは、コペル君が学校を休みがちな友達の浦川君の家を訪ねるエピソードです。

「浦川君、そんなに字を詰めて書いちゃ読みづらいんじゃない?」
「だって…うちはそんなに何冊もノートを買えるわけじゃないからさ…。おとっつぁんさえ帰ってくれば。」

貧富の差を初めて知ったコペル君が家に帰りその事をおじさんに話すシーンを朗読。実は漫画版のこのシーンには原作にはなかったある仕掛けが施されているそうです。

「なるほど。それでそんなに刺激を受けてるわけか…」
「もし僕が浦川君の立場だったら、ひょっとしたら投げ出しちゃってるかもしれない。勉強も家の手伝いも…。でも浦川君は学校でも家でも逃げない…!!どれだけ向かい風が吹いたって一歩一歩すすんでる。」
「うん。ちょっと外に出ようか、コペル君。おじさんもじっとしていられなくなってきた。」
(コペル君とおじさんは家を出て、外をズンズン歩いて行く)
「おじさんも…浦川君に刺激を受けた?」
「…いや、浦川君からだけじゃない…君からもまた刺激を受けた。」「…」
「コペル君は浦川君の家の貧しさを知って驚きはしたかもしれないけど、ばかにするようなことは少しもなかった。浦川君にしてあげられることを君なりにやったんだ…!!君だって浦川君のように、どんな状況でも向き合って立ち向かえる…!!」
「…うん。あのさおじさん…」
「お父さんが亡くなったあとも君は立派に頑張ってるんだから…!!」
「おじさん。ちょっと速すぎ…」
「この程度で疲れちゃうとは情けないぞ」
「…うるさいなあ」
「なあコペル君。自分じゃまだ気が付いてないかもしれないけど、君はある大きなものを日々生み出している。」
「…僕が?」
「それはなんだと思う?」
「…」
「あっ本田君、ここにいたっ…」
「浦川君…!!」
「君ん家行ったらいなくて…ずっと探してたよ。」
「うん…ごめん、どうしたの?」
「これ。さっき電報来たんだ。」
(電報の文面:「ハナシツイタ コンヤカエル」)
「お父さん?」「うん」
「やったーっ」
僕は浦川君がまた学校に行けるのが嬉しくて、おじさんが投げかけた質問の事はすっかり忘れてしまった。

「羽賀さん良いじゃないですか!」と浦川君役の朗読をした羽賀さんを吾郎は褒めました。
「グングン歩くシーンは、原作ではコペル君だけが歩くんですが、漫画版ではおじさんも歩かせようと思って。というのも、おじさん自身もコペル君と一緒に前に進んでいく、変化していくのを原作よりも漫画版では強調したかった。おじさんも変化したりだとか葛藤だとか、前に進もうとしているのを強調することで、上から下にベクトルが行かないようにと意識して描いていました。」と羽賀さん。それが原作にない仕掛けだったんですね。
「これ、活字ブロックは原作と全く同じなんですか?」(吾郎)
「ちょっと省略されている部分もありますけどほぼ原作のままです。」(羽賀さん)
「確かに活字の文章から感じるおじさんのキャラクターよりも、羽賀さんが描いた漫画ブロックのおじさんの方が好きでした。活字の(おじさんの)キャラクターって威厳のある説教ムードの強い…。だから(小説版の)おじさんが漫画の中にも登場してると僕らは読みづらかったかもしれないし入りづらかったかもしれない。それが狙いだったんですね。」(吾郎)
「そうですね。(活字部分で)しっかり締めるところは締める。親近感を持ってもらえるように可愛げのある部分を漫画で。そのバランスを見極めるのが難しかった。」(羽賀さん)
「それがよかったんだよね。それが今回一番響いたよね。」(吾郎)
ここで外山さんが気になる指摘をしました。
「(『君はある大きなものを日々生み出している。それはなんだと思う?』という)問いかけのシーンがあるじゃないですか。答えが…」
「描かれてないんだ、最後まで。原作もそうなんですか?」(吾郎)
「具体的な答えは書かれていなくて、ちゃんと答えを後半のシーンで描いた方が良いのか編集者と悩んだんですけど、この本は『君たちはどう生きるか』というタイトルですけど『こう生きなさい』という本ではないと思って。あえてここは質問を投げたままにして、読んだ人が考えたり想像できたりする余白として残しておこうと、こういう形にしました。」(羽賀さん)
今は何でも分かりやすいのが良いと思われていますが、あえて説明しない、答えを示さないのが80年前の原作の良さなのかもしれませんね。

一躍人気漫画家の仲間入りをした羽賀さんですが、ここまで来るには苦労もありました。
「完成までどのくらい時間がかかったんですか?」(吾郎)
「2年くらいですかね。最初は『1年で』って言われてたのが…1年遅れちゃったんです。」(羽賀さん)
「1年遅れるって?!かなり遅れましたね。」(吾郎)
「どういう風に漫画化するかというところで、原作の概要を伝えるガイドブック的な漫画ではなくて、漫画としてちゃんと面白いものにしようと思ったので。自分の力量不足もあって遅々としか進まなかったんですけど、でも時間をかけたからこそ描けた部分もあるので…。」(羽賀さん)
「この本をプレゼントしたい人が思い浮かぶもん、いっぱい。」(吾郎)

今後の展望については
「自分のオリジナルのストーリーも描きたいと思ってますし、『宇宙兄弟』という漫画のアシスタントもしていてその小山宙哉先生とのコラボもこれ(「君たちはどう生きるか」)の発売前から進めていたので、それをしっかり描き終えてから、またオリジナルを発表していきたいです。」(羽賀さん)
「『宇宙兄弟』では今でもアシスタントを?」(吾郎)「してます」(羽賀さん)
「小山先生はなんですって?」(外山さん)
「めちゃくちゃ喜んでくれていて」(羽賀さん)
「まさにおじさんとコペル君みたいな関係ですね。」(吾郎)
羽賀さんは本当に嬉しそうです。

AD山田くんの消しゴムはんこはコペル君と羽賀さん。温かみのある作品です。
「漫画は描かれないんですか?」と羽賀さんに訊かれ
「漫画は描かないです。机にそんなに向かえないです。」と正直に答えていました。


私はこの原作本を読んだことがあります。小学校5年か6年の時担任の先生が「とても良い本だから」と言って、クラス全員に読ませたのです。素直に感動しました。
この本が説いているのは「自分の目で見て、耳で聞いて、自分の頭で判断して、行動する大切さ」だと思います。だからこそ80年経った今も多くの人に感銘を与えているのでしょう。でもこの本が発表された1937年は日本が戦争へと突き進んで全体主義に覆われていった時代。この本は時代の流れに迎合しない普遍的な価値を追求したのだと思います。
今回昔この本を読んだ時の気持ちを懐かしく思い出すと共に、今の自分が読んだらどう感じるだろうかと考えました。
また読んでみようかな。


拍手ありがとうございます

ワイン会への誘い (後編) (「ゴロウ・デラックス」 1/26)

先週に引き続き、樹林伸さんのご自宅でのワイン会です。

課題図書:「東京ワイン会ピープル」樹林伸

まず樹林さん原作の漫画「神の雫」から吾郎が朗読。「シャトー・ペトリュス1970年」を一口飲むと目の前に豪華客船が現れる様を波の音まで含めて描きワインの味を表現する、樹林さんらしい場面です。それに倣って吾郎と外山さんもワインの味の表現にチャレンジします。

1本目。「取っ付きやすさ、手に入りやすさという点で最初は泡から」(樹林さん)
「いいですね、シャンパンではなく泡。泡ものから。」(吾郎)というわけで選ばれたのは
ヴーヴ・クリコ イエローラベル」(シャンパーニュ)
シャンパーニュとは、ワインの製造過程で酵母と糖を含むシロップを加え、瓶に詰めて熟成させた物です。2年半以上(場合によっては10年以上)熟成させる間に酵母が糖を分解してアルコールと炭酸ガスを発生させるのだそう。ヴーヴ・クリコ イエローラベルは4000円~6000円とそこそこ手の届くお値段でしかも美味しい、樹林さんお勧めのシャンパーニュです。
「いただきます」吾郎は目を閉じて一口飲み、思わずにっこり笑いました。
「う~ん、まさに爽快感。この爽快感は、僕が20歳から乗っていたマセラティで(「ははは!」と外山さん)、スポーツカーで朝の海が見たくて首都高をフルスピードで駆け抜けていく時に、ふと窓を開けた瞬間、爽やかな風が全身を駆け抜けていく、そういう爽快感です。」(その絵を想像すると格好良すぎるんですけど、吾郎さん♪)
「風を感じる、っていうのはシャンパンらしい表現です。あと、海に向かって走って行ってる感じ…ある種のミネラル感を感じる、シャンパーニュってそういうワインです」(樹林さん)吾郎の表現は基本的に合っていたようです。
さて外山さんは
「キレッキレなんだけどすごく爽快な感じで…キレキレといえば私が学生時代に幼なじみに回し蹴りをしてクリーンヒットしたことがあったんですよ。そんな感じ。酒癖が悪い幼なじみで。」(←をいをい)
「で風が吹く感じ?」と吾郎が突っ込むと
「躍動感ですね。ワインの持ってる躍動感。」と樹林さんがフォローしました。

2本目には「神の雫」で一番最初にブレイクしたワインを樹林さんは選びました。
シャトー・モン・ペラ 2001年
「へぇ!この頃のはエチケットが全然違う!」とボトルを見るなり吾郎は声を上げました(さすが詳しい!)。
シャトー・モン・ペラは1864年から作られていて歴史はの古いのですが知名度はそれほど高くなく、1998年に天才醸造家ミシェル・ロラン氏が関わってから注目を浴びるようになったそうです。一本の葡萄の樹から6房程度に限定して手作業で収穫するという徹底した品質管理の結果、世界でもトップクラスのワインになりました。更に驚くべきはそのお値段で、2000円という安さ!(←そこまで手のかかったワインがどうしてそんなに安く出来るのでしょう?)「神の雫」で紹介されて大ブームになり、在庫はほぼ売り切れて今では専門店でも見つけられない貴重なワインなのです。
ここで、シャトー・モン・ペラが「神の雫」でどう表現されているかをAD山田くんも加わって朗読。主人公神崎雫が初めてワインを飲む場面です。

「い、いやなんつーか、今一瞬音楽が聴こえてきた…」
「はぁ?」
「なんつったけな、イギリスの70年代のロックバンドで…」
「あははは、面白いこと言うなぁ君。でもわかるよ。たぶん”クイーン”だろ。」
「あ!!それだ!どうしてわかったんスか!?」
「こいつがそういうワインだからだよ。…01年シャトー・モン・ペラ。」

飲むと”クイーン”が聴こえてくるワイン、ってどんなワインでしょう?
樹林さんがグラスにワインを注ぐと
「あ、色が違う!ちょっと茶色っぽい」(外山さん)
「2001年からの(時間で)枯れてきたレンガ色と元々持っている色の濃さですかね」と言いながら吾郎が一口含むと
「ああ、いい、…少しエッチな匂いというか…ムスクとか麝香の香りです。」と言ったので
「どちら様でしたっけ?」と外山さんは笑いました。
さて、吾郎は「神の雫」流にどう表現するのでしょうか?
「ああ、舞い降りてきました、神の雫が。…本当力強いですね。すごい力強い。44マグナムですよ。(「出た!」と外山さん)『ダーティハリー』ですね。クリント・イーストウッドのハリー刑事。力強い中にも哀愁漂う。」
それを聞いて樹林さんは
「今の意外といい…つまり懐かしさがある。だから力強いワインであるのは間違いないんだけど、ヒーローって優しいでしょ?優しさを持った力強さ。」と纏めました。
「ありがとうございます。アシスタントの事フォローしてくれた。」(吾郎)
続いて外山さんの番です。
「わ、ホントだ、全然違うんだ!…最初が凄いグッとくるんだけど最後がとっても優しい感じになる。私がパッと浮かんだのはピエール瀧さん。すっごく男らしくて力強いんだけどバカな事もするしすっごく優しい。」
「ある種フレディ・マーキュリー」(樹林さん)(←だから”クイーン”なんですね!)
「先生全部フォローしてくれる」(吾郎)「ありがとうございます」(外山さん)

そして3本目のワインは課題図書から。
「樹林先生がこの本の中で会心の表現が出来た部分」を外山さんが朗読。

グラスを軽く合わせて、口許に近づける。
「わ、凄い!」
弾ける泡に乗ってグラスから溢れ出たその香りは、白のドンペリとは大きく異なるものだった。
最初に鼻腔に飛び込んでくるアロマは、ともかく華やか。
このワインが開いただけで、なんだかその場が、ピンク色の装飾を鏤めた舞踏会みたいになってしまう。
艶っぽい瞳に誘われるような気持ちで、目を閉じてピンク色の液体を唇の奥へと誘い込んだ。
また驚いた。今度はもっと。
華やかに飾りたてられた会場に集まった男女が、いっせいに振り返る。
それはただのパーティではなかった。
マスカレード―――――仮面舞踏会だったのだ。
不思議な仮面の下の真実を知りたくなる。
このワインを造った人は、いったい何を求めたのだろう。
このめくるめく官能はなに?
気高さはどこから来るの?
ドン・ペリニョン・ロゼ2004年。

「仮面舞踏会だって。」読み終わると外山さんは吾郎に囁きました。
眼を閉じて聞いていた吾郎は
「すごい表現だね。映画のワンシーンだよね。(扉が)開くと舞踏会が行われていて。」と少し興奮して言いました。
「ほんとにそういうワインです。意外性の塊ですね。…いきましょうか。」と樹林さんは立ち上がりました。
「いやあ、開けちゃうのかな」
「ほんとですか?!」(外山さん)「嬉しい!」(吾郎)
シャンパンを発明した修道士の名前にちなんで名付けられたドン・ペリニョンは熟成期間が長く8年以上瓶の中で寝かせてから出荷されます。お値段は1本25000円以上という高級ワインです。
樹林さんが持ってきたのはどっしりとした箱に入ったワイン。横にして置き黒いリボンを引くと蓋が開く仕組みです(こんなに手の込んだ箱は初めて見ました)。
「開けちゃっていいんですか」(外山さん)
「開けちゃいましょうね…じゃこれは吾郎くんにあけてもらっちゃおうかな」と樹林さんは言いながら太くどっしりとした瓶を吾郎に渡しました。
「では、天使のため息を…」と吾郎がゆっくりと栓を抜くと
プシュ
と柔らかな音がしました。
「わー、素晴らしい!ため息きましたね」と樹林さんは拍手し
「天使のため息だ」と吾郎はうっとりしました。
このワインはフルートグラス(シャンパン用の縦長のグラス)ではなく、大型のブルゴーニュグラスで香りを楽しむのが樹林さんお勧めの飲み方だそうです。
「ああ、香りがね、すごいですね。こうやって飲むんですね、ブルゴーニュグラスで。」と吾郎は何度も香りを嗅ぎながら言いました。そして一口飲むと
「ああ…優しい」とうっとりとしました。
「発泡する感じもピリピリ攻めてこないで、まろやかで絹のような。きめ細かいというのかね、泡がクリーミーで。」
吾郎も外山さんも例えるのを忘れてしばし堪能していましたが…

「山田くんがそこに立っていると落ち着かないんだけど」(吾郎)
「俺も飲ませてくださいよ」とAD山田くんがスケッチブックを抱えて現れました。
今回の消しゴムはんこは樹林さんの特徴を良く捉えていて、しかもワイングラスもあしらったおしゃれな作品です。樹林さんからは「(グラスに)ワインちょっと入り過ぎだな」と指摘されましたが、山田くんは聞いているのかいないのか「大丈夫ですか飲んでも」「グラスはあそこですか」と一刻も早くワインを飲みたい様子。
「どうしようかな」と樹林さんは一瞬考えましたが「カメラさんも良かったら飲んでください。この本の編集者とかいるんだけど飲んだ方がいいと思う。」とスタッフさん達に声をかけました。
こんな良いワインを余らせたらもったいない、というわけで、番組スタッフや出版社の皆さんも加わってリアルワイン会になりました。乾杯の瞬間、皆さん嬉しそうです。更に樹林さんが
「とうとう開ける時が来たんですかね…酔っ払ってきたのでやっちゃいましょうか。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ。取ってきます!」 と言ったので一同からどよめきが起きました。
「この本で主人公がハマったワインですね。」(樹林さん)
「あのロマネコンティ、世界一のワインだよ!」吾郎は大興奮です。

そして樹林さんのワインコレクションの中からとっておきの1本が遂に登場。バスケットに入れられたワインを吾郎が「緊張するな」と言いながらしずしずと運んできました(心なしか歩き方も少しぎくしゃくしているような…)。
「いやあ楽しみだな。ワインというのはいつかは飲むんですから。」と樹林さんが興奮する一方で吾郎は
「美しく撮って」とカメラさんに小さな声で指示を出しました。
「これは主人公がハマったワインです。2009年。」(樹林さん)「はい」(外山さん)
「こっちむけましょう」と樹林さんがワインのエチケットをカメラの方に向けると吾郎はボトルに顔を近づけて、
「生まれてきてくれてありがとう」と囁いたのです。
(いや分かってますよ、ワインに向かって言った事は。間違っても私に向かってでない事は分かってますが、それでもドキッとするじゃないですか。一瞬心臓が止まるかと思いましたよ。)
DRCエシェゾー2009年
樹林さんがワインにハマるきっかけになったワイン、つまり「神の雫」や今回の課題図書(「東京ワイン会ピープル」)の出発点ともいえる最高級ワイン。そして
「これから50年、もしかしたら100年置いても大丈夫なワイン」(吾郎)の栓が開きました!
「だから、早く開けちゃってごめんね、という…そういうことですよね、先生」(吾郎)
「そういうことです」(樹林さん)
「開けさせていただいているんだよ!わかる?まだ100年生きられるんだよ!」と声が上ずる吾郎に
「あの、落ち着いて座って頂いていいですか?」と外山さんが声を掛け、
「めっちゃ弾けてませんか?」と樹林さんも笑いました。しかし吾郎は立ったまま
「だってこんな早くお披露目だよ?!そこにはちゃんと感謝しなきゃいけない」と熱弁をふるい、それから席に着きました。
そして一口飲んでじっと味わうと
「舌から離れてくれないですね。くっついて離れてくれない。」と言いました。
「そうなんですね。ずーっとまだ余韻が残っている。」と樹林さん。
「そんなに気難しいとか、偉そうじゃないでしょ。実際に飲むとすごく優しくて寄り添ってくれるから、ほっとしますね。ありがとう寄り添ってくれて。」吾郎は最後にワインに向かって言いました。
「ここのレベルに降りてきてくれてるんだよ。寄り添ってるんだよ…。すごくないですか。」(吾郎)
「素晴らしい」(樹林さん)
ワインに詳しい吾郎もしばし陶然とするほどの味わいだったようです。

最後、吾郎はふと我に返ったように
「あ、まだ回ってたの?カメラ」と言いました(←回ってますよ、お仕事ですから)。
でもカメラがあることを忘れるくらい楽しいワイン会になって良かったですね。


拍手ありがとうございます

ワイン会への誘い(前編) (「ゴロウ・デラックス」 1/19)

オープニング。
「今夜のゲストはワインの世界では知る人ぞ知る方なんですね。吾郎さん、話が弾みそうですね。」(外山さん)
「はい。いろいろお話を伺いたいですね、ワイン好きですし。」(吾郎)
今回は吾郎の為のゲストさんと言ってもいいでしょう。期待大です。

課題図書:「東京ワイン会ピープル」 樹林伸

東京で夜な夜な開かれる秘密のワイン会。そこに偶然参加することになった普通のOL紫野が経験する大人の世界の物語です。
「ちょっと懐かしいバブルの香りがして、何よりもワインが飲みたくなる。このワイン会行きたい」(吾郎)
登場したのは茶色のシャツに黒のジャケット黒の帽子、そして黒のサングラスをかけたダンディな男性です。
樹林伸(きばやし しん)さん。本業は小説家ではなく、漫画の元となる脚本を書く漫画原作者です。代表作は「神の雫」。ワインを題材にしたこの漫画は累計発行部数は1000万部を記録し7カ国語に翻訳されて各国でワインブームを巻き起こしました。その樹林さんが満を持して発表した小説が今回の課題図書です。
まず、なぜ今回漫画ではなく小説だったのかを伺いました。
「『神の雫』ではワイン会のことはあまり書いてないんです。(神の雫は)主人公の対決の話だからそっち(ワイン会)に話が行きづらい部分もあって。でも僕らが日々良いワインを飲むのは大体ワイン会なんですよ。自分の経済力とか経験値とか年齢も含めてとてもじゃないけど飲めないワインを持ってきてくれる人もいるわけです。そういう経験もしてほしいなと思って。だから『日本にワイン会を広げたい』っていう気持ちで書きました。」樹林さんの語り口は熱っぽいです。
「へえ。美味しい物を独り占めするんじゃなくて、みんなで飲んだら美味しいじゃん、って、そこがなんか良いですよね。ワインを好きになったきっかけは何だったんですか?」(吾郎)
「あるワインをきっかけにはまってめちゃくちゃ買うようになって…」(樹林さん)
「めちゃくちゃ買ったんだ」(吾郎)
「どれ位ワインがあるんですか?」(外山さん)
「そうですね、うちのセラーに…姉貴の分も預かってますが…4000本位ですかね。」(樹林さん)
「お姉様もワインがお好きなんですか?」(外山さん)
「ええ、姉貴も同じ時期にドはまりして。『神の雫』は姉貴と共同執筆してます。」(樹林さん)
「そのきっかけだったワインは?」(吾郎)
「DRCのエシェゾー。85年だったんですけど、この作品にも出てて。」(樹林さん)
「この作品の最初にも出てきますよね。飲んだ瞬間ってどんな感じだったんですか?」(外山さん)
「いやもう雷に打たれたような感じです。すごい、マジで?みたいな」(樹林さん)
「まさにこの彼女(紫野)が感じたような…」(吾郎)
DRCエシェゾー?と言われても私は分からないのですが、番組でちゃんと解説してくれました。
DRCとは「Domaine de la Romanee-Conti」(ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ)の略で、あの有名な「ロマネコンティ」を作っている会社。他にも何種類かのワインを作っており、DRCエシェゾーはその内の一つなのだそうです。年間生産数1~2万本、価格帯は10~20万円程度という、最高級ワインなのだとか。
主人公紫野がDRCエシェゾーを初めて飲んだ時の感想部分を吾郎が朗読。味の独特の表現が樹林作品の特徴になっています。

ふいに目の前が明るくなった気がした。まぶしさに目を閉じると、瞼の裏に花畑の幻想が拡がっていた。
無数の大柄な花々が咲き誇る畑の真ん中に、まっすぐに延びる道が続いている。どこまでも続く道を歩くと、傍らに自生するハーブの匂いが風に乗って通り過ぎていく。
向こうから籠を提げた少女が歩いてくる。日除けの白い帽子。
そこから覗く表情は微笑みかけているようだ。
すれ違いざまに籠の中を覗き見ると、そこにはたくさんのフルーツ。
フレッシュな苺、ラズベリー、ブラッドオレンジもある。
思わず振り返ると少女は立ち止まり、苺を一つ差し出した。
受け取って口に含むとそれは、思い出のように甘く、そして切なかった…。


「切ないんだ、やっぱり。」(吾郎)
「ブルゴーニュですからね…。」(樹林さん)
「少女が歩いてくる…。すごいですよね、苺一つくれるんですよ。」外山さんが反芻するように言いました。
「余韻が長いから時間があるって事なんですよね。その間あたかも人が近づいてくるのを見るような、そういう余韻の長さを表現したかった。流れる映画の映像のような感じ。」(樹林さん)
「そうですね、ブルゴーニュのワインって、ほんとにすごいんですよ。」吾郎もしみじみと言いました。(そのすごさが私には分かりませんが。)
樹林さんの表現の特徴は、ワインの余韻をワインとは直接関係の無い絵画や音楽でも表すこと。「神の雫」ではエレガントなワインはクレオパトラに例えられ、一口飲んだ光景が数ページにわたって続くこともあります。
「いろいろな表現の仕方があるじゃないですか。それは昔からそういう表現の仕方をなさってたんですか?」(外山さん)
「打ち合わせをしてて『ガソリン欲しいよね、夜中だし』となって、当時1000本単位であった自分たちのワインの中から飲み始めるじゃないですか。すると何か言いたくなりますよね。『このワインは男かな女かな』みたいな。『いやこれは女でしょ。黒髪の…』『そうだよね』『黒い目浅黒い肌』『だよね』『肉感的な』『だよね』…って言ってるだけで今1本のワインが浮かんでるんですけど…そんなような事を始めたんですよ。それをやっているうちに段々人から景色とか絵画とかになっていって、ある時『これ、このまま漫画に出来るんじゃないかな?漫画にしようぜ』ってなったんです。本気か?って思いましたけど。」(樹林さん)
「いやあ、ゴロウ・デラックスでもワイン会を開きたいですね。」(吾郎)
「いいですね、何かワイン持ってきますよ。」(樹林さん)
「すごく沢山、今4000本くらいもっていらっしゃるんですよね。どこに保管しているんですか?」(外山さん)
「自宅の地下のワインセラーに保管してます。」(樹林さん)
「見てみたいですね。」(吾郎)
「見てみたい?」(外山さん)「まさか?」(吾郎)「見に来ます?」(樹林さん)

ということで樹林さんのワイン御殿に潜入することに。
「神の雫」の他にも「シュート!」(SMAPで映画化されましたね♪)「金田一少年の事件簿」「GTO]など数々のヒット作を生んだ樹林さんのお宅に入った瞬間「何これー?!」と吾郎が大声を上げました。玄関からして広い!「ワイン会や収録やその他多目的に使う」というご自宅は広くてシンプルかつ豪華な造り。地下へ降りる階段にはベル・エポックのシャンパンの空き瓶が並べられています。「本当はシャンパーニュと言わないといけないんですよね」と吾郎。地下はワイン会スペースになっていて、バーカウンターも完備。「72時間ホンネテレビ」の時お邪魔したAbemaTV藤田社長の別荘とちょっと雰囲気が似ています。吾郎と外山さんは一つの部屋に入るごとに「わぁ~!」と歓声を上げています。そしていよいよ目的地(?)に到着。
「ではワインセラーを見せていただけますか?」(外山さん)
「しーっ、静かにね」(樹林さん)「ワインが起きちゃうから」(吾郎)「寝ているんですよね」(外山さん)
樹林さんはおもむろにセラーのドアを開けました。ドアは小さめで吾郎は頭をぶつけそう。
「機嫌が悪くなっちゃうから、ワインの」と吾郎は言いながらセラーに入っていきました。
「何、この量?!」と外山さんが驚いたのも無理はありません。天井まで届きそうな棚が所狭しとずらっと並び、どの棚にもぎっしりワインが収められています。
「四方八方からワインに監視されてる緊張感…僕は受け入れてもらえるのだろうか?という…」いかにもワイン好きの吾郎らしい感想です。
「吾郎さん、飲んでみたいワインとかは?」と外山さんに訊かれると
「いやあありますよ、これはオー・ブリオンですか?」と早速1本のワインに手を伸ばしました。
「先(キャップシール)で分かっちゃった。」と言う吾郎に
「すごいですね、先で分かっちゃった!」と樹林さんは驚きました。
「あの、すごく貴重なワインってどれですか?」外山さんが尋ねると
「全部貴重ですよ!」と吾郎は即答。一方樹林さんは「一番?どれだろう…」とあたりを見回して
「DRCは確かに貴重だと思いますね。後は例えばクロ・パラントゥなんかは…」と棚から取り出し「しかもこれはサインが入ってる。」と見せてくれました。「すごい!僕はうまく説明できないけど。」と吾郎。
「ブルゴーニュの神様」と言われたワイン醸造家の直筆サイン入りの「ヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントゥ2005」はマニア垂涎のものらしく、市場価値は10~25万だそうです。
「僕の中では一番思い入れが強いワインですね。」と樹林さん。
「これ先生が流行らせたんじゃない?ブルゴーニュの伝説的ワインになってますよね。」(吾郎)
貴重なワインを見せていただき、3人はセラーの外へ。樹林さんがドアを閉めるとき吾郎は
「またあとで起こすよ~」とワインに声を掛けました。

ここから「ゴロウ・デラックス」ワイン会がスタート。「ここで一つルールがあります。」と外山さん。
それは樹林作品と同じように、様々な例えを使ってワインの味を表現すること。
「おいしい、だけじゃダメなんですね。」吾郎は唇を引き締めました。
「今回はどんなテーマでワインを選んでくださったんですか?」(外山さん)
「まず入り口として、作品に出ているワインをと思いまして…。この本の中の第一章に出てきた物。」と言いながら樹林さんは1本のワインを取り出しました。
「これはシャトー・ラグランジュ。サン・ジュリアンのワインです。」
シャトー・ラグランジュの歴史は古く、17世紀には記録が残っているそうです。しかし20世紀初頭に恐慌や戦争が相次いで経営が行き詰まりワインの質が低下してしまいました。そこに救いの手を差し伸べたのが、日本のサントリーで(←オールフリーの会社です!)1983年から経営に参画し徹底した改革を行った結果復活を遂げたのです。今回はその2009年のものを頂きます。
「これは1万円ちょっと欠けるくらい。だから例えば学生でもお金を出し合えば…。」(樹林さん)
「いいですね。それが一生忘れられないワインになるかも、と思ったら。考え方次第で。」(吾郎)
「それくらい、ものとしてはいいワインです。」樹林さんがソムリエナイフで栓を開けながら言いました。
そしてワインを飲む前に樹林さんからワンポイントアドヴァイスが。
「スワリングといってグラスを回すんですが、机から離す時は反時計方向に回すんです。これは何かあった時自分にかかるように。右回りにすると相手にかかっちゃうでしょう?だから左に回すんです。」
「なるほど。」と言いながら吾郎がさっそくグラスを回すと「もう香りがすごく開いてる。」と感心しました。
まず外山さんから感想を。一口含んでゆっくり飲み込み、一瞬考えてから
「さっきサントリーと聞いたせいかも知れないけれど、正統派という感じ。人で言ったら文武両道みたいな感じ…。小学校の時の初恋のウラくんみたいな感じ。」
「聞いてないよ。」吾郎がすかさず突っ込みました。「それ苗字?ウラくん?」
さて、ワイン大好きな吾郎はシャトー・ラグランジュの味をどう表現するのでしょうか?
「いただきます」と言って一口飲んだ吾郎は
「あ!…あっ、はい……なんかね、意外でした。(「意外?」と樹林さん)香りはすごく軽やかなんですが飲むとしっかり重厚感というか。その意外性が。意外性ですね。この意外性はですね、…僕が青山辺りのバーでちょっと苦手だなと思うような女性と知り合って、でも話す機会があって、会話をしているうちに意外にもフランス映画が好きだったり、僕の大好きなレオス・カラックスの「ポンヌフの恋人」が好きだったり…どんどん話が盛り上がって、そんな見た目じゃなかったのに意外と意気投合しちゃった、みたいな」
「何カッコイイ事言ってるんですか」と今度は外山さんが突っ込み「青山のバーなんて…ホホホホホ」とついに笑ってしましました。
二人の表現を「バッチリです」とほめて下さった樹林さんが感想を。
「本と同じ事言わないようにと思ったんですけど、やっぱりこれを飲むと感じてしまうのがテノール。男性の声、高い方の、のような響きですね。やはり素敵な男性だと思う。テロワール(土地)の特徴でしょうね。オペラのテノールが響き渡る感じ。本と違うことをと思ったけれど実際に飲むとやはりそう感じますね。」
「いや、それが一番素直でいいと思います。」(吾郎)

吾郎はいつの間にか樹林さんのことを「先生」と呼んでいました。それくらい樹林さんのワインの表現は独創的でかつ気品があります。

嬉しいことに次回もワイン会♪貴重なワインが次々開栓されるそうなので楽しみです。


拍手ありがとうございます